知られざるアンパンマン、沖縄での活躍

子どもたちに大人気のアンパンマンだが、沖縄におけるアンパンマンの活動はひとつ多かった。それがためにある年代以降に沖縄で子ども時代を過ごした人たちにとっては、他の地域とは少し違った思い入れをアンパンマンに対して抱いている。

そんなアンパンマンの地域限定的な活躍を知ったのは沖縄を訪れたときに入ったスーパー。ごくごく普通のスーパーだ。そのスーパーのアイスクリーム売り場をのぞいていたところ現地の人から「これ沖縄では昔からあるよ」と教わった。

そこには『アンパンマンアイスのお店』というアイスキャンディーが。

たしかにこれは見た記憶が無い。アンパンマンという全国区のキャラクターに惑わされてしまうが明らかに沖縄ローカル商品。

メーカーを見ると明治とある。しかし沖縄明治乳業だ。つまりこれ沖縄ローカルのアイスキャンディーにして長年にわたって親しまれてきたヒット作。50円から63円に値上げしたものの、安さと美味しさで子どもたちの絶大な支持を集めていた模様。現地での愛称はアンパンマンアイス(そのまんまだけど)。

そういえばここに並んでいるアイスはどれも見たことが無いものばかりだ。『ヤンバルクイナ』なんていかにも沖縄色を全面に押し出しているが、『あずきバー』や『きなこもち』といった地味めな物も、昔はなんだか見たような気もするが、現在では沖縄でしか見かけない。沖縄明治の製品も多いが、それ以外の沖縄のメーカーのものもある。沖縄は輸送の関係で、乳製品やパンなど、地産地消している製品が数多くある。アイスクリームもそのひとつ。つまりローカルアイス天国だったのだ。

余談だが、沖縄明治乳業の公式ページの『あずきバー』の説明が力強い。

つぶあずきを練り込んだ、県内で一番売れているあずきバー。

あずきバー部門で県内で一番!さすが沖縄明治乳業だ。

『シークァーサー』『美ら海アイスキャンディー』はともかく、『えりまきトカゲ』はどうした事だろうか。えりまきトカゲブームの時に開発されたものが今だにロングランしていると解釈するしかない。チョコアイスをホワイトチョコでコーティングしたアイスと、えりまきトカゲに何の関連性が?あまり深く考えてはダメなのだろうけど。いずれも安価でお財布に優しいのはありがたいが。しかも当たり付きというのが泣かせる。

ちなみに『アンパンマンアイスのお店』はラクトアイスの中にチョコレートソースが入っているという構成。白い中に黒くて甘いものが入っているというのは、多少アンパンをイメージしているようなしてないような。味は文句なしに美味しい。

 

というわけで沖縄アイス業界でのアンパンマンの大活躍を理解していただけただろうか。沖縄の独自アイスは本当に種類が多くて楽しい。持って帰れないのが残念である。現地で食べつくしたいが、お腹を壊さないようにご注意を。

 

(一部商品は取材時のラインナップとは変わっています。詳しくは沖縄明治乳業の公式ページを御覧ください)

大阪よりインターネットラジオBS@もてもてラジ袋を毎週配信。 http://www.moteradi.com/ 市民生活の専門家。易者。自由律俳句を詠む。 旅と読書と麺類(特にうどん)とファストフードとアルコールをこよなく愛している。 日本各地の大衆居酒屋や立ち飲み屋めぐりも趣味。 JR天満駅周辺の格安飲み屋に常駐している。

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