仕事のジャマ?朝礼とは一体何だ?

  by rado  Tags :  


朝礼、ミーティング言い方、呼び名は様々ですが、企業の大小にかからわず出社して社員、従業員の顔が揃えばお決まりのこの儀式、正直「うんざりだ」と思っていらしゃる方も多いかもしれません。
 
私も会社員時代に一回短い時間で10分、長いもので30分と6社転勤転属、転職ではまさに朝っぱらから何度も”食らって”ました。
 
経験したほとんどの朝礼は、上司の自己満足なのかわかりませんが、いわゆる訓示と常套な文言でお茶を濁すか、どこかで拾ってきたようなお手軽な言葉や格言を、講釈よろしくウンチク交えてというのが、一番多かったように感じました。そう言う意味では、「モチベーションの向上という狙いを演出するポーズ」でやっているだろうくらいな認識でした。個人的な意見では、仕事の邪魔でしかないというのが正直なところです。
 
 
そもそもこの朝礼の”朝’の一文字は、時間的な意味を表すのもありますが、古くは古代中国での朝廷儀式が源流。
 
皇帝に仕える臣下は、夜明け前に皇帝の居城である宮城 に集合し、その集まる場所を朝廷と呼び、そこで行われたのが朝礼。朝廷はとは儀式が執り行われるお庭だったというわけですね。ここで執り行われるのは正に儀式なので、捧げ物を示し、精進潔斎(しょうじんけっさい) として神様をまつります。
 
皇帝というのは、天、つまり神様の次にあたる位ですから、神をあがめそれに従い、臣下もそのピラミッドの配下に位置しますから儀礼というのはその再確認と、皇帝の権威を表す意味で当時は重要だったのでしょう。朝礼が上司都合というのは昔からってことかもしれません。
 
しかし現代では経営者が絶対的強権を振りかざして、「営業!営業!」と号令をかける朝礼なんてのはさすがにないでしょうし、ありがちな”報告、連絡、相談”にならってこぞってマニュアル通りに、なんていうのも形骸化した朝の定例儀式になりがちです。世の中には居酒屋の朝礼スピーチに2万人も集めるところもあるそうで..。その内容は割愛しますが。
 
「活気ある職場にしたい」そうホントに願ってのことなのでしょうか?
 
この場合の活気とはモチベーションや抽象的な目標のことだろうと思います。目標を高く設定しそれを目指すというのは、至るところで耳にしますが高い目標とはリスト化して具体的に何か?については、実際には正確な認識はほとんど誰にも無いようです。例えば経営者での”夢’なら、店舗数拡大や売上の更なる上昇などがありますが、給与所得に関する査定もすべてが従業員ではどうすることもできない状況下で、夢や希望というのも空々しい気さえ感じます。自分のような経営者になって欲しいと願うのなら、むしろ起業へのノウハウを教えるべきです。
 
 
働かせて”頂いてる”立場で言えば、例えば営業で一番を目指したいというのなら、販売数かもしれませんが、個人的な経験上、これは少なくとも大店舗経営での責任においては本当はあまり参考にはなりません。意外かもしれませんが、そういう場所で重視するのは顧客数であり、販売実績の内容が非常に重要になります。つまり個人従業員の成績表で評価をするような意識向上をしようとすると、製造業や直接的な利益供与が感じられない職場ではいいのですが、小売業ではかえって職場全体のモチベーションがいつかは下がってしまうのです。そういった効果は非常に短期間のイベントなどでは有効ですが。
 
同じ顧客、リピーターばかりに根ざしたシステムを作り上げると、新規の顧客数は面白いことに徐々に低下します。小売店にとっての店舗の雰囲気はシビアということです。常連客ばかりで近寄りがたい店よりも、常にふらりと立ち寄れる店構えが何より重要です。
 
例えばネット販売の場合なら、単純に販売数が粗利に絡んできますが、店舗となると設備リースや卸価格と売掛、商品ロスや時間帯などその都度で売れ筋や接客時間と、ペットショップにおいては生体管理などもスケジュールに組み込まれます。棚からは商品がなくなれば補充するために売り場を離れますし、その場合の顧客数と店舗サービスメンテナンスの割合がとても売上に響いてくるからです。単純にチラシを刷って駅前に立ち、顧客がきたら一生懸命に対応という単純な行動とはかなりかけ離れています。
 
