人材不足で倒産?求職者が魅力を感じない企業の特徴

  by ひろ  Tags :  

現代の日本では、人材不足による企業の倒産が相次いでいます。
東京商工リサーチによると、2014年1ー9月累計の人材不足倒産内訳は後継者難型が201件(前年同期179件)、求人難型が17件(同10件)、従業員退職型が9件(同13件)でした。
(リンク元:http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20141008_5.html)

「なんで?」と思われる方もいらっしゃると思います。世の中では寒い時期になると「就職氷河期」や「就職難」といったワードがメディアを賑わせ、学生を追い込んでいるわけですから。
しかし、裏では募集をかけても人が集まらず倒産しかけている企業が多く存在しています。

ここで人材採用のコンサルティング活動をしていた筆者が求人難型の企業倒産に注目し、求職者が魅力を感じない企業の特徴を挙げていきましょう。

福利厚生が用意されていない

初っ端から度肝を抜かれた方もいらっしゃると思います。あらかじめ説明しておきますがこれはアルバイトではなく、正社員での雇用を考えている企業の話です。
会社の概要を聞いて気に入ってくれた求職者は、福利厚生がないことを説明すると「ブラック企業なの?」「将来の年金はどうするの?」といった反応をします。ではなぜ企業が福利厚生を用意しないのかというと、社会保険料などの支出に経営者が渋っている場合(もちろん仕方がない場合もあります)が多いです。

食品関連の事業を展開している

最近、多くの報道機関で特集されているブラック企業の存在。
大半を占めるのが居酒屋や牛丼屋などの飲食店です。そのため食品=ブラックという方程式が世の中に浸透してしまい、まったく関係のない事業を展開していても『食品』のカテゴリーに属しているだけで、求職者に拒絶される傾向になっています。こればっかりは企業としても対応が難しい事例なので、事業以外の部分で魅力を感じてもらうしかないです。

求職者に対して威圧的

経営者や役職を持っている会社員に見られますが、求職者に対して上から目線で物事を語る人が本当に多いです。
採用条件の打ち合わせをしている際に「こっちは働かせてやるんだよ?」「感謝しろ」といった態度をあからさまに表へ出してきます。就職活動中で敏感になっている求職者の心情を感じ取れない企業に、人が集まらないのは必然と言っても過言ではないです。

約束を守らない

子供の頃に「約束を破ってはいけない」とあれほど教育されたのにも関わらず、大人になった今でも約束を守らない企業があります。
言うことが日々変わっている企業は必ずと言って良いほど離職率が高く、そのような雰囲気を悟って辞退してしまう求職者が多いです。人間は機械と違って感情を持ち合わせている生き物なので、信頼関係を築く行為は仕事をしていく上で重要な要素になります。約束を守らない経営者の下で働くことほど不安を感じることはないのではないでしょうか。

以上が代表的な4つの特徴です。
働く選択肢が多種多様に変化しているこのご時世で、人材不足によって倒産する企業の更なる増加が懸念されています。社会全体でこの問題を共有し、改善策を考えていかなければ日本の産業は衰退の一途をたどるかもしれませんね。
(写真:『写真素材 足成』http://www.ashinari.com/から引用)

政治・地域産業・農業の裏側、人材採用の裏側、食品関連の裏側など日本の核心に迫ったり迫らなかったりするフリーみたいなライター。 最新トレンドから社会ネタまで様々な分野に切り込んでいきます。