画期的な吸音材『Aural Sonic』が『国際放送機器展』2011で公開されました。『片岡裕教授』が開発した技術です。
従来は吸音を行うには、厚さが必要でした。 しかし、この『Aural Sonic』は音を左右に逃がす構造です。 このため面積を厚みに変えることができます。 例えば1メートルの正方形だと、中央部では50cmの厚みに相当します。
50cmの厚さのものを部屋に設置するのは難しいですが、4cmの厚さのものであれば威圧感なしに設置できます。 吸音性能は以下の動画をご覧いただければその凄さを理解できると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=-qHinlm0wF0
想定される利用方法
この吸音材は防音と言うより、部屋の音質改善を行うための材料です。 例えば六畳間に良いオーディオシステムを導入しても六畳間の音しか従来は再生されませんでした。 しかし、この『Aural Sonic』を壁に貼りつければ、音響的には広い部屋と同じ条件になります。
従来は、高級オーディオやホームシアターはそれなりの広さが必要でしたが、この素材により狭い部屋でも十分活かすことができます。
余談ですが、この展示ブースの壁は見本市にありがちなパーテーションですが、『Aural Sonic』が貼りつけられているためしっかりとした部屋という印象を受けました。 隣に用意された未処理の部屋では会話の音がキンキン響いて不快な感じでした。
オーディオルーム、シアタールームなどの音楽鑑賞用の部屋はもちろん、質の良い会議室の音響改善、簡易的なレコーディングスタジオなど全ての音を改善する素晴らしい技術です。