それに小売業はプライベートブランド商材以外は、全部仕入れ、つまり他の業者の商材、あるいは自社製造した商材を並べて売ることです。製造と販売が分離しているため、販売側で製造コストを考慮することができません。お店がだれでも努力と根性でできると思うのなら、多分それは長くは経営を続けていけないでしょう。多角経営かそもそもの本業から離れた事業まで手を出さないと継続は難しいはずです。それは簡単な話で、トヨタがプリウス一種で勝負などしないように、顧客要求に答えるには量と質が問題であり、その配分を決めるのは商社が決めることであり、製造でも販売でもないからです。
 
そもそも市場に死ぬほどプリウスが好きだという、希な人だけを相手にするのならスローガン一丁でも気の利いた小ネタや、些細な啓発を朝礼で披露しても微笑ましいですむかもしれません。
 
朝礼がスピーチの一面で、「なにか上手に演説ができなければ・・」という考えは、本来の営業や商売には実は何も意味を持たないといえます。それよりも、”営業のノウハウを教えるゼミ”でもやったほうが効果的です。
 
つまり時間帯に適切な営業対応と行動をとることで、販売機会を管理するのが小売業であり、飲食業であるなら人の元々持っている生理的欲求が対象ですから、その質は自然と違ってきます。この質は高低のことではなく、数が売れても在庫を抱える商材を抱えてはならないという、もっとシビアな一面が小売業にはあるからです。「品切れです」で、メニューを見直すような顧客は小売店舗には存在しません。他店へいってしまうだけです。商材に一定のファンを付けてリピーターを増やす戦略がない中で、売上目標よりもっと重要なことに焦点をあてる企業なんて、相当ロートルな会社でしょうか?従い、職場のモチベーション向上に”掛け声”大合唱は、一部の自己満足でしかないといるかもしれません。ただ笑顔と声が大きいからでは小売業は成り立たない。
 
しかしこの朝礼を120分、つまりは敢えて2時間近く行う小売業が日本にはあります。
 
それは地方の自動車販売店ですが、スローガンも上司のスピーチも、営業成績発表もありません。それでも顧客は”呼ばなくても”勝手に集まり、用がなくても250円のコーヒーを飲むだけの顧客も歓迎しているんだそうです。
 
普通で考えるなら、「そんなに時間を割いて業績に影響はないのか?」と気になるところですが、四国高知のネッツトヨタ南国店はそれを実践しているそうです。面白いのは、それまである起業家のポリシーや企業の常識を無視、あるいは覆している点です。その中にあるのは意外にも目新しい技術ではありません。
 
 
朝礼とは、社員のモチベーションを上げるとか、業績や経理などの業務報告など、様々なことが想像できるでしょうが、通常であれば、およそ”報連相”セオリーで成り立つと考えられるはずです。その”基準”を少し例を挙げてみますと
 
安全朝礼は建築現場ゼロ災のために
小さなミスや不注意で大事故につながる現場では、職場の安全維持管理が至上命題ですので、スローガン唱和、標語唱和が必須で、マンネリ化しやすい典型かもしれません。そのため朝礼ネタや講話として話が横道に…..とはよくあります。結局利潤ではなくコストでの管理が集中することから、伝達する種類も限られるといったところでしょうか。
 
小売店の場合は売上目標と士気高揚
飲食店も当てはまりますが、結局は経営参加者は上司にあたる人の役割だと、ほとんどの従業員が考えているはずですから(例えそれがカリスマ経営者だったとしても)、売上目標達成とは具体的に、挨拶と大声がモットーの来店接客中心といったところでしょうか。客商売であれば、非常にシンプルなスピーチかもしれません。いずれにせよ、飲食業ではウィンドーショッピングという顧客行動は絶対ありえませんから、お店に入ってくれれば売上に直結という単純な流れであるので、従業員の技術的な面はフォーマット化しやすいと言えます。逆に多方向な対応が出来たからといって、売上に直接寄与しないためアルバイトで対応可能といえるのではないでしょうか。
 
