タクシーにおまかせ沖縄旅の魅力

  by nnk  Tags :  


毎日寒い日が続いている。
2月に入って少し暖かくなったような気もしたが、東京では先週も雪が降った。
そんなときに考えたいのが、そう、沖縄旅行だ。

寒いときにより寒いところへ行きその地方ならではの風物を楽しむのも正攻法だが、実際に「あー、旅行行きたいなー」と思っても、「とか言って今からじゃ実際行けるのはゴールデンウイーク以降だよなー」となるのがオチである。
だったらいっそのこと、暖かくなってからのことを考えよう。夏のことを考えよう。
そう、沖縄である。

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仕事の日でもしないような早起きをして日の高いうちに那覇空港へ着いたら、
まずは首里城へ行こう。
沖縄の有名な観光スポットのなかでも那覇空港からほど近く、しかも歴史的な建造物なので、手っ取り早く「沖縄来た感」が味わえるのである。
「沖縄初めてなの!」という女子と同行している場合は特にオススメだ。
あの有名な赤い「正殿」は1980年以降に立て直されたものであり、冷房設備もあって真夏でも見学しやすいうえ、見学路の最後にたどり着く土産物屋では、沖縄の伝統的な染物である「紅型(びんがた)」を使ったハンカチや小物入れが買える。
女子の「もう疲れた」攻撃と「お買い物したいナ」攻撃を一度に回避できる、ありがたいスポットなのである。

しばらくすると、雲行きが怪しくなってきた。


沖縄には、熱帯特有のスコールが降ることがある。お昼ご飯のあとは特に降りやすい。
そんなときは、移動手段としてタクシーを選ぶのもひとつの手だ。沖縄タクシーの初乗り料金は450円~500円程度。決断にまごついて彼女の機嫌を損ねたら、とても500円の損失では済まないだろう。

「沖縄のきれいなビーチ特集」から選んでおいた「みーばるビーチ」と行先を告げる。それだけは前もって決めておいたのだ。そのあとはぶっちゃけノープランである。そのビーチ、結構那覇から距離あるんだよなー…と悶々としていると、その心を見透かしたかのように、「沖縄は初めてですか?」と運転手さんが話しかけてくることはよくある。
動揺を隠すのでせいいっぱいな自分に代わって、彼女が話し始める。初めてであること、今朝沖縄に着いたこと、景色のいいところにいろいろ行きたいのだということ。
よかったら、景色のいいところ、いろいろご案内しましょうか?

観光タクシー」というのは、一日、あるいは半日などの単位で、決まった料金を支払えばこちらの指定したコースやおすすめコースをめぐってくれるサービスである。これを事業として行っている会社もあるが、沖縄では、街を流しているタクシーでも、交渉次第で観光タクシー的なことをしてくれることもある。料金は応相談。ぼったくられることはまずない…と思うが、最初に話し合って決めよう。ずっと同じタクシーで移動できればいちいち手荷物を持って降りなくてもいいし、次の目的地までの所要時間を予想して時計とにらみ合わなくてもいい。名所は運転手さんが道すがらガイドしてくれて、明日の計画を相談することもできる。これらもろもろの利点と実際の移動にかかる料金を考えて、適切な値段を判断したい。

ということで、運転手さんの提案に乗って「おまかせコース」を行くことに。一安心である。快調に飛ばしていくうちに雨も上がったようだ。青い空が目にまぶしい。


まず案内されたのは通称ニライカナイ橋、国道331号線にある絶景スポットだ。晴れの日の午前中、または午後早い時間が特に素晴らしい。交通量も少なく、素人でも美しい風景写真が撮れることウケアイである。
南国らしい青い空と白い雲に、彼女のご機嫌もうなぎのぼりだ。あ、もちろん彼女だけでなく、あなた自身もとてもいい気分になれるだろう。

次に案内されたのが「斎場御嶽(せーふぁうたき)」。初めて聞く名前だ。


沖縄の”始祖”が造ったとされる聖地で、琉球の最高位の女性神官の就任式が行われるところでもあったという。「今でもお祈りしにくる人がいますので、見かけたら邪魔しないでくださいね」とタクシーの運転手は告げた。


小さな山にある聖地は、緑に囲まれていて昼間でも少し涼しい。岩でできた祭壇からは、周囲の木々を伝ってきた水滴が落ちる音が聞こえ、神聖な気持ちで満たされていく。
梢が切れた空間からは久高島が望める。「神の島」として崇められている小さな島だ。当時の神官たちも、この切れ間から祈りを捧げたのだろうか。


斎場御嶽は2000年にユネスコ文化遺産に登録された。それにともない一般に公開されることになったが、地元住民のなかにはそれを望まない声も多くあったという。しかし今では、御嶽の女神が自らを広めるように望んだのだと考えを変えたという。より多くの人が、この地で癒されますようにと。
これはタクシーの運転手のことばだ。オフィシャルなガイドさんからは聞けないような話も、タクシーガイドならではの魅力かもしれない。

運転手さんとのおしゃべりに興じている間に、最終目的地の「新原(みーばる)ビーチ」に到着だ。


ここの海は透明度が高く、マリンボートなどを楽しめる。あまり”リゾート感”を出してこない素朴な雰囲気も魅力のひとつだ。


ボートハウスの猫が出迎えてくれた。少し傾いてきた太陽に染まる海、ゆったりと流れる時間+猫。このコンボでやられない女子はいないだろう。沖縄旅行の初日は大成功と言っていい。
時には風の向くまま気の向くまま、タクシーの運転手さんの向くままに旅をするのもいい。少しの不安とたくさんの感動で、ふたりの仲はぐっと深まったはずだ。
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今年のゴールデンウイークは有休をとらなくても5連休、久しぶりの当たり年だ。
さっそくノープランの沖縄旅行プランを、練ってみるのもいい。

(写真はすべて著者撮影のもの)

2013年6月に編プロを退職。現在は個人事業主というものをやっているが、それが何なのか本人にもよくわかっていない。 絵画・彫刻・音楽・舞踏・映画・漫画・旅行・英語などが得意。

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