みんなで飲もうよ。バニラコーラ

  by Lam,  Tags :  

世界(主にアメリカ)でとんでもない人気を誇るジュースがある。
コーラ飲料”である。
コーラといえば『コカ・コーラ』そして『ペプシ・コーラ』がまず名前に上がり、駄菓子のフレーバーにも使われるほどの人気ぶりだ。
両者ともに世界的に根強い人気を誇っており、両者のコーラには様々なフレーバーが出ている。
チェリーコーク、ペプシアイスキューカンバー、ダブクリア、ペプシあずき、レイディオ…
もはや意味の解らないものが多数あり、大抵は季節限定フレーバーでコンビニなどに並ぶ。
気がつけば消えているフレーバー達であるが毎度のこと新フレーバーが出るたびに世間を賑わせている。

しかし、私には忘れられない味がある。
これを飲めばみんな幸せ。満場一致で10点が出る美味しさ。急須で入れたものに最も近い。(個人差があります)
コカ・コーラから発売の『バニラ コカ・コーラ(※以下バニラコーラ)』である。

”なぜか人気の無いフレーバー『バニラ コカ・コーラ』の存在”

今年の7月29日に発売された夏限定フレーバーだが、実際は10年以上も前に発売されているものの復刻版である。
10年も前のことなど覚えていないが、復刻されるということはとんでもない人気があったはずである。
なのに発売から数ヶ月たった今ではその姿を拝むことは珍しく、ついには『ドン・キホーテ』で一本28円という暴挙ぶり。
そんなに人気が無いのか。私も「なんでやねん」と突っ込みを入れたくなる不人気さ。
なぜそんなに人気が無いのか、それを調べるべく今回はケース買いをしてきた。

今回協力してくれたのは喫茶店のオーナー。私が足蹴く通う場所であり、執筆や作曲も出来る素晴らしい場所だ。
マスターをドンキホーテに連れて行き「これすごいおいしいのみものだからおみせにおけばすごくうれるよ」とそそのかし仕入れに成功。

ジンジャーエールやペプシ、オレンジジュースやラムネに並ぶバニラコーラ
全国に広める前にまず身内から攻める作戦だ。

と意気込んでみたものの、全く認められないこの美味しさ。
10人中9人が不味いと言う意見。
折角用意した120本のバニラコーラも、10人居て3本しか空いていない。
なぜ一人一本で無いのだ。もっとみんな飲めばいいのに。バニラコーラ。
しかし勧めても勧めても「美味しくない」の一点張り

一人だけ「普通に美味しい」と飲んでくれる人も居たのだが、1対9ではさすがに分が悪い
相手の「美味しくない」側の意見はというと…

「そもそもコーラ自体好きじゃない」
「甘すぎるよね…これ」
「あ、私炭酸自体嫌いだったんだった」
「なんかドクペ(ドクターペッパー)を甘くしたみたい。要するに不味い」
「なにこの不味さ…一体何を入れてるんだ」

多少個人差はあるものの、なんとなく見えてきた。

 

「要するに甘い」

このバニラコーラが発売されたのは初夏のこと。
なぜコカ・コーラはこの甘い飲み物を夏に発売したのだろうか。
よくよく考えてみれば普通は冬のフレーバーのはずである。
つまり敗因は”発売時期”。しかし今頃それを言っても仕方が無い。
これはもう”どうすれば美味しくなるか”ではなく、”どうすればもっと美味しくなるか”に重点を当てる以外に勝利への道は無いように思えてくる。
と、ここで唯一の賛同者があるものに目を付けた。
喫茶店のお酒のアテとしてなぜか出されていた”柴漬け”である。
これには私も目を疑ったが、もう本人が「美味しい」と言う以上私にはどうすることも出来ない。
右手にコーラ、左手に柴漬けを持った彼を止めるものはもう何も存在しないのだ。

ほのかに漂うシソの落ち着く匂い。そしてコーラの濃厚なバニラの香り。
もう我々を止めるものは何も無い。完全勝利の瞬間である。

もっとみんな飲めばいいよ。バニラコーラ。

まだまだ飲めるよ。バニラコーラ。

生まれて死ぬまで音楽。