神奈川県 手話に関する条例可決 一部でチャットのバリアフリーの可能性を問う意見も

  by 松沢直樹  Tags :  

神奈川県議会は、12月25日に手話を言語として位置づけ、普及の推進を行う条例を可決しました。同様の条例は、鳥取県について全国で2例目になります。

神奈川県議会では、2014年5月に聴覚障がい者団体から5万人分の署名が提出されたことを受け、条例制定の審議を続けてきました。12月25日の神奈川県議会本会議では、手話を「独自の言語体系を有する文化的所産」という位置づけ、全会一致で先述の条例の可決を行いました。

妊婦さんのマタニティマークの普及が始まったころから、外見からは身体に障がいがある方への配慮を行うことが議論されてきました。東京都では、外見上障がいがあることや、白血病などの治療で抵抗力が低下していて立っているのが困難な方へ「ヘルプマーク」の普及を進めています。

お互いが配慮しあえる社会は素晴らしいですが、他方で聴覚障がい者の方の中には、『LINE』などのチャットサービスを使ったほうが、お互い気遣いをせず、同じ立場でコミニュケーションが出来て楽しいという意見もあるようです。

手話を、公のコミニュケーションの方法として普及させるのは非常に好ましいことだと思います。
同時に、今までマナー違反とされていた、電車やバス内での携帯やスマホでのコミニュケーションが、聴覚障がい者の方にとってバリアフリーにつながる可能性がありえることについて、議論を重ねる必要がありそうですね。

※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長