演劇界の最終兵器がいよいよ動き出す。「秋だ一番!プラザソル腹筋善之介まつり」インタビュー

  by いと、まほろば  Tags :  



今月30日(金)~10月2日(日)よりラゾーナ川崎プラザソル(川崎市)において上演される舞台演劇『秋だ一番!プラザソル腹筋善之介まつり』の稽古場リポート、そして作・演出の腹筋善之介氏のインタビュー。記者は俳優兼劇場職員兼、今公演の中で上演される『熱血!夜間学校クラブ!略してヤガク!』(以下ヤガク!)に出演する高坂雄貴(写真左)がお届けする。

腹筋善之介(写真右)。俳優を志す人でなくても、一度はその名前を耳にした事があるのではないだろうか。90年代に一世を風靡した劇団『惑星ピスタチオ』の座長として、そして圧倒的なパフォーマンス能力を持った舞台俳優として、一時代の演劇界をリードしてきた人物である。小道具を一切使わずにあらゆる情景や乗り物、武器、果ては宇宙空間での戦闘シーンという舞台演劇の限界に挑戦し続け、そのスタイルが人気を博し、一公演につき観客動員2万人を超える快挙を成し遂げた劇団として、もはや伝説となっている。惑星ピスタチオ解散後、現在は自らが主催する劇団「IQ5000」で演劇活動を続けており、最近の活動で記憶に新しいのは2011年6月に公開された映画「さや侍」(監督:松本人志)が記憶に新しい。

今回の公演は3日間。大きく分かれて3つの作品を上演する。

  • ■腹筋善之介と劇団IQ5000ナイツ!(腹筋善之介と劇団IQ5000による小作品集)
  • ■熱血!夜間学校クラブ!略してヤガク!(あらすじ:夜間学校の生徒と先生がクラスの存亡を賭け、バレーボールで強豪校と対決! 作・演出:腹筋善之介)
  • ■腹筋善之介の観るワークショップ!(公演終了後の舞台を使い、腹筋善之介がワークショップを開講)


腹筋善之介氏にインタビュー。今公演に至るまでの経緯を語って貰った。

※以下、記者との対談形式になります。

腹筋:実は、今年の2月に一度上演した企画の『ヤガク!』シリーズの最新作を作る予定だったんです。でも、3月11日に起こった地震で、私の周囲の色々な環境が激変したんです。私は今大阪に住んでいて、自分の劇団(IQ5000)と、大阪でも劇団を持っているんですが、年内の公演予定が大幅に狂ってしまって。演出家として関わる公演の全ての脚本は全部一人で書くので、これはアカン!やれへん!て思いましたね(笑) 

-実際に話を持ちかけたのが8月の後半でした。そこをなんとか!何でもいいからやりましょう!ってお願いしたのが、始まりでしたね。

腹筋:もうムチャクチャですよね。大阪と川崎間の移動もあるし、稽古どうすんの!とか。普通だったら延期とかになるんですよ。でも、なんか熱意に打たれちゃって、結局OKしちゃいました。

-本来であれば、公演を中止してしまうのが最善策だったんです。僕も実は最後まで反対でした。でも、もう一度腹筋さんと一緒にやりたい!と思った人達がキャスト・スタッフ・果ては劇場を運営している文化財団の人達やお客さんの期待が集まっちゃっちゃいまして。だから僕は反対する事を諦めました。そして腹筋さんに、もう腹をくくらなきゃダメですよ!強引に選択を迫りました。

腹筋:それから、もの凄いスピードで色々な事が決まっていくワケですよ。短い打ち合わせ時間の中でお互いにアイデアを出しまくって。せっかくだからもうお祭りにしちゃおう!って事になって、東京の劇団(IQ5000)にも協力を仰いで、更にはワークショップもやろう!という事にりました。

-僕が役者として接していた時、腹筋さんの教える演技手法は、とても勉強になるなあと思った事がきっかけです。それは役者だけではなく、一般の人が身に付けてもいいと思ったくらいにシンプルな「表現力」だったんです。

腹筋:私は一人芝居をするんですが、その時は一作品の中で400役くらいやる事があるんです。自分、対峙する敵、その戦いを影から見守る宿屋の女将さん、その女将さんに惚れている板前さん、戦いを応援する鼓笛隊…

-キャラクターが多彩過ぎるので、割愛しましょう!全部説明したらとんでもない物量になります!

腹筋:要するに、物語を構成する上で役者が演じるという事は、お客さんに対してものすごくシンプルにやさしく説明する必要があるんです。自分の持っているイメージを、明確にお客さんに伝えないと、何の話をしているのか判らない。


日常会話でも、自分の思いを相手に伝える事って意外と難しいでしょう。実生活上でも、同じ事が言えると思うんです。

-生身の人間が舞台の上でお客さんに伝えるという表現力。子供たちや、一般の人が身につけたら、これはスゴイ事かもしれない。と思って、舞台役者は勿論、一般の人にも判るように、腹筋さんの演技指導を舞台で行い、それをお客さんにお見せしようというコンセプトで“観るワークショップ”というものを腹筋さんと一緒に考えました。

逆に新しいスポ根演劇『熱血!夜間学校クラブ!略してヤガク!』

腹筋:このお話は、夜間学校に通っている生徒達が、色々なクラブ活動をしている中、バレーボールのチームを作る事になるんです。でも、バレーボールクラブもなければ、生徒たちはバレーボールがそもそも何なのか判らない。でも、試合に勝たないと、夜間学校クラスがなくなってしまう。だから、バレーボールの素人が一生懸命練習をして、強豪校に立ち向かう!といったストーリーですね。この『ヤガク!』はもともと大阪にある劇団の為に書いた作品です。  

-出演する僕が自分で言うのもなんですが、『ヤガク!』は本当に面白いです。以前に上演したというこの作品の話を聞いた後に脚本を読ませて貰ったんですが、これだ!って思ったんです。今回は非常に短い期間ですが、古典、現代劇が織り交ざった一つのスタンダードとして、このシリーズを多くの人に見せたい、続けて行きたいという思いがありますね。

演劇界で生ける伝説として語り継がれ、多くのフォロワーを生み出し、今も尚根強いファンが全国に存在する、腹筋善之介。今後も彼の活動に注目し、伝えて行きたい。

公演概要
9/30(金)19:00
■ 『秋だ一番!プラザソル腹筋善之介まつり』
10/1(土)14:00・2(日)13:00
■再演!! 熱血!夜間学校クラブ!略してヤガク!
10/1(土)16:30・2(日)15:30
■そしてヤガク!終演後、観るワークショップ開催!
<チケット>
日時指定・全席自由
一般 3000円
高校生以下及び65歳以上・障碍者 1500円
★熱血フリーパス! 5000円(予約のみ)
…全てのステージ、ワークショップを御覧いただけます。参加もOK!
詳細は、公式サイトを御覧下さい。
http://42.tok2.com/yagaku/

映画・TVドラマ・舞台演劇・イベントのトータルコーディネート。適材適所に人材をはめこむキャスティングが主な仕事。ですが、幅広いネットワークの中で結構面白い人からのお話を聞く事が多いので、雑文交えてゆる~い記事を執筆しています。http://itomahoroba.com/

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