注目されるUFC格闘家は男性ではなく驚きの女性!

  by あおぞら  Tags :  

本の表紙で内容を判断してはいけないと言われる。これは変な先入観を持つな!と言う教えだと思うが、格闘を女性がする、しかもそれがプロの世界でUFCの八角形の金網が張り巡らされたリングで、ときに血まみれになる闘いを女同士でするのはどうよ?と言う気持ちはぬぐえなかった。

テレビのコマーシャルでUFCのペーパービューが流れるのはたまに見るが、それが女性のファイトであるのを知って愕然とした。もうここまで女性は来てしまったかと。

ワシントンポスト紙で女性ファイターの記事を見た時に、女性格闘家の地位が世間的に認められていることを知る。興味をもって調べてみると現チャンピオンが格闘家になる背景を知って『人生って凄い…』と感慨深くなってしまった。

写真のロンダ・ラウジーはUFJ女子バンタム級のチャンピオン。今でこそ職業を隠しても女性らしく見えるが、21歳までは身なりに構うことのない、化粧もしないしブカブカの洋服を着ていた柔道女子。バーテンダーをしていた21の時に「もっとチップが欲しいから」と女性らしくするようになったと言う。

母親の影響で11歳から柔道を始める。「暗い幼少時代を柔道が救った」と言うのも、8歳の時、父親が自殺した。

ロンダ・ラウジーは自分の居場所をみつけるように柔道に情熱をぶつけ柔道にまい進し、21歳の北京オリンピックでアメリカ女子で初めて柔道でメダル(銅)を獲得した。

その後の人生設定を4年後のロンドンオリンピックに向けて進めるか、水難救助員になるか、はたまた大学に行くか考えていたが、最終的にはそれらとは全く別の総合格闘家になることを決意した。元柔道世界選手権のチャンピオンであった母親は娘の総合格闘家へ転向の結論を嘆いた。

女が金網の中で闘うこと、女同士の闘いは目をそむけたくなる興行だと思っていた。ただ、その背景を知ると表面でなく、多面的に、時に立方的に物事が見られる。ひとそれぞれの人生である。父親が幼い頃に自殺するショッキングな出来事を、柔道で乗り越え、支えられ、裸一貫でここまでのし上がったその魂には拍手喝さいを送りたい。

でも、あまり無理をせずに、いい人ができたらお嫁に行って、家庭を築いて欲しいとも思う。女の幸せのひとつも味わって欲しいとも願う。

画像: from flickr YAHOO!
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