昨年に解散を宣言し、現在ファイナルツアーで世界を飛び回っているUS産ロックバンドYellowcardが、ラストアルバムを引っ提げて今月末に来日する。正真正銘最後の日本公演だ。
1997年に結成され、2003年にメジャーデビューアルバム『Ocean Avenue』を発表。爽やかなパンクサウンドにバイオリンの美しい音色を融合させるという斬新なスタイルで、世界中のロックキッズたちを熱狂させた。
日本でも『SUMMER SONIC』の出演や、ワンマンツアーでのライブを定期的に行っているなどの人気があり、彼らの曲を聴いて育った邦楽バンドも多い。なかでもバイオリン奏者をメンバーに取り入れているBIGMAMAは、学生時代にYellowcardのコピーバンドを組んでいたほど強い影響を受けている。
ロック×バイオリンというスタイルの先駆け的バンドではあるが、安易にバイオリンを前面に押し出すことはせず、あくまで根元にある”ロック”を大切にしていることが彼らの曲を聴くと分かるだろう。
それぞれの楽器の音に個性があり、感情(エモーショナル)のおもむくままにステージ上で飛び跳ねる。そこにバイオリンが加わることによって新たな化学反応が生まれ、いまや数多くのフォロワーを誕生させるほどの大きな存在となったのだ。
そのYellowcardが、結成二十年という節目の年に自らの幕を下ろす。
突然の解散ニュースが流れるや否や、日本のTwitter上でもトレンドワードに入り、惜しむファンの声が相次いだ。
世界中のファンがショックを受けるなかで、バンド側はラストアルバム『Yellowcard』に収録されている「Rest In Peace」のミュージックビデオを公開した。
これはまぎれもなく、今まで支えてくれたファンに向けて作られたものだ。バンドが二十年も活動を続けられるのは並大抵のことではない。それができたのはYellowcardとファンとの間にたしかな絆があったからだろう。この映像を観ていると、「さよなら」のはずなのにどこか爽やかで温かい気持ちがこみ上げてくる。
Yellowcardの最終来日公演の日程と会場は以下の通りだ。
2/28(火)19:00 梅田クラブクアトロ(大阪府)
3/2 (木)19:00 Studio Coast(東京都)
平日夜からのスタートなので時間的には少し厳しいかもしれないが、青春時代を彼らの音楽で過ごした方や、さらにはこれから彼らを知る方も、21世紀のロックシーンを引っ張ってきたバンドの有終の美をその目でぜひ見届けよう。
※トップ画像 Yellowcard 公式Twwiterより引用