出生前診断、命の選択は誰のもの

  by リサ  Tags :  

妊娠の女性の血液を採取するだけで染色体異常の有無を確認することができる出生前診断。2013年4月~7月の間、全国で1,534人が利用していたことが朝日新聞の報道によって明らかになった。同報道によると「異常あり」という結果が出たのは29人(1.9%)、そのうち羊水検査などより詳細な検査を受けたうえで人工中絶を行ったのは2人だ。

 

出生前診断を導入するにあたって、問題とされたのは「人工中絶手術が増えるのではないか」「障害のある子どもの存在を否定することになるのではないか」ということだ。そして導入された現在でも上記の件でモヤモヤとしたわだかまりを残しているのは間違いない。

 

だが、そもそも出生前診断は、従来はなかった選択肢を新たに選択できるようにしただけにすぎない。結果的に「命の取捨選択」をすることになったとしても、その選択が正しいか間違っているかなんて誰にもわからない。正解などないのだ。

 

医療の現場では、「何が正解かわからない」もので溢れている。日常の業務はトライ&エラーを繰り返しといっても過言ではない。その中で時として患者側が選択を委ねられる。それが苦渋の選択であることも多い。だから私たちは日頃からもっと考えておく必要がある。物事を知る必要がある。命とは何なのか、生きるとはどういうことなのか――。考え抜いた先に、きっと答えは見えてくる。

 

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