“日本人は花が好き”―江戸の園芸文化を伝える展覧会

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現在,東京都墨田区にある江戸東京博物館では,開館20周年記念特別展『花開く 江戸の園芸』を開催中だ。

同展は江戸時代の日本における園芸文化を,残された絵画や文献から年代の流れに沿って紹介するものとなっている。

 

イントロダクションとして取り上げられているのは,江戸時代に日本を訪れたイギリス人,ロバート・フォーチュンの言葉だ。

日本の園芸文化の特筆すべき点は,上流階級のみならず,市井の人々の間でも花が愛でられていたこと。

大規模な植木屋が存在すること。

花を愛でることが文化の発展の度合いを示すとしたら,日本は西欧列強に劣らぬ文化の発展した国であることなどが書かれている。

 

展示されている図像には,人物画の背景として花が描かれているもの,花そのものがモチーフになっているものなどがあるが,

中でも圧巻なのは,葛飾北斎による『菊図』である。

同展公式ホームページにも掲載されているこの作品は,その繊細で流麗な筆致と写実的かつ独創的な色彩で、晩年の北斎の冷めやらぬ情熱を見る者に訴えかけてくるようだ。また,ここに描かれた菊の多種多様さに驚かされる。色や大きさはもちろん,花びらの向きや形,葉のつき方までも様々なのだ。当時の日本人がいかに菊に魅了されていたか,品種改良にかける熱意からもうかがい知ることができる。

 

ちなみに江戸以前から,日本には”華道”という独自の園芸文化があった。

これは公家や武家などの上流階級の者が楽しむ文化という側面が大きかったが,もちろんこれが江戸時代の市民も楽しめる園芸文化につながっていく。

 

”日本人は花が好き”

あまり広く認識されていないこの事実を,江戸東京博物館で,自分の目で確認してはどうだろうか。

 

公式HP:花開く 江戸の園芸  http://www.edo-engei.jp

2013年6月に編プロを退職。現在は個人事業主というものをやっているが、それが何なのか本人にもよくわかっていない。 絵画・彫刻・音楽・舞踏・映画・漫画・旅行・英語などが得意。

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