【夏こそカツカレー】暑い夏にカツカレーを熱く語る!

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すでに説明する必要もないほどに日本国民に愛されている「カツカレーの魅力」について長々と語ってみましょう。まず「カツカレーはいつ頃生まれたのか?」と言う事でカツカレーの起源から始める事にしますが、諸説あるなかでも有名なのは野球選手の『千葉 茂』さんが好きなカレーライスにトンカツを乗せたと言う説が有名ですね。
このカレーは銀座の洋食店『グリルスイス』で、今でも千葉さんのカツカレー(通称チバカツ)として食べる事が出来ます。

しかし筆者はそれが本当のカツカレーの起源だとは思えません。恐らくそれ以前からも、どこぞの定食屋さんの店員がカレーライスに余ったトンカツを乗せて食べていたに違いない!
同じ店のメニューにカレーライスとトンカツがあったのならば、料理人としてトンカツをカレーに乗せてみようと考えても不自然ではありません。むしろ、逆に乗せない方が不自然です。
と言う筆者の持論に近いのが、もうひとつの元祖と言われる『とんかつ河金』のカツカレー『河金丼』です。いわゆる「昔懐かしいカレー」を丼に乗せたトンカツにかけたカツカレーで、こちらの方は大正時代までさかのぼる事が出来るらしいので、時系列的に言えばカツカレーの元祖とも言えます。
しかし現在の一般的なカツカレーのスタイルを世に広めたのは『グリルスイス』であり、どちらが元祖なのか決めるのは難しいものがあります。
なので今ここで「カツカレーの元祖」を決めるのは無粋と言うもので「こんな流れで今のカツカレーになったんだよ~」くらいの軽いまとめ方にとどめておきましょう。

そして次に「トンカツとカレーのどちらが主役なのか?」と言う永遠の疑問です。
最初にトンカツの「カツ」が来てるのだからトンカツが主役であると言う可能性もありますが。カツカレーはあくまでカレーのトッピングの一種に過ぎず、あくまで主役はカレーであると言う説もあります。
仮にカレーを主役とするならば「ライス」の立場が微妙になってしまうのも否めませんし、トンカツとカレーに「ナン」や「チャパティ」が加わった所でメニューになるでしょうか?
つまりカツカレーは「カツ、カレー、ライス」のどれか一つが欠けても駄目な事は明白で、どれを主役と決める事は無意味なのです。
しかし、このままでは永遠に「トンカツ VS カレーライス」の抗争が続くと思われるので、この機会にひとつの答えを出しておきましょう。

まず、カツカレーは日本式のカレーライスであり本場のカレーと同一ではない事をはっきりさせる必要があります。あくまで「カレーライス」でありナンやチャパティが入る余地は無いのです。
そしてカレーライスの辛さですが、やはりカツカレーの場合は中辛以下が妥当でしょう。時に甘口でも良いくらいで、これは「カレー自体がスパイシー過ぎるとトンカツの味が損なわれてしまうから」に他なりません。
トンカツに使われる肉は「ヒレ肉」よりも「ロース肉」の方が多く、ロース肉の旨さは脂と赤身のバランスにあります。豚肉の良し悪しは「脂身」にあると言っても過言ではなく、質の良い豚肉の脂身には独特の「甘さ」があるのです。
「じゃあバラ肉をトンカツにしたらいいじゃん?」と言われるでしょうが、そうすると「脂と油」で重くなってしまうでしょう。そこで多く店ではカツカレーに脂身と赤身のバランスが良いロース肉を使う事に落ち着いたのです。
(余談ですが実は食にうるさい『寺門ジモン』氏が某番組で「最高級和牛の天麩羅」を特別に作って頂いた事がありますが「脂と油で和牛と天麩羅の良さが相殺されてしまった」らしいです)
これらの事を総合すると「中辛のカレーライスに豚ロース肉のカツ」が日本のカツカレーの標準になったのは自然の摂理と言えるでしょう。

