電車内で遭遇した出来事

  by 江良与一  Tags :  

 

乗ってから二つ目くらいの駅を過ぎた頃、私の右の方でなにやら争い事の気配が…。そちら側を見てみると、私の右側二つ隣の席に座っている金髪・ピアスのにいちゃんとその右隣のサラリーマンらしき中年男がつかみ合いになっていた。

 

お、ケンカか?と思って眺めていたら、金髪・ピアスのにーちゃんが左側の乗客(つまり私のすぐ右隣に座っていた客。ちょっとややこしい表現ですみません)の鼻先にスマフォを突き出した。その画面に映っていたのは…、サラリーマンらしき男の前に座っていたアラフォーらしき女性の脚の画像だった。俗にいう盗撮というやつである。

 

金髪・ピアスのにーちゃんはウトウトしていた女性を起こすと、その画像を見せた。女性の顔はみるみる歪んだ。「動かぬ証拠」を第三者と「被害者」にさらされてしまったサラリーマンは、観念したのかそれ以後は抗う事もなく、次の駅でにーちゃんと女性とともに降りて行った。おそらく駅員を通じて警察に通報されたことだろう。このサラリーマンの社会的生命は、ジ・エンド。少なくとも社会的信用はまったく失われたと言ってよい。たかが盗撮、されど盗撮である。もはや「まとも」な人間として扱われる可能性は0に等しい。

 

この事件で私は二つの事を思った。

 

一つは、言い古された言葉だが「人はみかけによらない」ということ。パッと見では、どうしても金髪・ピアスのにーちゃんの方が不利だ。こんな格好をしている奴はろくなもんじゃない、っていう目でどうしても見てしまう。実際に、事情がわかるまでは、このにーちゃんがなにか難癖をつけたんだろう、と勝手に思い込んでしまっていた。機会があれば心から自分の不徳を謝罪したいところだ。

 

もう一つは必ずしもこのサラリーマンばかりを責める訳にはいかない、ということだ。

 

盗撮されたアラフォーのおねーさんは膝上20センチはあろうかというミニスカートを穿き、さらに電車の中で居眠りをして、だらしなく脚を開いていたのだ。緊張感が欠如していたと言われても仕方のない状態だった。オネエでもないかぎり、男ならあのシュチュエーションではスカートの奥に目がいってしまうだろう。実際に恥ずかしながら私も何度か目をやってしまった。別に取り立てて美人という訳でもないアラフォーのおねーさんなのだが…。そこで写真にまで撮ってしまったサラリーマン氏は愚かだとしか言いようがないが、5%くらいは衆人環視の中で無防備な姿をさらしたおねーさんの方にも責任があると思う。膝の上にハンカチ一枚載せておけば防げたことなのだから。

 

電車通勤を行う上での悲劇でもあり、喜劇でもある出来事だった。もう取り戻す事の出来ない過ちが起こってしまったという事だけは厳然たる事実である。

 

 

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