世界のIT最新開発状況の今を東京で SLUSH ASIA

  by 松沢直樹  Tags :  

ITの最新テクノロジーや、ビジネスとしてスタートアップしようとしている技術を一度に見ることができるSLUSH ASIAというイベントが、24日東京都港区青海で開かれました。

ゆりかもめの 青海駅改札を出ると早速案内が

なるほどなるほど、会場が見えてきました。今回のこの会場ですが、1日のイベントのために造営したのだそうです。

メディア用の取材パスをいただいて早速中へ。

入り口近いブースでは、IT技術を応用した生活に根ざしたテクノロジーの紹介が行われていました。写真は、GMOグループが発表していたロボット技術。簡単な会話ができ、二本足歩行を行うという優れもの。お子さんの教育や、介護などの分野で家族の一員としてロボットを受け入れる時代がくることを示唆していました。

こちらは、私が個人的にすぐれものと思った技術。
スマートフォンを使って、玄関の鍵を開けられるようにできる装置。取り付け方もドアの内鍵の部分に乗せるだけ。

スマートフォンのアプリで鍵が開くようにできたり、LINEやメールで鍵を共有できるようにできるようになっています。また、誰が鍵を開けたかが通知されるようになっているので、お子さん一人でお留守番する場合などによさそうなグッズですね。もちろん、リアルな金属製の鍵で開けることもできますので、柔軟性が高くて便利な装置だと思います。

こちらも同じブースに展示されていたグッズ。 圧力センサが体重移動を検知して、専用のソフトでスノーボードの練習ができるというもの。

さてさて、ブースを移動して、各IT企業のスピーチをうかがってきました。全編英語ですが、これからのIT産業にとって有用な事業を各国の方がプレゼンしているわけですね。最優秀企業には賞金が与えられるそうです。

実に多くの企業がプレゼンしていたのですが、そのうちのいくつかをピックアップしてご紹介。

開発を行う上で、ネックとなる問題を効率よく解決していくというポイントを解説しておられましたが、日本の労働環境とシステムが違うせいなのか、ずいぶん合理的で、エンジニアに負担がかからず、かつ、ヒューマニティなアイデアを提言しておられました。

フィンランドからのプレゼン 初等教育とプログラミングについての講演

フィンランドでは、義務教育の中でプログラミングが必修科目になるそうです。EU全体がそうなのですが、多言語を学ぶカリキュラムがあり、言葉でのコミニュケーションに子供が苦心するという現状もあります。

プレゼンの中では、Javaを学べば、ある程度意志の疎通を児童が図れるようになる可能性を示唆していたのが興味深かったですね。これは、日本の学生が第一外国語である英語が伸びない問題にも応用できるかもしれません。

ウェブ開発におけるデザイン力が、いかに優位性を持つかというテーマでのプレゼン。システマティックかつ、統計的な分析を重ねていて、産業に応用した場合にどのような効果の違いが出るかについて示唆していたのが印象的でした。

最優秀賞は台湾の企業でした。

プレゼンが全て終わった後は、アフターパーティ。GMOさんが主催されていたそうですが、DJがテクノを流す中、インドネシア、中国、台湾、日本ほかアジア各国の方が楽しんでいました。

改めて思ったのは、日本がアジアの中の一つの国であり、そういったことを意識するだけで、日本国内の産業に大きな転換を迎えることができるということですね。不況が言われている時代ですが、外国から外貨を得るという考えがもう少し身近になれば、今とは違った生活が送れるのだろうなというのが、もっとも大きな学びでした。

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長