中国でも麻薬問題はかなり深刻になっており、ある意味それを裏付けるような記事が『南京日報』に掲載されていたので(「麻薬販売夫婦8000万元の現金の上に寝る生活」http://legal.people.com.cn/GB/16020599.html)、これについて少し。
中国では言わずとしれた阿片戦争の後遺症があり、麻薬にはかなり厳しい対応をとっておりますが、それでもかなり深刻なのが実情です。理由はいろいろ考えられますが、かなり激しい格差社会ですので、結果として競争が熾烈でそれに敗れた者が麻薬におぼれる、都市化が進んだ結果人と人との結びつきが弱くなったなど、様々なことが原因となっているかと思います。
この記事によると山西省、河南省、天津市、安徽省、江蘇省等の公安が連携し、4~500名もの警官を動員し、麻薬組織を一斉検挙し、2.8トンもの麻薬と、8000万元(日本円にして9億6000万円)を押収したというものです。
主犯の夫婦は仲間と共謀し、天津の利安隆博華医薬化学有限会社の業務のマネージャーと連携し、1kgあたり700元(8400円)で買ったものを、14,000元(168,000円)で販売し、20倍もの利益を上げていたそうです。
これだけの暴利を貪っていればある意味、金が貯まるのも当然で、先に述べたように8000万元もの金を蓄えられたというわけです。しかし、この金額は中国ではかなりのものです。中国の1人当たりのGDPは日本の1/10ですので、価値のイメージとして10倍してもらえば大体の雰囲気がつかめるかと思います。
何にしろ麻薬を買った者は稼いだ金の内、かなりの金額を支出していたのは間違いありません。そして、これだけの金が彼らの手元にあったということは、中国も豊かになったものだと変な意味で感心してしました。
記事によると、主犯の夫婦は最初これだけの金が貯まったので、不安になり河南省安陽の古びた部屋に「金箱」を置いてその上に二人で寝ていたそうです(どんなものかは説明がないのでわかりませんが、ベットを支えるものに金を入れておいたということでしょうか)。
それでもやはり不安になり、農民を雇いトラクターを使って別のところに移動させたということです。おそらくその移動先で今回の逮捕となったのでしょう(記事では2ヶ所から4000万元づつ見つかったとしております)。
確かにこれだけの金となると銀行に預けるわけにもいかないので、自分たちで持っているしかなかったのでしょうが、不安になるもの頷けます。
上の写真はこの記事に掲載されていた、警察が押収した4000万元の現金を床にならべたものです。実際はこの2倍の金を箱にいれて、その上に寝ていたわけです。
これだけの現金を常に家に置いて置かなければならなかったことを考えると、こんな大金を目にしたこともない貧乏な私としては、うらやましいというより、命の危険を感じたり、盗まれる可能性が頭をよぎって、ノイローゼになってしまうかもしれません。