今、ライトノベル界で「勇者」の定義を覆す作品が続々と発表されているのを、ご存知だろうか。
『帰ってきた元勇者』(著:ニシ / ポニーキャニオン)の勇者はかわいい女の子たちでハーレムを作ろうとするし、『用務員さんは勇者じゃありませんので』(著:棚花 尋平 / MFブックス)の主人公は普通の用務員。
『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました』(著:左京 潤 / 富士見ファンタジア文庫)にいたっては、そもそも主人公が勇者になれない始末。
「勇者といえば唯一無二の主人公、清廉潔白で正義感に燃え、魔王や悪の組織にも果敢に立ち向かっていく……」というイメージはすでに過去のもの。
現在のライトノベル界を席巻しているのは、これまでの「ステレオタイプな勇者像」を覆す勇者たちなのだ。
12月24日にKADOKAWAから発売された『勇者のクズ』(著:ロケット商会 / カドカワBOOKS)の主人公も、そんな「新世代勇者」のひとり。
主人公・ヤシロは、勇者を「人を殺してメシを食う最低のクズ」と称しつつ、自らも勇者稼業に身を置くチンピラ。魔王を殺して金を稼いでは、お気に入りの店で友人の「勇者」とテーブルを囲んでビールとピザを味わい、カードゲームで大いに盛り上がる。
そう、主人公にも関わらず、タイトル通りのクズなのである。
物語の舞台となるのは、違法手術の末に「魔王」と化したヤクザが蔓延る社会。
彼らを討つのは、使命に燃え、正義のために戦う戦士……ではなく、免許制となった職業「勇者」たちで、彼らは身体強化薬を注入し、異能の力を発現させることで「魔王」を狩り、日々の収入を得る。
このおおよそファンタジーな雰囲気とは無縁の殺伐とした世界観からも、いわゆる「異世界もの」とは一線を画す本作は、小説投稿サイト「カクヨム」で発表されるや否や大反響を呼び、「第1回Web小説コンテスト」現代アクション部門(現「現代ファンタジー部門」)の大賞を受賞。
著者のロケット商会氏は本作がプロデビュー作品となる新人ながら、6,000本を超える応募作の中から選ばれた超実力派である。
そして、そんな期待の新星とタッグを組み、本作のイラストを手掛けたのは、シリーズ発行部数1,000万部を超える名作中の名作『魔術士オーフェン』や、『BLACK BLOOD BROTHERS』などのイラストを担当した草河遊也氏。
水彩を中心とした美しい色彩で描かれる挿画にも要注目だ。
さらに! なんと早くもコミカライズ企画が進行中!
詳細は決定次第、コミックNewtypeのTwitter及び「勇者のクズ」特設サイトにて告知されるので、こちらもご期待いただきたい。
チンピラそのものな毎日を過ごしていたヤシロの日常は、目先の金欲しさに勇者志望の女子高生を助けたことで一変。なし崩し的に家庭教師を引き受ける事になった女子高生3人と、より危険な事件へと巻き込まれていくらしいのだが、果たしてクズはクズのままなのか、それとも「勇者らしい勇者」へと成長していくのだろうか。
チートな能力もなければ容姿端麗でも特別な存在でもない。だが、人のピンチとあらばかけつけ、全力で立ち向かう。そんなヤシロの中に見え隠れする「勇者」の姿に、読めば読むほど惹かれること必至の本作。
かつての勇者像とは全く違う、新たなヒーローの登場に括目していただきたい。
★「勇者のクズ」1巻は『勇者筆記試験実践問題集』付き!
あなたに勇者の免許を得る資質があるか挑んでみよう!!
※現役勇者による解説付き
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キャンペーン対象となるのは2017年1月24日(火)正午のツイート分まで。
詳細は「勇者のクズ」特設ページ、および富士見ドラゴンブック編集部のアカウント(@dragonbook_game)で公開中!
【「勇者のクズ」特設ページ】
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201612yuushanokuzu/