一杯の絆の珈琲はいかが? 2月28日に映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」が公開に

『個人の香りがするコーヒーチェーン』(ブルー・ボトル・コーヒー)が話題である。1カップずつ丁寧にいれるのが特徴で、厳選したオーガニック・フェアトレードの豆を自家焙煎。しかも焙煎後48時間以内のものしか提供しないというこだわりだ。これは、ある意味、日本の喫茶店文化への再認識であろう。ジェームス・フリーマン(James Freeman)氏が日本の喫茶店文化にインスパイアされていることをご存知な方は多いだろう。
1杯の珈琲のこだわり。つまり大切さである何かを日本人が忘れたことを思い出せるに違いない。一杯に込める愛だということだ。今回は、そのこだわりに大切な”モノ”を思い出させる映画を紹介する。2月28日に公開される映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」(台湾題名:寧靜咖啡屋之歌)である。

”温かい珈琲が、傷つき、頑なだった心を溶かしていく…。”

最果ての海辺で吉田岬(永作博美)は朽ちかけた船小屋を改装し、焙煎珈琲店「ヨダカ珈琲」の営業する。その向かい住むのはシングルマザーである山崎絵里子(佐々木希)と二人の子供たちである。そして、絵里子が岬の危機を救うことになる。事件は未遂に終わるが深く傷つく岬。そんな岬にのために珈琲を絵里子が淹れるいれる。

”価値観や生き方の違う2人が反発したり共感したりしながら深い絆で結ばれる。”

そして、絵里子が岬が最果ての地にやってきた本当の理由を知ることになる。そして、漁師だった岬の父についての衝撃の事実を知ることになる。

珈琲を通しで進むストーリー。そんな珈琲を体験したい。

この焙煎珈琲店「ヨダカ珈琲」は実在する人気の焙煎珈琲店である「二三味(にざみ)珈琲」がモデルである。もちろんこの珈琲店がある石川県は奥能登の先端の珠洲市に位置しており、二三味葉子さんが平成13年に修行先の東京から地元の珠洲市に戻ってスターとしたのが、この映画でも描かれている通り祖父の船小屋であったことだ。人によっては癒しと表現するほど、虜になるファンも多いという評判だ。

珈琲の味わい深さ、そして繊細に描く人間模様

今回の映画では長回しの手法を使っているとのことで、自然な動きの中で心模様を映しだすことができる。彼女が使用した感情表現へのアプローチである。その彼女とは台湾の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督である。
台湾の監督がメガホンを取ったことも話題性はあるが、そんな彼女はアジアの名匠・エドワード・ヤンの後継者とも目される人物とのことだ。元々は女優として活躍し、故楊德昌(エドワード・ヤン)監督「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」で助演女優賞にノミネートされたほどの人物である。演技から演出に転身し、故楊德昌(エドワード・ヤン)より脚本や助監督として参加し映画作りを学び、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の助監督として師事している。監督への道を選んだ理由については”俳優は、オファーされなければ仕事はない。でも、監督なら伝えたいテーマを自分で脚本を書けば良いし、プロデューサーがいなければ自分で資金を調達して制作することができるから”と答えていることだ。

彼女に注目した日本のプロデューサーが白羽の矢を立つわけだが、アジアへの注目度も高いと思われる。さて、ヨダカ珈琲は人種をこえて癒しを与えることに期待したいものだ。

さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~
監督:姜秀瓊(チアン・ショウチョン)
脚本:柿木奈子
出演:永作博美、佐々木希 ほか
(2015年/日本)
2月28日(土)より公開
(c)2015「さいはてにて」製作委員会
http://www.saihatenite.com/

参考
姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督インタビュー in 台北:アジアンパラダイス
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2015/02/podcast-in-7a07.html

食べログ「二三味珈琲 cafe (にざみコーヒー)」
http://tabelog.com/ishikawa/A1704/A170402/17001259/

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