やはり外国は外国 海外旅行でトラブルに巻き込まれないために

  by 松沢直樹  Tags :  

トルコを観光中の日本人女子学生が、犯罪被害に遭ったニュースは日本中に衝撃を与えました。

いまだ、驚きがさめませんが、この場をお借りして、犯罪被害によって亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

親日国として知られるだけあって、多くのトルコ市民にとっても、この事件は衝撃的だったようです。

被害者の日本人女性の冥福を祈るデモやセレモニーが自主的に行われ、トルコ市民が悲しみに沈む姿が世界中に報道されています。

そのような中、大変残念ですが、トルコでまた犯罪の被害によって命を落とされた方が出てしまいました。

SKYNEWS HD UK版 9月10日のニュースによると、トルコで休暇を楽しんでいたイギリス人女性が、強盗に殺害されるという事件が発生しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

http://news.sky.com/story/1139713/turkey-mother-dead-after-british-family-shot

より著作権法に基づき引用

 

トルコを非難するつもりはありませんし、犯罪の被害に遭われた方の非を問うつもりもないのですが

いくら善良な人が多い国であっても、裕福そうに見える外国人を見ると、悪意をもって近寄ってくる人もいます。

海外に出かけると、つい開放的な気分になりがちですが、犯罪に巻き込まれないための一線は意識したいですね。

 

海外でトラブルに巻き込まれない「鉄板ルール」

実際、海外に出ると、犯罪はさておいて、習慣や国民性の違いから、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。

また、旅行者にありがちな態度や行動を見せると、悪い人にとって「カモ」にしか見えないことも……

あまり巷では言われないことも含めて、いくつかご紹介しますね。

 

漢字だけのロゴが書かれた医薬品(特に漢方薬)を持っていくのは可能な限り避ける。

急に、体調が悪くなったときのことを考えて、薬局で医薬品を購入して、トランクに詰め込む人もいるかと思います。

残念ですが、漢字だけの商品名の医薬品を持ち込もうとすると、かなりの頻度で、入国審査の時に質問されます。(世界では一部の国を除いて、漢字読めませんから……)

ちなみに、筆者は、腹痛を止める丸薬をトランクの中に入れていて、違法薬物と間違えられ、ドイツの空港で足止めを食らったことがあります。

また、漢方薬の中には、ごくまれにワシントン条約で持ち込みが禁止になっている生薬原料が含まれているものもありますので、持参しないほうが無難でしょう。

 

特に、医師から疾病の治療を受けている人は、市販の医薬品に頼らず、医師から処方された医薬品を持参するほうが無難です。

現地の医療機関や薬局で薬を出してもらうと、保険を使っても高額になる場合もありますし、必ずしも体に合うとは限りません。

(英文で治療中であることを記載した説明文を医師から書いてもらうと、なおベストですね)

 

日本食を持ち込めない場合があることを理解しておく

長期滞在の旅行の場合、日本の味が恋しくなるだろうから……と、インスタントの日本食をトランクに入れることもあるかと思います。

国によっては、特定の食材を使った加工食品を持ち込むことを禁止している国もありますから、注意したほうがいいでしょう。

(よくわからない場合は、入国審査のときに自分から申告して、持込み可能か、たずねてみるといいでしょう)

 

女性、こども、宗教施設、軍事施設の撮影は、必ず許可を得てから

どこの国でも、その国の慣習があります。私たち日本人からすれば、理解できないことでも

その慣習に従わないと、不快に思われることが珍しくありません。

そのような理由でトラブルになりやすいのが、宗教施設の観光訪問だと思います。

宗教というと、日本人は大多数の人が関心がないと思いますが、それでもやはり、外国の人が、お寺や神社を汚したりしていたと聞くと、不快に思うのではないでしょうか。

ましてや、厳格な戒律がある国なら、マナーを知らなければトラブル必至。

立ち入り時については、マナーをあらかじめ聞いておき、現地の人が不快に思わない配慮を意識すべきです。

特に、写真撮影については厳しく批判されることが多いので、撮影をしたい場合は、許可を得てから行うほうが無難です。

同様に、宗教上の理由から、女性や子供を許可なく撮影すると、厳しく批判されたり、トラブルになる国も珍しくありません。

外国から来たことを相手に理解してもらい、記念に撮影をしたいことを理解してもらってから、写真を収めるようにしたいですね。

ガイドさんが同行する場合は、交渉してもらうといいでしょう。

 

また、軍事施設や政府施設を許可なく撮影すると、逮捕されるケースも珍しくありません。

場合によっては、カメラを出しているだけで、警察官から尋問されるケースもありますので、

個人旅行の場合は十分注意したいところです。

 

ホテルでも盗難に遭うことがある

日本では考えにくいことですが、ホテルの部屋に荷物を置いておくと、盗難に遭う場合がありえます。

少なくともパスポートや貴重品は、ちょっと部屋をあける時でも持参して移動したほうが無難です。

 

街中で意外な盗難に遭うことも

国によっては、子供の窃盗団から、絡まれることがあります。相手が子供だからと思って油断していると数人で寄ってきて、ポケットの中のものをいっせいに抜かれたりするケースもありえます。

 

交通機関を利用する時は料金と安全を確かめて わざわざ誘拐されにいくような状態に……

どこの国のどこの町でも、治安の悪い場所はあります。公共の交通機関やタクシーを利用する時は、

安全と料金の相場を、事前に確かめておいて利用したほうがいいでしょう。

特に、タクシーを利用する場合は、せめてドライバーに、料金の概算を尋ねて、言質をとるべきだと思います。

国によっては、いわゆる白タク(無認可のタクシー)を斡旋されることもありますが、

正規に許可を得て営業しているタクシーでも、乗ったが最後、なかなかおろしてもらえず、

誘拐されるに等しい目に遭うこともありえます。

 

飲食店 特に客が少ないアルコールを出す店には注意する

現地ならではの空気を楽しみたくて、飲食店やバーなどに入ってみたいという人もいるでしょう。

日本でも「ぼったくり」の被害があるくらいですから、明朗会計の店を可能な限りリサーチして

おくのが無難です。

(ぼったくられるのも、いい思い出になるかもしれませんが、あまりお勧めしません。)

特に、客が少ない店は、薬を盛ったり、会計をごまかしたりするケースが多いですので

慎重になったほうがいいでしょう。

(ちなみに、小心者の筆者は、このような店に立ち入る時は、そこその現金だけ財布に入れて、クレジットカードを靴下の中に刺して入店します。飲み物になにかおかしな薬を盛られて、眠ってる間に、財布の中の現金は抜かれたとしても、たぶんクレジットカードには気づきません。被害が最小限ですみます。ちなみに、この方法で難を逃れたのは、外国ではなく、東京のバーでしたが……)

 

現地に長く住んでいる人になりきる

海外旅行でトラブルに遭わないための、一番効果的な方法はこれでしょう。

ガイドさんがいない個人旅行ならなおさら。

いかにも「観光客だぞー」 「財布の紐が緩いぞー」というオーラを出していれば、

悪い人に目をつけられやすくなるのも当たり前。

 

外務省のホームページや、旅行代理店の情報、現地に行ってきた日本人からの情報を入手して

自分が危ないと思う場所には、近寄らないこと。もしくは、誰かと同伴で出かけること。

こういった配慮を心がけていれば、リスクを回避して楽しく過ごせると思います。

今月は連休続きですが、海外に出かける方も多いと思います。

くれぐれも気をつけて、楽しい思い出を作ってきてくださいね。

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長