営業職から制作職へ、ポンコツ女子がキャリアチェンジできた理由 -2-

  by natsu*  Tags :  

2.営業職の苦悩

 営業職からいかにして制作職へキャリアチェンジできたのか。今回は、そのきっかけとなった出来事についてお伝えします。

 新卒で入社した会社は就職情報会社でした。総合職として採用された私は、採用コンサルタント(という名の営業)として社会人第一歩を踏み出しました。学生時代はマスコミ就職を目指していたので、正直コンサルタントに興味はなかったし、ましてや営業職なんて考えてもいませんでした。それでも入社を決意したのは、「パンフレット制作等を担当する部署があった」からです。パンフレット制作って、出版ぽくて面白そうという印象を受けました。面接でも「まずは業界や企業に求められることを知るためにも、営業をやってみるのがいいんじゃないかな?」と言われ、当時の私はあっさり納得。営業で経験を積んでから制作へ異動しよう!と考えていました。

 しかし現実はそんなに甘くはありません。「いつかは制作へ異動」と思っていましたが、実際は制作部隊にいる人間のほとんどが中途入社で、前職で何かしらクリエイティブな仕事に就いていた人ばかりでした。
 営業をしても失敗の連続でした。フットワークの軽い同期と比較しても、腰が重く、なかなかアポも取れず、結果数字も上がらない。入社して3ヶ月たった頃社長に「すぐ辞めると思ってたよ」と言われるくらい期待されていませんでした。

 そんな私でも、頼ってくださるお客様が出来て、営業としてのやりがいを少しは感じられるようになっていきました。ただ、お客様といい関係を築けても、売り上げは思うように上がらない。持っているクライアントの予算も限られている。売れるような商品もない。さらに追い討ちをかけるように、チーム編成の変更に伴い入社当初から苦手だった上司の部下になってしまったのです。そんなストレスMAXな日々を半年ほど過ごしたところで転機が訪れました。会社が希望退職を募ったのです。入社して3年目の秋でした。

  新入社員を除く全員が対象で、10名ほど希望退職者を募るということが、社員全員に告げられました。会社が厳しい状況で、私自身もこのまま働き続けることが辛い。今なら、会社都合退職になって辞める口実が出来る。仲の良い先輩や後輩、同期と相談をしたり、親にも相談をしました。そしてついに、苦手な上司に「もう営業を続けることが出来ない。辞めたい。」ということを伝えたのです。

 直属の上司、部長、取締役とそれぞれから慰留され、「営業ではなく、別の部署で働くのはどうか」と提案されました。その頃転職活動も進めていたのですが、紹介される案件は保険の営業がほとんど。営業職から逃れたかった私にとって、会社からの提案は思いがけないチャンスでした。心情としては「部署が変わる=苦手な上司から離れられる」というのも大きかったです。

 異動した部署での仕事は、学生向けイベントの企画・運営の仕事でした。土日出勤当たり前、イベント前は終電近くなるまで仕事をすることもしょっちゅうで、正直営業時代より労働時間は長かったのですが、不思議と耐えられました。営業時代のような仕事に対する嫌悪感はなく、やりがいを感じながら仕事をしていました。

 部署を異動して半年がたった頃、さらなるチャンスが舞い込みました。営業から制作物のコンペについて相談を受けました。異動した部署内では今まで制作物の提案をしたことがなく、何をすればよいのか分からないとのことでした。私自身、営業時代に他部署で制作物の提案をしていました。その経験を活かして、簡単な企画書とともに提案に必要なもの書類の準備をしました。その結果、今まで取引のなかったクライアントから受注することが出来ました。このことをきっかけに、イベントの企画・運営業務+パンフレットの制作ディレクション業務に携わることになります。ディレクション業務は部署内では私一人で行わなければならず、ただでさえ忙しいところに納期に追われる仕事が重なり、忙しさは尋常ではないものでした。それでも2年強、業務をこなすことが出来たのは、「入社当初にやりたかった仕事が出来ている」その思いが忙しさを凌駕していたのです。

 仕事が嫌で嫌でたまらなくて、辞めようとしていたところから一転して3年も勤められたのは、やりたかった仕事に携わることができたからだと思います。忙しさや未経験だということで断ることが出来たものを、仕事が増えるのを覚悟の上、制作ディレクション業務をやることを決意しました。残業続きでも残業代は一切出ませんでしたが、そんなことを気にしないくらい、充実した毎日を送っていると実感していました。

 営業で培った、コミュニケーション力や提案力を活かして、制作ディレクターとして企画想像力を働かせていく。嫌いだった営業での経験が、私ならではの強みとして仕事に反映されていきました。苦しんだ分だけ、自分の糧として確かに身についていきます。やりがいがあって、全力で取り組みたいと思える仕事に出会えたことが、6年勤めた中での1番の収穫でした。

 それだけやりがいを感じていた仕事だったのになぜ辞めることになったのか。また仕事をしながら転職活動を進めるポイントについて、次回お伝えしたいと思います。

東京在住、制作系の仕事をしている独身アラサー女子です。 ジャニーズと美容とお酒が好きなヲタク。最近はアニメ、ゲーム、海外ドラマにも触手を伸ばし、休日は絶賛引きこもり中。年に1度行く海外旅行が自分へのご褒美。

ウェブサイト: http://ameblo.jp/24love72/

Twitter: @725natsuko244