私が経験した”朝礼スピーチ”の中で典型的な”講釈”は、とある経営者が親族構成をしている小さな総合ペット卸業での社長の娘婿がした、「社員全員が歩調を合わせること」について力説したスピーチでした。それは社員が持つべき(この方が個人的に考える)”常識”について「仲良く一丸となって目標を達成」というスローガンに始まり、漢字の独自解釈(「歩くという字は止まるが少ないと書く」など、話の内容と無関係)の話や、特に直接間接的にも営業指南とは程遠い八百屋の経験談(自分が努めたことがあることから)で毎回終始し、影では社員からいろいろと揶揄され、影では迷惑がられていました。会社経営の仕組み自体は親族経営であることは、社員全員が周知してますから、会社の夢=経営者の夢ですから、売上貢献は給与に関する自己評価でしかないので、経営に興味などよほど上司が好きでもなければ、一塊の社員に会社での将来の夢など浮かぶはずもありません。そこは社員が聞いても綺麗事に聞こえるんでしょう。それにペット商材卸業ですから流通のために時間に対しては、誰よりもシビアであるはずの職場で、20~30分近く始業時刻を大きく割いて”自分のいいたいことのみ”ひたすらにスピーチするわけですから、職場のモチベーションも何も効果すら疑問に感じました。時間に会社全体がルーズで顧客からクレームを受けるという本末転倒なところは、やはり流通業であるという自覚も足りない気がしてました。
 
 
中流ホワイトカラー職では、朝礼=マニュアル+”ホウレンソウ”あるいは廃止
実労働のなかで肉体的疲労の比率が低い現場では、私が経験した限りでは密接に職と、仕事の進捗に関わる報告、連絡がメインだったように感じます。自分の役職での立ち位置から対外的評価のために、己を上司にアピールするのはいいのですが、社員にとって、さらにその上の上司のために丸々貴重な時間をスピーチする時間を、無駄な時間だと社員誰もが捉えるのは民間では当然かもしれませんね。業績を伸ばすことが経営者だけであり、中間管理職は保身のために社員は自分より劣るから経営者のいう事を右から左へ、という意識があるなら別ですが。
 
トヨタのその店舗で2時間を朝礼に使うそのカラクリは、あくまでも「顧客満足度を高水準に保つ」ことであって」、このディーラーでは先輩や上司から販売ノウハウなど、全く何も社員には教えることはないそうです。
 
小売業というのはまず第一は集客です。ですがよく言われるのは
 
”攻めの姿勢”—-攻める=ひたすら売りまくれ、ということでしょう。
 
訪問販売を一切排除し、むしろショールームに車を一台も置かずに、サロンのような接客を実践するアイディアなど、通常なら嫌われるはずですが、トヨタ南国店にあるのは営業成績以上に”経営品質向上”が重視されているんだそうで、非常識が常識として採用されています。朝礼とはその技術を社員同士が共有する場に過ぎない、そういう発想が現代では珍しいわけです。
 
実際その方法にシフトしてから、またその方式を親企業が受け入れることで、アフターサービスの強化、購買者周辺の職場や親族の状況、収入だけではない営業からの、社員同士の交流から生まれる情報の共有、そして現場のアイデアを活かす戦略。その実践でこの支店はトヨタ全国約300社のなかで常にトップに君臨し続けているそうです。それも集客のみこめる東京の支店ではなく一地方販売店に過ぎないのですから驚きに値します。
 
経営とは人の育成とはいいますが、具体的にそれを示し結果を残せる実績ある企業は、非常に限られたものだと私は思います。なぜならそれはしばらくは業績に関しては、我慢を強いる経営となるはずだからです。
 
私自身の経験になりますが、ペット業界にいたときには、管理者サイドの立場でしたので、地方ホームセンターの巨大なフロアでも、小売店の小さな店先の屋台でも、することは対面販売であり、そしてよく顧客と話をすることでした。その積み重ねから、ご自宅の間取りや家族構成、そしてアレルギーなど身体的疾患などの有無から、ペット販売で適切なアドバイスや、家から近い獣医のご紹介や、高齢犬のための輸入飼料などの紹介などができました。情報は何気ないお客様との雑談から始まっていたわけです。
 
私はお客様が初来店したときから、その方が引越しをされるまで、誕生日やご家族、ご親族までよく知っていましたから、ケージの選び方や、時には商品によっては、他店で取り扱ってるのでその店舗までご紹介したりしましたね。どうしても私の店から買いたいと申し出があった場合には、価格は割高になることを告げ、仕入れたりもしましたが、それはまた在庫の危険もありました。特売期間と月の利益計算結果で、在庫の他店移動や下取りなどを考えるわけですが、そういう工夫を繰り返し、お客様に応えているうちに、その後その周辺のご近所まで巻き込んでの商売となり、通常のコンビニエンス程度の規模の周辺が工場地帯の真ん中にある店舗で、1年あまりで平日でも最低150人、休日祝日では250人以上来店するペットショップになったことがあります。その全てはお客様との雑談から広がったことでした。
 
