11.19 オリコンランキングが死ぬ日

  by ぶらっくまぐろ  Tags :  

「邦楽が終わった」と囁かれるによって久しい。
要因こそ様々であるが、多チャンネル化によって色んな場所から音楽が簡単に入手できるようになりCDの売上が減った事が大きい。

そもそも音源を入手する方法がほぼCDに限定されていた00年代初頭までは、
音楽を楽しむ手段がCDを購入するかレンタルするかしかなく“CDの売上≒その音楽を入手した人の人数”であった。

だがMP3という拡張子が広く扱われる存在となり、そのデジタルデータは瞬く間にコピーされ公開されるようになってしまった。

前述の通り、それまでのCDランキングは“お金を払わないと聞くことの出来ない”音楽を聴いている人のランキングであった。
だからこそそのランキングには信憑性があったし、また調査自体の正当性も担保されていた。
しかし音楽の入手先がCDだけと限定されなくなった今、
“CDランキング≒丸い物体の売上ランキング”と近しい存在となってしまったのだ。

どこかのアイドルが握手券を入れたり、まるでコンプガチャのようなバリエーションを出したり。
CDとはそもそも綺麗な音源を手に入れたい人の為のものだったはずが、いつの間にか“音楽以外の何か”を求める人の為のものになろうとしている。

もちろんそうではないアーティストはたくさんいる。
磨きに磨いて作り上げた楽曲を、関係各所やレコード屋に頭を下げやっとの思いで数千枚売る。
「音楽に真摯」と呼ばれたりするアーティストがいることは確かだ。

「音楽に真摯」なアーティストのファンは、常にジレンマを抱える。
そのアーティストがランキング上位に入れば我が事のように喜びはするものの、ランキングの首位を走っているのは自分たちが小馬鹿にしているアイドルグループだったりするからだ。

前置きが長くなったが11月19日、そんな両極端に位置する2つのアーティストが新曲をリリースする。
一つはSexyZone、もう一つはMr.Children。
前者はなんやかんやと特典を付けてその種類なんと33種類。コンプリートするのにかかる金額13000円オーバー。
後者はいつものごとく、当たり前のように1種類。収録曲はオールタイアップの3曲。

前者にも後者にも連続1位の記録がかかっている。
つまり、どちらかの記録が途絶える。

正直どちらが1位になっても構わないとは思うが、ミスチルが敗れた場合に感じる、ランキング自体への終末感は感じるだろう。

アイドルグループ(33種類、特典付き)VSミスチル(1種)。
こんなのに白黒付ける事が果たしてランキングと呼べるのだろうか。
しかも後者に限って言えば、1週間ほど前にご丁寧にYoutube上にフルバージョンを高画質でアップロードしている。

その“音楽”を聴いて評価する人が何人いるのか。
そんな指標になる日がいつか来ることを願ってやまない。

関西生まれ。 テレビとかCMとか馬とか食とか好きなので、そういう記事が多くなるかもしれないです。 執筆記事、超募集中。

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