あの世の仏教辞典 アラヤシキ

  by 睡魔太郎  Tags :  

アユタヤ


 アーラヤシキ(阿頼耶識)は意識の蔵という意味です。心の奥深くに潜在している意識のことです。人が輪廻するときに何が輪廻するのかというと、このアーラヤシキが輪廻します。これは、大乗仏教の瑜伽行派といわれる人たちの学説です。瑜伽(ヨーガ)とは仏教では禅定修行のことですが、これによって体験的に深層意識のありさまを研究していきました。

 そして、意識の奥底に眠る膨大な記憶の蔵を発見しました。なんの記憶かと言うと、これまでに経験した限りない輪廻転生の記憶です。それは超圧縮されたデータで、いずれは解凍され、再起動する性質をもつために種子(しゅうじ)と呼ばれています。生まれ変わるときに、種子に蓄えられた情報によって、心と身体が再形成されます。現在世での行為が来世に結果を結ぶのはアーラヤシキの持つ情報によるのです。まるで輪廻の遺伝子です。
 
 ところが輪廻の遺伝子といっても仏教は永遠の自己(アートマン)を説きません。アーラヤシキも不変の自己意識などではありません。じつはアーラヤシキの膨大な記憶の蔵には神や悪魔の種子も存在するからです。アーラヤシキは無数の種子の撒かれた無限の農園ともいえます。もちろん新しい種子を植えることだってできます。ただしこれまでに育った種子の勢力が現在の自分を守ろうと必死で猛反対するので、なかなか変えられないのです。

漢訳:阿頼耶識
Skt.:ālayavijñāna pali:None
仏教語大辞典 中村元著 p10d.
The practical Sanskrit-English dictionary
http://dsal.uchicago.edu/dictionaries/apte/
The Pali Text Society’s Pali-English dictionary
http://dsal.uchicago.edu/dictionaries/pali/

仏教ネタはおもしろい! エンターテイメントな仏教アドベンチャーを目指します。 仏教学修士課程修了、日本印度学仏教学会所属

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