【やさしいスプラッター映画レビュー 第0回】苦手な方でも「見てみたいかも……」と思えるようなレビューを目指して

  by 百壁ネロ  Tags :  

はじめまして、百壁ネロと申します。“ヒャッカベ”と読みます。
ほっそりほそぼそと小説家をやっております。
以後、お見知りおきをよろしくお願いいたします。

さて、僕には趣味がありまして、趣味というか、それを元にした小説を書いて賞をとり作家デビュー出来たので趣味っていうかだいぶ実益が出ちゃってるんですが、それは何を隠そう“スプラッター映画鑑賞”です。

スプラッター映画(スプラッターえいが、splatter movie)とは、殺害シーンにおける生々しい描写に特徴のある、映画の様式のひとつである。大部分は広義のホラー映画に含まれるが(スプラッター的要素のまったく無いホラー映画は少なくない)、身体の一部が切断されてはね飛んだり、天井まで血しぶき(splash)が上がったりするといった、誇張を含むあからさまな表現は、スプラッター映画独自のものといってよい。「スプラッター・ムーヴィー」という呼称は1980年代に定着したものであり、1970年代以前は「ゴア・ムーヴィー(Gore Movie)」という呼び方が多く用いられていた。 ――Wikipediaより

そんなスプラッター映画なんですが、もちろん、苦手な方も多いと思います。好んで見られない方も大勢いるだろうと思います。

しかし!

「観客をアッと驚かせたい!」という映画表現の根源的な欲求がスプラッター映画にはぎゅぎゅっと詰まっており、そこには確かな映画らしさがあふれていると僕は思うのです。
実際、スプラッター撮影経験の豊富な著名映画監督も少なくありません。
たとえば『スパイダーマン』のサム・ライミ監督は『死霊のはらわた』で鮮烈なデビューをしていますし、『殺し屋1』『オーディション』『悪の教典』などで圧倒的な暴力描写を見せた三池崇史監督は、『ヤッターマン』や『逆転裁判』など人気作品の映画化でもメガホンをとっていたりするわけです。

というわけで思いっきり好きな作品のレビューを書いてみようと思っている僕なのですが、いかんせん苦手な方もいらっしゃるわけですから、そういう方々にも配慮した内容にしたいのです。
そういう方たちの苦手意識を少しでもなくし、「ちょっと見てみたいかも……」と思わせてこそ、スプラッター愛好家の使命ってやつじゃないですか!!

なので、この連載では、スプラッター映画のスプラッター映画的な部分については極力触れず、そういう面以外での面白さをピックアップしてお伝えしていきたいと思っている所存です。
しかも、出来る限り普通のスプラッター好きでもそうそう見たことのないようなマニアックな作品を紹介していければ、と!

たとえば、『ブラッディ・ナイト・ア・ゴーゴー』のラスト15分からの、およそスプラッター映画とは思えない衝撃の展開とか。
『ブラッディピエロ 100人連続切裂き』のヤバすぎる吹替えセリフ傑作選とか。
『オールナイトロング・イニシャルO』で連呼される謎の“緑の魚”の正体とは!?とか。

いろいろと面白げなネタは持っていますので、どうぞどうぞお楽しみにして頂ければ幸いでございます。
以上、百壁ネロでした。

(※topの画像は著者のコレクションの一部)

小説家。 文芸レーベル・講談社BOXが主催する小説新人賞『BOX-AiR新人賞』を受賞し、デビュー。既刊に「ごあけん アンレイテッド・エディション」がある。好きなものは速い音楽と悪ふざけ。

ウェブサイト: http://about.me/nero100kabe/

Twitter: KINGakiko