エボラ出血熱について簡単に調べてみた

http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebora-intro.html

(NIID国際感染症研究所)

エボラ出血熱とは

エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱とともに、ウイルス性出血熱(Viral Hemorrhagic Fever : VHF)の一疾患である。近年ではエボラウイルス病(Ebola virus disease : EVD)と呼称されることが多い(以下、EDVと表記する)。「エボラ」の名は発病者の出た地域に流れるエボラ川の名を取って命名された。

EDVの感染経路は、人間または動物の血液などの体液と直接接触した場合に感染の危険が生じる。一方で空気感染はしないという側面もあるため、映画や小説で描かれるようなことは少ないとの指摘もある。しかしながら、現時点において決定的証拠はないため、咳(せき)による飛沫(ひまつ)などで空気感染する可能性は強く疑われている。

エボラウイルスに感染しないためには、流行が知られている地域に旅行をせず、現地の野生動物の肉を生で食さないことが重要である。体液で汚染された環境への間接的接触で人から人への感染が起こるため、流行地では患者の体液(血液や排泄物を含む)や、患者が触れた可能性のある物品に触れないようにし、十分な手洗いを実践することが重要である。

エボラ出血熱の症状

潜伏期間は通常7日程度であり、最短2日、最長3週間で発症することもある。汚染注射器を通した感染では潜伏期間が短く、皮膚を介しての接触感染では長くなり、集団発生では致命率は90%にも達することがある。EVDの最も一般的な症状は、突然の発熱、強い脱力感、筋肉痛、頭痛、喉の痛みなどに始まり、その後、嘔吐(おうと)、下痢、発疹(ほっしん)、肝機能および腎機能の異常、さらに症状が悪化すると出血傾向となる。

現時点で承認されたワクチンや治療薬はないが、研究段階にあるいくつかの薬剤は西アフリカでの発生を受けて、承認前の投与について検討がなされている。治療は対症療法(表面的な症状の消失、あるいは緩和を主目的とする治療法)のみとなり、抗体が検出されるようになると急速に回復に向かうとのこと。

エボラ出血熱の治療薬(2014年8月20日現在)

■ZMapp

http://www.cnn.co.jp/world/35052571.html

(CNN)

西アフリカ・リベリアの保健省は8月19日、開発段階にあるエボラ出血熱の治療薬を投与された同国の医療従事者3人が「非常に明るい回復の兆し」を示していると発表。話題となっている治療薬は「ZMapp(ジーマップ)」と呼ばれ、タバコの葉の中で作られる3種類のヒト化モノクローナル抗体を混合した抗エボラウイルス薬とのこと。表面的には朗報に聞こえますが、このZMappを投与されて治療を続けていたスペインの司祭は、8月12日に死亡しています。

■ナノシルバー

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580092441299943302

(THE WALL STREET JOURNAL)

ナイジェリアのチュクウ保健相は8月14日、同国最大の都市ラゴスにいるエボラ出血熱患者に対して「ナノシルバー」と呼ばれる治験薬を使うと発表。都市ラゴスにおいて、陽性反応が出たナイジェリア人8人に投与される予定だという。感染症専門家であるSimon Agwale博士は、ナノシルバーはウイルス、細菌、寄生虫に効果があることが確かめられているとし、エボラ患者に対する「効果がある可能性もある」と述べている。こちらの治療薬もZMappと同様、EDVに対し効果があるかは未知の段階である。

■ファビピラビル

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM0701X_X00C14A8FF1000/

(日本経済新聞)

米政府機関が『富士フイルムホールディングス』のインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」を、EDVの治療に使えるか確認中とのこと。ファビピラビルは、日本でインフルエンザ治療薬として承認されているので、米国でもすでに治験の最終段階にある。EDVに感染したサルに同薬を投与し、効果を確認する作業を進め、9月中旬には暫定的な試験結果を得られる見通しである。

参考サイト:wikipedia

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