思えばこれはお客様にとっては、ロイヤルカスタマーな気分を来店時に味わえるわけですから、”地域に好かれた店員になる”ことが、結局はその後、数十万円の大型水槽ご購入まで結び付くことになったので、この考え方は他企業でも裏打ちされた技術だったのかもしれませんね。しかしこれは、あくまで私個人が実践していたことであり、会社側での要求は数値目標だけでしたから、コスト面で人材育成よりも安いアルバイトをという経営の中では、その行動はかなり浮いていました。売上自体は他店舗に比べ高くても、異動を契機に下がるといった状況のまま。
 
トヨタ南国店では販売技術を全社員で共有するために、時に2時間もの時間を割いて、社員でスキルを提供、共有する時間を貴重と考え、上司のアドバイスよりもできるだけ早く現場へ社員を投入し、その中で得たスキルを社員同士の横のつながりで向上することに賭けたわけです。その共有する場が朝礼。
 
 
顧客の提案に瞬時に応えるとは、システムでもなければ教育でもない、まさに現場での経験がモノをいうというわけで、古くからの”日本式営業”が脈々と受け継がれていることにそれはなります。
 
結果としては”金儲け’をしているのですが、買うか買わないかはお客様が決めるので、営業成績だけで経営品質は判別できないということ。それには現場の人材をどうやって確保するかにかかってますから、面接はなんと200時間も費やすのだそうです。個人の根性とかやる気などというメンタルな部分で、あとは管理者の責任で徹底管理というのは多くにお会社でありがちです。必要な初期条件は人格であると管理者が明言できる部分に、個人的に、そこにある揺るぎない経営の自信を垣間見ました。
 
販売の最前線こそお客様の顔を見ているのですから、その同僚同士での連携により、強固なチームワークが生まれるこの理屈は、昔から普遍的といえるかもしれません。つまり、より具体的に社員が顧客に対し、リアクションの取り方を現場で学んでいくからこそ、向上心が生まれ、それが自分自身との競争になっていくわけですから、自然と成績グラフよりも、今すべき行動を生み出すことになります。加えてこのトヨタの店舗では「当社は報連相のルールはいらない 」とまで言い切ってます。この方法論だと、従業員をコストと捉えるなら実現できるはずはないでしょう。
 
ディーラー本来のマーケティズムを破壊する。営業は売ることであるという概念を、顧客からの信頼に重点を置く姿勢に完全に方向転換したトヨタ南国店。
 
ブラック企業ランクに必ずと言っていいいほど、小売業や飲食業がランクインするそうですが、それはつまり不人気業種であるということのようです。しかし顧客から必要とされない自社都合の訓示や、よくある”今がチャンス”というような、捉え方によっては利潤をむさぼる側のためにあるようなスローガンなどは、ネットで拾えばいくらでもネタが転がってる常套句であり、それら美辞麗句が本当に経営に役立つとは、私には到底思えないですね。経験があれば、実のある実績とは机の上では生まれないからです。
 
 
こうして見ると商売は顧客によって対応が変化するはずであり、欧米式にルールから結果へというフローチャートで、上司がノウハウを徹底的に根性で社員をがんじがらめに締め上げるというのは、元来の”日本式経営戦術’ではなかったんですね。原点に立ち返ることで最新の商材を売っていくんですから、現場でやってる方も楽しいに違いありません。
 
 
顧客の要望を聴きやすい環境に身をおいて、反応に機敏になることが結果として社員の意識向上につながるということで、経営がうまくいくのですから商売は面白いものです。
 
朝礼を経営そのものに活用していること。それは高度成長期に日本人が編み出した普遍的戦略といえるでしょう。
 
 
 

会社員やってましたが、自宅にてIDSネットワークを組むことにしたので自宅ワーカーに転じました。ブログ記事(1記事5000字で10記事程度)の”仕事”として2004年から単発的にやってましたが、腰を据えて力試しにやってみようかとエントリーしてみました。テーマなくても自由に書けでもなんでもやります。趣味はスパマーの実態調査です。

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