ブラック保育園を見抜け!保育士が教える、見るべき3つのポイント

  by yappi  Tags :  

暖かい日も増え、新年度が近づいてきた今日この頃。先日、保育園を落選してしまった方のブログが注目を浴びましたが、そろそろ新年度からの保育入園の結果を受け取ったご家庭も多いのではないでしょうか。そして、落選の結果を受け、他の保育園に申し込むなど何とかして策を講じようとしているご家庭が数多くいることと思います。

しかし、昨今の急激な保育園増加により、質の悪いいわゆる“ブラック保育園”も増えている現状があります。筆者が以前勤務していた都内の認可保育園も、いい保育ができているとはとても言えない、保育士が年度途中に何人も辞めていくブラック保育園でした。しかし、素晴らしい謳い文句による広報で入園希望の倍率は高く、「人気がある園だ。」と園長は豪語していました。

そこで、そんな一見わからないブラック保育園を見抜くポイントをまとめてみました。これからの保育園見学の際に、また、実際に保育園に通うようになってからでも再度、チェックしてみてください。

1、保育士の最低配置基準は守られているか

国によって年齢別に、こども◯人につき1人の保育士を置かなければならない、という保育士の最低配置基準が決められてるのをご存知ですか。0歳児3人に対して保育士1人1・2歳児6人に対して保育士1人3歳児20人に対して保育士1人4・5歳児30人に対して保育士1人、です。(認可の有無等によって多少の幅が許されています)
保育に馴染みのない方にはあまり知られていない数字かもしれませんが、この数字を頭の隅に覚えておき、ぜひ実際に保育をしている場で照らして数えてみてください。あまりに合わない場合は、慢性的な人員不足があると疑えます。最低の配置基準で保育するのさえ大変です。守られていないとなれば、ブラック保育園の1番の要因を満たしていると言えるでしょう。

2.こどもの鼻水は拭かれているか

正直に言って、保育士は保護者が見ている時には、いい保育をしようとしてしまうものです。見学時などの短時間に、保育士の言葉かけなどの関わり方で良し悪しを見抜くのは難しいと思います。1番見てわかりやすいポイントは、こどもの鼻水が綺麗に拭かれているかどうかです。こどもひとりひとり、鼻水が出るたびにちゃんと拭いて(また拭き方を教えて)いるか。些細なことかもしれませんが、筆者も保育士として働く中で余裕のない保育をしている時には、それができませんでした。こどもひとりひとりに丁寧な保育が実践されているか見抜くポイントとして、こどもの鼻周り、見てみて下さい。鼻水がカピカピになったまま放置されている、そんなことはないでしょうか。

3.掃除やおもちゃの手入れがしっかりされているか

園内を見るとき、特に、見るべきポイントは水周りおもちゃです。余裕がない保育をしている際、ないがしろにされがちなのが掃除の徹底です。本来いつも清潔にしてなくてはならないはずのこどもの手洗い場やトイレ、シャワー場などの水周りが汚れているのは、掃除をする時間や人員の余裕がないからです。壊れかけのおもちゃがそのままにされている、明らかに部品が足らないおもちゃや汚れて古いおもちゃが出されている、などおもちゃの手入れがなされていない場合も同様です。ついつい、園がアピールしたい綺麗にしてある場所ばかりに目が行きがちですが、こどもが清潔な環境の中で快適に生活できているかどうかがなにより大切ではないでしょうか。

いかがだったでしょうか。
育休が終わる、今すぐ職場に復帰したい、など自身の状況から「とにかく預けられるところを」と不安や焦りに駆られている方も多いと思います。でも、だからこそ慎重に譲れないところを見極めて欲しいのです。切羽詰まる状況はとてもよくわかります、この社会をなんとかしなくてはなりません。しかし、だからといってこどもの安全や人権が守られない保育園が増えていいはずがないのです。こどもの最善の利益を考える保育士の立場として、お願いです。ブラック保育園かもしれないと懸念がある保育園に通わせるのは避けて下さい、また、とは言ってもどうしても通わせなければならない場合は、こどもにとってよくない保育状況について何度でも園や区に対して訴え続けて下さい。あなたのひとつの選択と勇気で社会の未来が変わります。ブラック保育園を淘汰し、こどもも親も笑顔で過ごせる保育環境に改善していきましょう。

山梨県出身。私大総合政策学部に在学中に保育士免許取得、卒業後3年間認可保育園にて働く。現在1児の母。得意分野は、海外旅行・保育・教育・育児など。