人生の結末(4)~福祉施設のある日の光景

  by サイキッカー  Tags :  

その場に居合わせて仕事をして慣れていく事に違和感を感じる様になって来た。
施設で人が亡くなる、簡単に言うと「独りぼっち」で亡くなった場合にその人の関わった行政区が喪主となり、本人が余生を生きた施設で葬式を挙げる事となる。
今回は施設で行われる「別れ」の光景に関して色々と。
病院で亡くなって施設に無言の帰宅をした場合、そこの施設によって変わると思うが、和室や集会室に先ずは安置する。そこで地元、もしくはその人が信仰していた宗派の僧侶に依頼して枕経を読んで貰い仮通夜を行う。
この仮通夜を終えて、はじめて入所者と故人が顔をあわせる事になる。
故人の顔を見て、静かに手をあわせていく人、「苦しまなくて良かったね」と声を掛ける人、女性に多いのだが、故人と仲悪くて「やっとくたばったか!」と泣きそうな顔で悪態ついていく人等、それぞれに別れの挨拶をしていく。その間に葬儀屋さんが来て、死装束を着せたり、棺桶に遺体を入れたり、お通夜、葬式の準備をしていく。僕らも棺桶に入れても問題が無い様な故人の遺品を用意したり、死装束を着せる前の湯灌を手伝ったりする。

こうして、施設で式を挙げる事になる。
一通りの手順を終えて、火葬場へ遺体を運ぶ前が入所者と故人が最後の面会をする機会で職員に誘導されて皆が棺にある人は「綺麗にしてもらって」「いい顔だ」と声をかけながら、またある人は泣きながら花をたむけていく。
職員も故人が健在だった時にあった「なるべく迷惑をかけないように逝くから皆で送ってね」「そんな事考えるんなら、迷惑かけないように健康で長生きしなよ」というやり取りがあった事を思い出しながら故人を見守る。
棺を霊柩車に収め、火葬場に向かう。この霊柩車が発車するときの「フォーン!」と言うクラクションの大きな音が入所者と故人の永遠の別れとなり、入所者も霊柩車が見えなくなるまで拝んでいる。
この入所者と故人にとっての最後の別れが、そのまま職員のそれにはならないし、まだ先がある。
次回は職員から見た故人との別れについて色々と。

 社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー) 介護福祉士の介護三大資格を修得。 敷居の高い、未だに謎のベールに包まれている介護、福祉の世界を身近でわかりやすく伝えたいです。 熱く武道、特撮も語れる空手家でもあります。

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