甲子園に笑いの渦!「甲子園歴史館一日広報部就任式」「高校野球大好きタレント熱血トークライブ」2大イベントレポート

1月28日(日)、野球の聖地甲子園にて「甲子園歴史館 1日広報部就任式」と「高校野球大好きタレント熱血トークライブ」の2大イベントが開催された。後者は1塁アルプススタンドでの開催となっているが、この場所でのお笑いライブは甲子園の歴史上今回がはじめてとなる。

1日広報部の野球ウンチク炸裂!

14時にはじまった「就任式」では、同球場で15年間売り子を経験したお笑い芸人代走みつくに、高校野球フリークかみじょうたけし、社会人野球の選手と結婚を発表した元日本テレビアナウンサー上田まりえら3人が登場。1日広報部として元気よく選手宣誓を行った。

特別ゲストとして、みつくにの後輩であるにしね・ザ・タイガーが登場。直筆の手紙を持参し、今までの感謝を読み上げる感動の展開になるかと思いきや「ご飯をおごってやると一緒に店に行ったら店が閉まっていた」「大して食べたくもないアイスをおごってもらったらみつくにの電車代が足りなくなり、結果的に自分で自分で買ったのと同じ値段を代わりに支払った」など赤裸々な過去を告白され、会場は大爆笑。

その後は、みつくにとかみじょうによる歴史館ウンチクが爆発。「今まで甲子園に出場した全高校の校名が入ったボール」「大阪青凌高等学校時代の松井秀樹のユニフォーム」など、ここにしかないレア展示物を深~く紹介した。

また、上田まりえの熱狂ぶりも見逃せなかった。特に地元鳥取の高校野球ネタに関しては、かみじょうが「目玉が血走ってる」とやや引き気味にコメントするほどの入れ込みっぷり。放っておけば一日は話し続けてしまいそうだ。

深すぎ!高校野球熱血トークライブ

16時30分から開催された「熱血トークライブ」では、代走みつくに、上田まりえ、かみじょうたけしら就任式の3人に加え、数々の名勝負を実況してきた毎日放送の名アナウンサー森本栄浩が参加。さまざまな視点から愛ある野球トークを繰り広げた。

最初のお題は「高校野球好きになったきっかけ」について。かみじょうが野球好きになった理由は、近所の高校の野球部があと少しで甲子園に出場できるという状況を間近で体験したこと。いつも遊んでくれていた近所の高校生たちが、甲子園出場のために必死で特訓するさまに涙を流すほど感動したのがきっかけであったという。

上田のきっかけは、中学時代のあこがれの人。彼が野球部であったため、当初は自分も同じ趣味を持とうとしただけだったのだが、いつの間にか野球それ自体の面白さにのめり込み、彼のことはどうでもよくなってしまったらしい。

次は、春の名勝負について。みつくにが語ったのは、1989年の選抜決勝、上宮高校対東邦高校の試合。試合終了目前の中、上宮高校学校逆転のきっかけとなった三塁手の悪送球、二塁手のエラーについて、実況の水谷氏の「ボールが逃げていく!あまりにもかわいそう!」という名調子が忘れられないという。これについて語られた瞬間、観客席から拍手が沸いた。

森本は1977年の選抜1試合目、中村高校対天理高校の試合を紹介。福家正明、鈴木康友らエース選手が揃っている天理が勝つだろうと当初は思われていたこの一戦であったが、山沖之彦をはじめとする中村高校側が粘り、大方の予想を覆して勝利という熱い試合であった。

続いてのお題は、今年3月に開催を控えた第89回選抜高校野球大会の出場校について。かみじょうは前大会優勝校であり、自身が何度も応援に行っているという智辯和歌山に注目。同校OB会の副会長である辰巳氏と一緒に行くと必ず智辯和歌山が勝つというエピソードを挙げて「(今年は)たっぷり行ける」とその連覇を予想した。

森本は岩手県の不来方高校に注目しているという。今回初出場の同校はなんと部員がわずか10人。彼らが人数的不利を抱えながらどのような試合を行うか期待しているようだ。

次の「高校野球ちょっとええ話」では、上田が自身の夫の恩師である中京大中京高校の大藤敏行前監督について語った。大藤氏は自身でなく家族の名前や顔についてしっかり覚えており、また選手の進路を非常に心配しているという。たとえ伸びない選手であっても大学まで付き添って推薦したり、担任の教師より早く三者面談を行ってその進路を安定させるなど、監督としてだけではなく教師としても優れていると語った。

その次は「高校野球あるある」。森本は「8月16日は名勝負が多い」というウンチクを披露。江川卓が敗れ去った1973年作新学院と銚子商業の一戦、松井秀喜が5打席連続敬遠され議論が巻き起こった1992年の明徳義塾高校対星稜高校の試合、延長15回にまでもつれこんだ1998年豊田大谷高校と宇部商業高校との激戦など、同日には高校野球ファンを唸らせたすさまじい試合が多数繰り広げられてきたことを解説。

続く「校歌」でも、森本は大分商業高校や鳥取西高校など人気校の校歌を熱唱し、上田からは「校歌リサイタルを開いた方がいいんじゃないですか?」と感嘆のツッコミが入った。

といった感じで、海の底よりも深い高校野球談議が濃厚の1時間40分以上。ラストはみつくにの「ゲームセット!」の声とともに一礼し、終了した。

真冬にも関わらず客席はほぼ満員で、高校野球人気のすごさを実感することができた。この分なら春の選抜も存分に盛り上がりそうで、今から待ち遠しい限りだ。

<画像はすべて著者撮影によるものです>

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