そしてカレーライスを語るからには、カレーの具についても考える必要があるでしょう。
筆者が色々な店でカツカレーを食べた経験則で言うと、やはりカツカレーの場合は「具が入ってないんじゃないの?」くらいの感じで丁度良いです。
無論、具が入っていない訳ではなく「ちょっと煮込み過ぎて人参と玉葱が溶けて小さくなっちゃった状態」になっているのです。カツカレーに関しては野菜がゴロゴロしてるよりも、溶けてスープと一体化し「トンカツ」を引き立たせる為の脇役に徹するべきでしょう。
これは私見であり「ジャガイモ派」からの反発を買う事は百も承知ですが「カツカレーにジャガイモは必要ない」とあえて言っておきましょう。
マッシュルームもカレーには合いますがカツカレー、もとい「定食屋さんのカレーライス」においては無用です。
カツカレーの主戦場はあくまで定食屋であり、カレー専門店やホテルのカレーではない事を肝に銘じておかなければならないのです。

とにかくカツカレーの勢いは半端なく、日本各地の大人から子供まで幅広い層に食べられています。
当然、ここまで普及してくるとカツカレーのバリエーションとして「チキンカツカレー」などが派生するのも当然かもしれません。
他にも「味噌カツカレー」など地方色の濃い物もあり、食文化の違いによるカツカレーのローカライズは実に興味深い現象です。
「トルコライス」や「エスカロップ」なども、カツカレーに多かれ少なかれのインスパイアを得ている事は間違いないでしょう。
ちなみに「トルコライス」と言うのは長崎の方で「ピラフやサフランライスにトンカツを乗せてデミソースを上からかけてスパゲティを添える」と言うローカルメニューです。
「エスカロップ」は北海道根室市が発祥ですが「白エスカ」はバターライスで「赤エスカ」はケチャップライス、それぞれ炒めたライスの上にトンカツを載せてデミソースをかけ、サラダを添えるのが一般的です。
ここら辺のMIX感は「お子様ランチ」的な高揚感に似たモノがあり、ワンプレート(ひとつの皿)に色々と盛る事でビジュアル的なゴージャス感も相まって不動の人気メニューとなっております。

そうなると「カツ丼もカツカレーの仲間か?」と言う疑問も浮かんできますが、どちらかと言うとカツ丼は「親子丼」の方に属すると思われます。
動物学的に言うならば「丼物目 卵とじ科 親子丼」であり、カツ丼の場合は「丼物目 卵とじ科 カツ丼」なのです。
これは個体の生息域と言うか環境(定食屋or蕎麦屋)による違いであり、より出前(デリバリー)を主とする蕎麦屋にとっての「丼物三銃士」と呼べる「天丼」「カツ丼」「親子丼」は無くてはならない存在であり、カツカレーが入る余地はありません。
ここで「カツカレーは蕎麦屋にもあるよ」と言う人の為に補足しておきますと、カツカレーの皿はデリバリーコンテナ(岡持ち)に収まりが悪く、皿にラップをすると悲惨な結果になるので店側的に勘弁して下さい。

そして現在は日本中に生息するカツカレーも、それぞれ固有種としての個性は失われてはいない点も興味深いですね。
例えば「トンカツ屋のカツカレーの場合はキャベツが山盛りで添えられている事が多い」など、揚げ物をメインにするトンカツ屋ならではの現象です。
無論、キャベツが胃にやさしい事も忘れてはなりません。さらに細かい事を書くと「カツにカレーをかけないのは衣のサクサク感を味わって頂く為」と言う事も知っておいて欲しいです。
これがプロの仕事と言うか、カツカレーに対するトンカツ屋さんの愛情なのです。

そして何気に読み飛ばしてしまうでしょうが、ここら辺にカツカレーの主役を決めるヒントが隠されていたのです!
つまり色々と派生する料理は動物に例えて表記すれば、どこに本質があるのかが把握出来ると言う説が急浮上。

