厚生労働省 エボラ出血熱感染疑いの患者発生について公表

  by 松沢直樹  Tags :  

12月29日、厚生労働省は、エボラ出血熱の感染拡大地域である西アフリカ滞在歴のある男性が、帰国後に発熱などの症状を呈して入院していることを公表しました。
23日の帰国後、検疫所および保健所において、1日2回の検温を行い、この患者さんの健康状態を経過観察してきました。

ですが、エボラ出血熱の可能性を完全に否定できないため、国立感染症研究所(村山庁舎)に検体を送って、エボラ出血熱の確定診断を行うこととしたようです。

厚生労働省の発表によると、患者さんは、エボラ出血熱の感染拡大が確認されているシエラシオネに21日までに滞在。エボラ出血熱患者に直接接触したことはないが、葬儀に参列し、ご遺体を納めた袋に触れたと述べているそうです。

発熱は、様々な疾患で起こりえます。したがって、今の時点で、入院されている患者さんがエボラ出血熱に感染しているとは言い切れません。情報が少ないためなんとも言えませんが、感染拡大地域に滞在していたことと、ご葬儀の際にご遺体を納めた袋に触れたことを考えると、エボラ出血熱に感染していないとは言い切れないと思います。まずは国立感染症研究所・村山庁舎の確定診断が待たれるところです。

入院している男性は、23日の帰国から、外出することなく対応していたこと。また、エボラ出血熱自体が、発症してからはじめて感染力を持つと考えられています。そのため、万が一この患者さんがエボラ出血熱に感染していたとしても、感染拡大につながることは考えにくいとする意見が多いようです。

患者さんの回復をお祈りすることはもちろんですが、我々全員が、厚労省ほか連携機関の正確な情報を待ちながら、冷静に対処するよう、心がけたいですね。

※画像は厚生労働省ホームページより引用 
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000070198.html

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長