ウェブ制作会社が生産性を上げられない原因とは?

  by 河瀬ユーキ  Tags :  

商売柄、あちこちのIT系企業さんに赴いてアドバイスをすることが多々あるのですが、その中でも特に多いのが「生産性を上げたい」「コストを抑えたい」という声。

やはり、いつの時代も経営者としては、”如何にコストを抑えつつ、生産性をあげるか”という事に、いつも悩まされるのではないでしょうか?

そして、私の経験上、この悩みを聞くのがほとんどの企業が開業して3~10年の企業が多いのです。

では、なぜ開業してある程度経って、経営のノウハウもそれなりにある企業が、コストが抑えられず、生産性を上げられないのでしょうか?

数多くの企業とのヒアリングの中で私はある共通点を見つけました。
その共通点を紹介させていただきたいと思います。

1)生産性を下げる、”間違ったコスト意識”

会社を経営していれば「コストを抑えたい」と思うのは至極当然。
しかし、「コストが抑えられない!」と嘆く企業のほとんどが“間違ったコスト意識”を持っています。
では、“間違ったコスト意識”とは何なのか?
それは、コストを抑えようとするあまり、“安かろう悪かろう”を選んでしまっているということです。

「え、なんでこんな高いの?クラウドソーシングとか使えばもっと安いじゃん?」
なんて声を聞くこともしばしば…
外部の企業に発注する際、単に安さで選んでいること自体が既に”間違ったコスト意識”であることに気づいていないのです。

では、そもそもなぜ外部の企業に依頼をするのかを考えてみてください。
「外に発注することで、社内のリソースを増やし、回せる仕事の件数を増やす」
経営者からすれば「できれば少数精鋭でやりたい」というのが本音でしょう。
社員が増える事は決して悪いことではないのですが、やはりそれなりの責任とお金が伴います。
外部の企業に発注して、できるだけ社内のリソースを使わずこなしていく。これが外部の企業に発注するメリットです。

そして、相手も企業です。
例えば、発注先の企業が一人日10,000円だったとします。
社員の福利厚生など会社運営に掛かるコストを考えると、その2.5~3倍程は貰わなければなりません。
となると、例えば10万円で外部の企業に依頼をした場合、その案件に携われるのは約3日程度になります。
その為、10万で受注したら、たった3日しかタッチできないのです。
5万円で発注したら、約1.5日しかタッチできません。

安かろう悪かろうというよりも、“そもそも安く受けるのであれば携われる時間も必然的に短くなる”ということなのです。

その結果、安い金額で発注したツケが社内に回ってくきて、社内のリソースを使ってしまい、結局、生産性が上がらない。
これでは外部の企業に発注している意味がまるでありません。
“安い金額で発注するから低コスト”という意識が、生産性を下げる”間違ったコスト意識”なのです。

 

2)営業型企業に多い”スペック不足”

営業担当者は”目の前の数字”を追うものです。それが営業の優れたスペック(能力)です。
そして、生産部署のスペックは”目の前の仕事を実直に作る”のがウリの職人です。

一つの仕事を完遂するためには、広い視野で全体像を見渡し、完成像を明確にできないと意味がない。
では、営業マンに全体像を見渡す能力はあるのでしょうか?
また、職人さんに全体像を見渡す能力はあるのでしょうか?
営業職も生産職も”全体像を見渡す”ということに関して言えばスペック不足なのです。
しかしながら、営業型企業の多くが”案件を取ってきた営業マンがプロデューサーを兼任している”のです。

プロデューサーというのは、言わば現場監督です。
不動産で例えるなら“不動産会社の営業担当者が現場監督をしている”という、とんでもない状況です。
営業だけでも家は建ちませんし、職人だけでも家は建ちません。
生産コストを考慮した上で、設計や建築の基礎などを学んだ、現場監督というプロが広い視野で全てを把握し、完成像を予測しながら家を立てるわけです。

しかし、多くの企業が“現場監督不在”の状況を続け、現場監督の育成にも手付かずの状態。
そのおかげで、製作時間が伸び、施工不備を生んで負のスパイラルを引き起こしてしまっているのです。

 

まとめ

生産性を上げる、生産コストを抑える、ということは完遂までのプロセスを広く捉えながら仕事を行う”現場監督”の存在がウェブ制作ビジネスにおいて必要不可欠なのです。
あなたが務めている会社には、しっかりとした現場監督がいますか?

 

 

 

10代からWebデザイナーとして活動。その後、独立しWEB系ベンチャー企業を設立。シングルファーザーでもあり、男性の育児に対し強い関心を持つ。現在はITリテラシストとして、ネットニュースなどのメディアにてコラムなどを執筆。コラムニストの他に、アーティスト活動、司会、など多才な顔を持つ。複数の会社の役員や相談役でもあり、その活動は多岐にわたる。

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