下着から靴下、Tシャツに至るまで『ワークマン』尽くしな筆者ですが、最近は防寒着や雨合羽まで『ワークマン』を愛用しています。
「何故、そこまでワークマンにコダワルのか?」
と疑問に思う人も少なくないと思うので、あえて言おう!
「お前はワークマンを着た事があるのか?」
恐らく疑問に思っている人達は、総じて『ワークマン』の服を着た事がないと思われます。実用性とコストパフォーマンにおいて(略
というわけで、さして『ワークマン』に興味が無い人達にもオススメしたい、巷で噂の『バイカーズ』を手に入れた筆者が早速チェックしてみました。
レインスーツ『バイカーズ』とはなんぞや?
簡潔に言えばオートバイを乗る人の為に『ワークマン』が本気で作ったレインスーツ、すなわち“雨合羽”で御座います。
今回、本気で作るに至った経緯としては、作業服としての雨合羽である『イージス』がバカ売れした背景があり、実用性と価格、品質のバランスが取れれば一般の人達にもウケるという事実を再確認したからなのです。
そして!
このヒット商品である『イージス』が、オートバイに乗る人達からの支持が高かったので、ならば本気でバイク用のレインスーツを作ろうとなったらしいです。
というわけで、社内で会議を重ね試作品を作りまくって、この2016年6月中旬にやっと製品化となりました。
バイク用のレインスーツとは?
バイク用のレインスーツは、基本的にバイク用品店で買うのが今までの常識でした。オートバイは時速100キロ、人によってはそれ以上のスピードで雨の中を走る事もあります。
この様な超過酷な環境でもズブ濡れにならないだけの防水性能は、なかなか市販のレインスーツには無かったのです。
時速100キロで走れば雨の粒も100キロで衝突するので、レインスーツの縫い目やファスナーから風圧で押し込まれて雨が侵入して来たりするので、かなり本格的なレインスーツでなければバイク用には使えません。
また、オートバイの場合は何時間もシートに座っている事もあるので、一般的なレインスーツだと“お尻”と言うか股の部分から雨が染みて来る事も少なくありません。
というわけで、“バイク用のレインスーツ”は一般の雨合羽と違い、かなり特殊な環境で使われるので、どうしてもバイク用品店でバイク用のレインスーツを買うのが常識だったのです。
「だったらバイク用品店で買えばいいんじゃね?」
みたいな結論に到達しますが、どうしてもバイクユーザーにしか売れないので値段的には安くなかったりするのが悩みでした。
具体的に言えば、雨の中を一時間以上走るなら一万円くらいのレインスーツを選ばないと、悲惨な状態になるという事で御座います。
【驚異の耐水圧15000mm】とにかく防水性能にコダワッテみた
『ワークマン』の名をバイク乗り達に知らしめた透湿防水防寒スーツ『イージス』も、多くのライダー達に支持されていますが、それでも微妙に
「バイクに乗るには残念な部分」
などもありました。そこら辺の声を『バイカーズ』に反映させる為に、この『バイカーズ』はあえて“透湿防水性能”を捨てて、変わりに圧倒的な防水性能を手に入れました。
具体的には『イージス』の耐水圧(雨に耐えられる性能的な何か)が“10000mm”だったのに対し、この『バイカーズ』は“15000mm”にまでパワーアップしています。
単純計算で言えば防水性能は驚異の150%という事でしょうか? 若干、透湿防水性能が無いので
「着ていて暑苦しいんじゃね?」
みたいな疑問を持つ人も居るかもですが安心して下さい。基本的にバイクに乗っている時は、ほとんど座っているだけなので汗はかきません。
なので、ハイキングなどで着るのであれば透湿防水性能は必要かもですが、むしろ乗ったらさして動かないバイクの場合、それよりも“防水性能の方が大事である”と割り切った製品なのです。
さらに防水性能にコダワッテみた
基本、働く人の為の作業服専門店である『ワークマン』ですので、耐久性にはコダワリがあります。
なので、この『バイカーズ』も縫い目の裏側は、ちゃんと処理してあるので安心して下さい。
安物の雨合羽の場合、ここら辺の処理が甘くジワジワと雨が滲んで来るのですが、この『バイカーズ』に関しては大丈夫そうですね。
生地自体はナイロン100%(裏のメッシュ生地はポリエステル100%)と軽量で、ストレッチ性はないものの“縫製”を工夫しているので動きやすいデザインになっています。
とにかく防水性能にコダワッテみた
雨の中でバイクに乗っていると、色々な部分から雨が侵入して来ます。例えば正面のファスナーや首周り、袖口ですら雨はジワジワと染みてくるのです。
というわけで、『バイカーズ』は正面側の合わせ部分にも工夫が見られます。
一番外側のフラップはマジックテープで止めるタイプで“二重”になっています。内側のフラップは“折り返し”が付いていて、雨が風圧で押されてファスナー部分に流れるのを防いでいます。
なので、正面からの防水性能は“ほぼ完璧”と言っても過言ではないでしょうか?
バイク用ならではのデザイン
この『バイカーズ』は通常のレインスーツよりも“襟”が微妙に高くなっています。
なので襟を立ててファスナーを一番上まで上げれば、ほぼほぼ首周りからの雨の侵入はありません。
さらに!
