海洋深層水に残された謎
海洋深層水は、大量の熱を蓄熱し、熱帯から高緯度への熱の輸送をし、さらに大量の二酸化炭素を蓄積する機能をもつことから、深層水の循環は、地球の気候システムをコントロールする調整弁として重要な役割を果たしている。
最終退氷期(17500〜11500年前)には、大気中二酸化炭素濃度が80ppm以上上昇した。これは、最終氷期に停滞していた深層水に貯まっていた二酸化炭素が、その循環の再開により、大気へ放出したのが主な原因と考えられている。
現在、深層水は、北大西洋高緯度と南極海により形成され、最大約2000年かけて北太平洋へと到達する流れが存在している。よって、気候変動と深層循環は、常に表裏一体の関係にある。本研究が行われた完新世は、氷期、退氷期に比べて極めて気候的に安定している時代と言われているものの、近過去だけでも小氷河期や中世温暖期といった人類活動に大きな影響をもたらした気候変動を経験している。
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参考 夢ナビ: 有孔虫が教えてくれる太古の地球 サイエンスポータル: 海の深層水循環歴史事始め