「カレー目 カレーライス科 カツカレー」

この表現が一番適切なのではないでしょうか?仮にトンカツを主役とした場合は
「トンカツ目 カレーライス科 カツカレー」となり、ちょっと違和感がありますね。
例えばチキンカツを使用した場合は「チキンカツ目 カレーライス科 チキンカツカレー」となってしまい、カツカレーとチキンカツカレーが別の食べ物になってしまう。
それでは心の中の「海原雄山」が納得しても学会が納得しないでしょう。
「カレー目 カレーライス科 チキンカツカレー」ならば世界的にも通用するはずです。

ここで世界に目を向けてみましょう。
日本を代表する料理は「寿司」と思われているが、果たしてそうでしょうか?
確かに「世界の料理ベスト4」と言う事は日本を代表している事実を否めません。
しかし、今でも本格的な寿司を食べる人は世界的に見ればそう多くはないでしょう。生魚を食べる事に抵抗がある人はまだまだ世界中にいるのです。
それにカリフォルニアロールなどは本当の寿司か?と言われると微妙で「小鰭(こはだ)の味を知らずに寿司を語るなかれ」と筆者は思います。

そうなると日本を代表するメニューとは何か?
天麩羅もなかなか捨てがたいしラーメンもそれなりに世界進出している。しかし、あえて言おう。
本当に世界で人気が出るのは「カツカレー」である!!
根拠も無しにカツカレーを世界一とするのは滑稽であるが、カツカレーには上記のメニューにはない利点があるのです。

「デリバリー(配達)でも十分美味しい」

これこそ海外で成功する絶対的な要素なのだ。例を挙げるならピザとかが分かりやすいだろうか?
もしもデリバリーがなければ、ここまでピザが普及する事もなかったに違いない。今でこそ寿司に負けているかもしれないが、あと100年もすれば日本食=カツカレーの図式が定着するはずだ。
最初にアメリカのNYでカツカレーブームが巻き起こり、その後はテイクアウト文化の台湾、揚げ物好きなイタリア辺りで流行るだろう。
いずれはピザと並ぶデリバリーの人気メニューになるポテンシャルをカツカレーは秘めているのです。

長々とカツカレーについて綴ってきたが、そんな理屈は抜きにしても「カツカレー」とは良い物である。
昔からある定番メニューであり「辛くないカレー」もどこか懐かしさを感じずにはいられない。
あの圧倒的なビジュアルの中に秘められた「絶対的な旨さ」を文章で表現するのは容易ではないが、食べれば誰もが理解出来る美味しさなのだ。
その反面、暴力的なカロリーで常食する事を拒み、時には「驚愕の盛り」で希望と絶望を同時に味合わせてくれる魅惑の食べ物でもある。
とにかく俺は今、無性にカツカレーが食べたい・・・。
トンカツでもなくカレーライスでもなくカツカレーが食べたいのだ。
空腹と言う単純な本能では無く、より深い所にある何かがカツカレーと言う究極のメニューを欲している。
この衝動的な欲求をカツカレーを食べる事でしか押さえられないのならば、これはカツカレー中毒と認めるしかないだろう。

そんな訳で今年の夏も暑いけれども、カツカレーをガツンと食べてたら夏バテを克服出来るんじゃないでしょうか?
みなさんも近所の美味しいカツカレーの店を探してみて下さい。

注・・・写真『とんかつ赤城』のカツカレーは大盛りの為にカツが左上に隠れていますが御了承下さい

酒と料理に情熱と脂肪を燃やすフリーライター ”日の丸構図で寄りまくる!”と言う素人写真を武器に暗躍する。美味しい料理を世界にバラ撒く”飯テロリスト”として各国の情報機関にブックマークされたが反省はしていない。 取材依頼(新店舗、新メニューのPR)その他記事の執筆依頼は下記のメールアドレスまでお願いします! mc_yellow@nifty.com なんとなく作ったサイトも絶賛稼働中! http://foodnews.jp/

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