ヘルメットと襟の隙間を守る為に“レインネックガード”が標準装備されています。
このレインネックガードを『バイカーズ』を着た後に、頭から通して装着すれば、雨の高速道路を突っ走る的なシチュエーションでも、首周りからの雨の侵入は100%カット出来ます。
さらに高速走行で『バイカーズ』がバタつくのを押さえる為に、腰と肘の部分にはマジックテープによるアジャスターが装備されています。
普段は着やすさ重視でゆったり目にセットし、高速道路に乗る時は各アジャスターを締めてフィットさせるのです。
裾には当然“ドローコード”もあるので絞る事が出来ます。
しかも!
バイクも車種によっては前傾姿勢がキツいので、腰周りから雨が入らないようにパンツ側には“バックガード”が付いています。
さらに上着の方も微妙に背中側の丈が長くなっているので、より確実に雨の侵入を防ぐ事が出来ます。
前屈みになる事が多いライディングでは必須なデザインですが、残念ながらココまで作り込むメーカーは少ないのが現状です。
他にもレインスーツにしては珍しく、膝の部分には“脱着式プロテクター”が標準装備されています。
このウレタンパッドがあると無いとでは大違いで、骨折がヒビだけで澄んだり、骨にヒビが入る所が無傷で済んだりするので重要です。
パンツは結構タイトな設計か?
今回は身長174cmの筆者が“LLサイズ”を着用しています。筆者がブーデー化しつつあるので、ちょっと『バイカーズ』のパンツはスリムな予感です……。
いや、厳密には普通のデニムとか履いている分には良いのですが、カーゴパンツとか履いてポケットに物を入れてると、非常に窮屈で御座います。
とは言え、あまり“ゆったり”したデザインにすると風でバタつくし、下手をすると排気管に触れて生地が溶けてしまうので、ここら辺はギリギリの線を狙ったのかもしれません。
なので筆者の“S社の三角木馬”のようなモタードやオフ車に跨がる時は、ちょいと足が上がりにくい予感です。
まあ、人によっては“動きやすい”とレビューしている人も居るので、ここら辺は着る人のボディによるのかもですね。
ちなみに裾はベルクロで大きく開くので、ブーツを履いたままでも脱ぎやすいらしいです(まだ試してません)。
『バイカーズ』を雨の日に着てみた
本当は“耐水圧15000mm”を試す為に、嵐のような日に高速道路を走ってみたかったのですが、梅雨入りした割には大雨の日に遭遇しませんでした。
というわけで片道30分程度の通勤で、最高時速60キロ(?)で雨の中“国道16号線”を走ってみたのですが、流石にこのくらいの速度帯では完璧な防水性能を発揮しました。
いや、まあこんくらいなら安物でも30分くらいは濡れないで済むので、この『バイカーズ』の実地テストと言うには“お粗末”なのですが、ここら辺は後々“需要”(反響とも言う)があれば、台風の中を箱根まで行っちゃうかもしれないので、色々な意味でよろしくお願いします。
とりあえず着た感じは高い防水性能の割には“軽量”で、それなりに動きやすいと思いました。裏地はメッシュなのでベタつき感もなく快適で御座います。
なので着心地に関しては、特にディスる要素は皆無かと存じます。
『バイカーズ』 総評
一応、バイク歴25年くらいの筆者ですが、この『バイカーズ』は非常にイケてる気がしています。
まず“防水性能”に関しては一切の不安が無く、もしも雨の日にツーリングに行けと言われたら筆者は、迷わず『バイカーズ』を着る事でしょう。
ちなみにコチラ、バイク用に特化しているので普通の人にはイマイチな部分も少々あります。
例えばバイクの場合はヘルメットを被るのでフードを使う必要は滅多になく、フードはオマケくらいの存在で脱着式になっています。
あと“膝パッド”ですが、これがあると安心なのですが普通に“かさばる”ので折り畳んで収納する時には邪魔に感じてしまいます。
無論、雨の日の方が事故(転倒)は多いので、レインスーツにこそプロテクターをって声もあるのかもですが、それ系に神経質な人はレインスーツの下できっちり固めているので、レインスーツ側には必要ないかもですね。
まあ、なので“脱着式”になっているのですが、筆者的には必要ないアイテムでした。
同じく“レインネックガード”も高速道路での長時間ライディング以外は出番が無さそうなので、人によっては出番が無いかもしれません。
他に気になったのは『バイカーズ』にはポケットが一切無い事でしょうか?
ここら辺はコストに関係するし、ポケットもしっかり作らないと“水漏れ”の原因になるので、潔く捨てたと解釈出来るのですが、やはりポケットが無いと不便に思う事があります。
と、細かい所でマイナスと言うか“自分には必要ない機能”があったりする『バイカーズ』ですが、それら必要無いと思った機能まで付いていて
「一着5800円」(しかも税込み!)
みたいな庶民価格ですので、使わない機能があってもディスる必要はないと思われます。
個人的にはレインスーツには“防寒性能”よりも“防水性能”を重視したいので、この『バイカーズ』(5800円)は『イージス』(6800円)よりもイチオシで御座います。
特に防水性能に関しては、この『バイカーズ』を上回る商品は滅多にないと思います。
と、言う訳で『バイカーズ』が気になる人は、是非とも『ワークマン』にダッシュで向かって下さい。近所に実店舗が無い人は『ワークマンオンライン』で通販するのも手ですので、諦める必要はないとアドバイスしておきましょう。
最後にワンポイントアドバイスですが『ワークマン』の商品がリーズナブルなのは一度にまとめて大量生産するからなので、希に人気が出すぎて“在庫無し”となった場合、次のチャンスは数ヶ月先になるので気を付けて下さい。