研究者のモラルはどこへ?バルサルタン臨床試験でデータ操作

  by リサ  Tags :  

ノバルティスファーマの自社社員がバルサルタンの臨床試験に関わっていた問題で、新たな動きが見られた。臨床試験の最大の要といっても過言ではない解析データ、これに何らかの操作が加えられていたことがついに明らかになった。

 

5/22の時点でノバルティス側は自社社員が試験に関わっていたことは認識不足によるもので、試験を意図的に操作する目的ではないという見解を示していた。正直言ってこの時点でも相当あやしいという印象しか持たなかったが、データ操作の存在が明らかになった7/12現在でもなお「恣意的なデータの操作があったとは確認できない」とかわしている。会社として絶対に認めるわけにはいかないという必死さが伺える。

 

また、試験に関わった元社員という人物は、「強い意志により」事情聴取の協力要請を断っているから驚きだ。これはもはや、自分は会社の都合の良いようにデータ操作を操作しました、と認めていることと同じではないのか。

 

そもそも、データを都合よく書き換えることで得られるものは何なのか?富か名声か、それともちっぽけなプライドを満たす満足感か。もし自分が研究者だったとしたら、データを改ざん・捏造することで得るものは「虚しさ」と「情けなさ」しかないのではないだろうか。むしろプライドなんていうものは、ズタズタに引き裂かれてしまうような気がする。

 

バルサルタンは高血圧治療薬としてのシェアが大きい。今まで自分が使っていた薬が、実は欺瞞に満ちた薬であったことを知った患者はどう思うだろうか。製薬会社・研究者の責任は重い。

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