小笠原沖中国漁船減少 「中国政府取締強化している」ー菅官房長官

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菅義偉官房長官は14日、閣議後の記者会見で小笠原沖における中国漁船のサンゴ密猟に関して「外国漁船が周辺海域において、一時より減少している」と述べた。中国漁船はピーク時200隻を超えていた。ただ、官房長官によると13日の海上保安庁の報告で以前として145隻の漁船が確認されている。

行政区としての小笠原と自然

四方を海に囲まれる日本。領土、領空と共に領海を守る事が国家を護持する上で重要となる。東京都特区から南南東約1000キロメートルに位置する小笠原諸島は東京都小笠原村に属し、日本最東端の南鳥島と最南端の沖ノ鳥島も有する。小笠原諸島に属す硫黄島、父島には海上自衛隊と航空自衛隊が常駐し日本の実効支配が及ぶ最前線の地である。

特記すべきは、2011年小笠原諸島は世界遺産の自然遺産に登録されたという事である。小笠原諸島は有史以来一度も大陸と接した事が無く動植物が独自の進化を遂げている。海洋資源としてはサンゴの一大生息域であり、栄養が豊富な海域という事も相まって小笠原諸島の漁師にとって大切な漁場となっている。

なぜ中国漁船は現れるのか

小笠原の排他的経済水域の海域は珊瑚の群生地である。このサンゴは中国人にとって他国の領海を犯すリスクを犯しても手に入れたい貴重な収入源なのだ。中国では古くからサンゴが翡翠などの宝石と同様に扱われ高値で取引されているという歴史がある。日本のセリ値で言うと根のついた赤サンゴだとキロ当たり660万円という。ただ、サンゴの輸出はワシントン条約によって厳しい規則があり台湾産のサンゴが採れなくなり宝石サンゴの価値が高まっているという側面もある。中国の富裕層では成功のシンボルとして宝石サンゴが垂涎の的となっており、小笠原海域は一攫千金を夢見る中国漁民にとっての”ベーリング海”と化しているのだ。

中国漁船からサンゴが押収されない!?

海上保安庁が拿捕したサンゴ密猟の疑いのある中国船籍からはサンゴが見つからないケースがある。大船団でやってくる中国漁船の目的は宝石サンゴの乱獲以外にもあるのだろうか?注目したいのは、小笠原沖に中国漁船が大挙して現れた時期の中国を取り巻く政治的な情勢である。

10日と11日に中国の首都北京においてAPECが開催され、習近平国家主席主導の中国共産党政権は「アジアの盟主」を目指し、積極的な外交を展開していく姿勢が明確となった。ウイグル自治区への”力”での抑圧から見て取れる様に、習近平外交は武力行使も辞さない”力”に基づく外交手段を用いる。それには、共産党内部の権力抗争や国内の民族主義思想運動の高まりなどの「地盤」が不安定という習近平国家主席にとって由々しき問題があり、国外に対する力を誇示する事で内部の不満を抑えたいという目論見があると言える。小笠原沖に中国漁船が大挙して現れた事も、その外交手段の一つの顕れであるかもしれない。

実際、APEC直前に習近平国家主席は3年ぶりに日中首脳会談を実現し安倍総理大臣と初対面を果たした。尖閣諸島や小笠原諸島の日本領海を脅かす行為が、日中首脳会談を渋っていた安倍総理大臣をその席上に引っ張り出したという見方ができないだろうか?これには、東・南シナ海などでの”力”の外交が日米などの関係各国の安全保障協力の強化を招いた事実があり、日中首脳会談開催がアメリカに対する牽制であった腹づもりが垣間見える。

極東地域の安定と平和護持のためには、日本と中国をはじめとした関係各国の協力体制が重要である。しかし、政治のために自然が破壊される事は看過できる事態ではない。安倍総理大臣はじめ日本政府にはそういった事にも強い姿勢で臨む事

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