拝啓、テレビ局の皆様方。何卒、宜しくお願い申し上げます!

  by つじぃ  Tags :  

打ち切り覚悟のテレビが見てみたいんです。

「最近、テレビがおもしろくなくなったわ〜」という声を頻繁に聞く。聞くだけではなく、僕自身もそう思っている。とはいうものの、おもしろいテレビ番組がひとつもないというわけでは勿論ない。でも、僕も含めた視聴者はテレビに対して「最近、おもしろくなくなったわー」と言いたくなる空気は歴然と存在していると思う。テレビへの閉塞感がそうさせるのか?または、新たなテレビスターがなかなか登場しないからか?あるいは、風呂場の屁のような気の抜けたメッセージばかりをテレビが発信しているからだろうか?

 

 

こんな映画が見たかった!

2011年。あの東日本大震災が起こる数ヶ月前に僕はとある映画を見た。園子温監督の「冷たい熱帯魚」である。公開後、しばらく経ってからラジオや雑誌、Twitterで話題騒然の映画だ。その口コミを聞くに、これは映画館で見るべき映画だ。劇場で見ないでどうする!と、テアトル新宿へ赴いた。地下にある劇場。受付へ降りる階段の小脇に、壁一面、監督・園子温のインタビューが貼り出されていた。高鳴る胸を沈めつつ、じっくりと、そして、ものすごいスピード感でそのインタビュー記事を読みあさった。

 

ロングインタビューで、びっしりと書かれた文字と文字の列にひときわ輝く言葉を見つけたのだ。「日本映画界に腹が立っている」という主旨のその言葉に「よくぞ言ってくれた!!!」と、僕はひとり膝を打った。敢えてここでは言及しないが、テレビ局製作の映画が日本の邦画興行収入のランキングトップクラスという結果をたたき出しているこのJAPAN。そういう映画でも、楽しみ方次第で大いに楽しめるわけで、だからこそそのような作品を真っ向から否定はしないが、僕は知らず知らずのうちに「過激な映画が見たい!」とストレスを感じていたようだ。誤解を恐れず言うなれば、「オンナコドモが楽しめない映画が見たい!」というルサンチマンが溜まりまくっていたのだ。オンナコドモが楽しむ映画が中道をゆく邦画界に辟易しておったのだ。

 

監督のインタビュー記事を熟読した後、2時間の上映を心揺さぶられながら楽しんだ。震えた。笑った。そして、疲れた。疲れるほどに楽しい映画にやっと出会えたという幸福感と、最近こういう映画に出会えてなかったという絶望感が同時に押し寄せて、僕の脳はとろける寸前だったことを今でも鮮明に記憶している。

 

 

こんなテレビが見てみたいのだ!

さて。ここでテレビの話に戻る。「最近、テレビがおもしろくなくなったわー」という僕も含めた多くの方々の意見は、邦画界と同じ原因でわき上がっているんではないだろうか。つまり、オンナコドモが楽しめるテレビが多すぎるということだ。ここで明記しておかなければならないことがある。僕は、オンナコドモが楽しめるテレビを「悪」だとも「つまらない」とも思っていない。僕は、テレビ局が「オンナコドモにはこういう内容のテレビが良いだろう」と考えて作った番組をオンナコドモよりも楽しんでいる。そういう番組も大好きなのだ。なのだけれども、あまりにもオトコの心を鷲掴みにするような番組が少ないのではないだろうか。そう思っているのだ。見て、震えて、笑って、疲れるテレビ番組がいくつあるだろうか。

 

「過激に、タブーに挑戦し、たとえば、犯罪を助長するぐらいの奇をてらった番組をテレビ局さん、作ってちょーだい!」とは言わない。「あまりに予定調和で、自主規制でガチガチな作り方ではない、何か違うアプローチで面白い番組を作って下さい!楽しみにしているのです!」と言っているのだ。確かに視聴者からのクレームが殺到するかもしれない。1クールで放送終了になるかもしれない。でも、たとえ1ヶ月で番組終了になったとしても、その番組は僕の心の中に生き続けると思う。そして、僕のような視聴者は、オトコに限らず、オンナコドモにもたくさん生まれると信じている。

 

ちなみに。前段の「冷たい熱帯魚」の劇場には、オトコもオンナも集っており、オトコもオンナも立ち見で見るほどの賑わいだった。

 

 

最後に。テレビ局の皆様方へ。

「さまざまな可能性をテレビには感じておるのです。テレビが大好きなのです。最近見たことがないテレビを楽しみにしています。何卒、何卒、制作のほど、宜しくお願い致します」

ラジオパーソナリティ/テレビとラジオのADを経た28歳。 テレビ視聴&ラジオ聴取時間は、1日20時間以上です。 テレビについて、ラジオについて、オススメ情報から辛口批評までおこないます。

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