イタリアからドイツへ

  by kappakka  Tags :  

ライアン航空を利用してドイツにふらっと行ってきた。イタリアに住んでいる私は以前愛したこの国が最近心から嫌いになってきているのである。そんな中、他の国をみて「イタリアってやっぱり当たり前のことができない国なのね」や「イタリアの方がええやん」っていう発見をしたいと思う。
フィレンツェからピサ空港行きのバスに乗り(往復12€)70分でピサ空港に到着。渋滞もなく一分の遅れもなかった。日頃イタリアの交通機関の遅れに慣れきってしまっている私は1時間余裕をみてバスに乗ったので搭乗の2時間半前に到着。早すぎるかと思ったがライアンのカウンターも開いておりヴィザチェックもすぐにしてくれた。何もすることがないので手荷物チェックに進む。これもスムーズ!本当にここイタリアか?と思った矢先、二人の警察官がやってきて「パスポートみせろ」「どこへ行く?」「滞在許可書見せろ」「何しにドイツに行く?」などど聞いてきてパスポートと滞在許可書を持ってどこかに行ってしまった。一切悪い事をしていないのに不安な気持ちの20分が経過し、やっと警官が私の大切なパスポートと滞在許可書をもってかえってきた。なんもいわんとしらっとかえってきた(他の旅行者には聞いていなかった)。少し疲れた私はお腹がすいたのでバールに行く。パニーノを選んでいると私服の二人のおっさんがやってきておもちゃの警察手帳のような物を見せてきた(しかし本物だ、税関を通ったあとなので偽警官はいないだろう)また「パスポートみせろ」「どこへ行く?」「滞在許可書見せろ」と聞かれ「もう、それ聞かれました他の警官に」と私がいうと「それは警察で僕達は財務警察。お財布にいくら入ってますか」と聞いてきた。100€しかもってなかったのでそうこたえると小部屋に入っていった。パニーノを食べた後も2回他の財務警察に同じ事を聞かれ、私は「いい加減にしてくれ、何人が確認したら気がすむのですか?そんなに悪いことしそうな顔ですか?」と半ばキレて言うと「すべての方に聞いてるのですいません。」と言いまた例の小部屋に入って行った。イタリア人や他の西洋人には一切そんな質問していなかった。すべての方という意味は全員という意味ではないのか?ピサの空港は小さいので日本人の利用は少ない。この日は日本人は私ひとりだった。それで集中攻撃にあったのだろう。適当に外国人だから所持金を聞くという仕事の仕方は甚だおかしい。聞くのは職務だからいいが一度聞いた物に何度も聞くというのは彼ら同士の連絡が行き届いていない証拠であろう。4回聞いてる間に他の仕事できるよね。とイタリア人の仕事の仕方にまた疑問を抱いた。
ゲートに進み飛行機を待つ。搭乗時間になってもゲートは開かない。予定出発時間の30分後ににゲートが開いた。なぜ遅れたかと説明はない。電車でもなんでもイタリアはよく遅れるがなぜ遅れたかの説明がないことが多い。それに慣れているので飛んでくれればそれでいいと思う。以前ライアンを利用したときは座席は決められておらず、イタリア人のおばちゃんの椅子とりゲームが繰り広げられていたが今はネットでのチェックインの際に座席指定があり安心だ。私の席は窓際ですでに廊下側二つの席に他の乗客が座っていたのですいませんと言って通してもらおうとするとCAのお兄さんが「非常口近くの席に今日は座っていいよ」と言ってくれたので

こんなかなり足がのばされる楽な席に座れた。飛行機の床はこれでもかと汚れたままだった。地上係員たちが掃除する時間がなかったのだろう(日本だったらこの状態では絶対に飛ばないと思う)。そして約45分遅れの14時35分にドイツハーン空港に到着。雪が積って真っ白。この雪の中あまりゆれもなくうまく着陸したなあと感心した。

このハーン空港は、チケット購入時には’フランクフルト行き’と書いてあるがフランクフルト中央駅までバスで1時間45分離れたところにある。しかしバスの料金をいれても他の航空会社より格段安かったので(往復24€)ライアンを選んだ。この日、18時閉館のシュテーデル美術館にどうしてもいきたかったので中央駅に16時15分に着く14時半発のバスに乗りたかった。しかし空港出口を出たのはすでに14時40分。バスは発車してしまっているだろうと降りしきる雪の中を悲しく歩いていると約500メートル先にバスが見えた!走ってバスのおじさんに「中央駅?」とき聞くと「うん」という。なんと飛行機の到着が遅れているのを知り待っていてくれたのだ!この時点から私はドイツを愛しはじめていた。バスは雪で道が滑りやすくなっているにもかかわらず予定より5分程早くフランクフルト中央駅に到着。中央駅からとてもわかりやすい道案内に導かれシュテーデル美術館に着く。15分程街を歩いたがまず驚いたのが犬の糞がまったく落ちていない事。イタリアは歩道はあらゆるところに糞が落ちている。飼い主が犬の糞を持ってかえる習慣がなく義務付けられてもいない。下を向いて歩かないとふんでしまうことも多々ある。

美術館に入りチケット(14€)を購入しクロークに荷物預けた。大変スムーズ。みんなキビキビ働いている。イタリアでよくみられるイヤイヤ働いてる感がない(気持ちよく働いてる人もいます)。美術館内もめちゃくちゃきれいだ。

何より世界的美術作品に鼻がくっついてしまいそうなところまで近寄って鑑賞できる。写真も撮り放題だ。イタリアでは作品の約50センチ前までしか近づけないし、写真撮影禁止のところが多い。イタリアの美術館は係員同士のおしゃべりがうるさくて鑑賞に集中できない時が少なくない。しかしここドイツはおしゃべりをしている係員は一人もいなかった。静かに私達を見守っている。ドイツ万歳!仕事中におしゃべりしないのは当たり前だ!美術館は静かに芸術作品を鑑賞する場所だ!

特に心奪われたのはレンブラントの「サムソンの目潰し」とボッティチェリの「理想の女性」。あともう一つは誰の作品か覚えてないのだがライオンがかわいくて毛の一本一本が繊細に描かれていて好きな作品

フェルメールの地理学者は貸し出し中で残念だったが、この三つの作品が私を充分満足させてくれた。閉館時間ぎりぎりまで鑑賞でき贅沢な時間をすごせた。外はまだ雪が降っていた。

翌日はICEに乗ってミュンヘンへ。

イタリアに在住。海外から見たイタリア。イタリアから見た日本、日本人が想像するようなかっこいいイタリア人ばかりが存在するのか?イタリア人は、どんなふうに日本人女性を思っているのか?イタリアに住む日本人はどうだ?経済的、文化的、政治的に改善が見られないこの国の現状をお伝えします。