「沖縄の2紙つぶせ」の百田尚樹氏がまたブーメラン 1年前は「言論の自由を許さない政治は恐ろしい」

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6月25日に開催された自民党の若手議員らが作る『文化芸術懇話会』の会合で、講師として招かれた作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と発言し「言論弾圧を肯定している」と批判を浴びている問題でなお余波が拡大しています。
百田氏から攻撃対象とされた沖縄タイムス・琉球新報の2紙は26日に合同で抗議声明を発表しましたが、百田氏だけでなく「マスコミをこらしめるには広告収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」(大西英男衆議院議員=東京16区、当選2回)など、出席した議員が政権に都合が悪い報道を行うマスメディアへの圧力を平然と肯定する問題発言を行っていたことを含めて沖縄以外の地方紙や全国紙でも社説で批判的に取り上げられており、特に神奈川新聞は27日付の紙面に掲載される社説を26日の夜にネットで公開する異例の対応を取りました。

百田氏はこれまでにも『Twitter』で問題発言を投稿しては陳謝に追い込まれたり、発言内容と過去のツイートとの矛盾を指摘された際に「削除して証拠を消そうという精神が貧しいし、悲しいね。男じゃない」と言うツイートを発掘されて「ブーメランが刺さりすぎてバナナの房」状態だと言われたりして来ました。

「削除して証拠を消そうという精神が貧しいし、悲しいね。男じゃない」百田尚樹さんのツイートがブーメランすぎると話題に – ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/860785 [リンク]

同性愛について「変態と思うのも自由だと思う」と作家の百田尚樹さん 思慮を欠いたとしてツイートを削除 – ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/868347 [リンク]

そして今回も「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」発言に対して各社の取材で「軽口、冗談のつもりだった」と釈明していましたが、同時に『Twitter』では以下のような「本音」も投稿していました。

炎上ついでに言っておくか。
私が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞です(^_^;)

このような調子で『Twitter』に投稿を繰り返している百田氏ですが、昨年3月21日に以下のようなツイートを投稿していたことが明らかになり「またブーメランか」と話題になっています。

国民にとって最も恐ろしい政治というのは、「言論の自由を許さない政治」。だから、自分にとって都合の悪い発言を、様々な力を使って封じ込めようとする政治家こそ、国民の敵。

このツイート自体は「ごもっとも」と言える内容ですが、果たして百田氏はこのツイートを投稿した際に1年後の自分が「言論の自由を許さない政治」に加担していると取られても仕方がないような場で講演し、自らが「言論弾圧」と取られうる問題発言をする状況を想像していたのでしょうか? 百田氏と『文化芸術懇話会』出席者、そして百田氏の親友で『文化芸術懇話会』を開催した議員の監督責任を有している安倍晋三自民党総裁がこの問題に週明け以降どう対処するのか、引き続き注目されます。

1975年、兵庫県姫路市生まれ。商工組合事務局勤務を経て2012年よりウェブライター活動を開始。興味のある分野は主にエンターテインメント、アーカイビング、知的財産関係。プライベートでは在野の立場で細々と文学研究を行っている。

Twitter: 84oca