チノパン事件 自動車運転過失致死で逮捕か書類送検か分かれる可能性も

  by 綾瀬 新  Tags :  

年始早々に「チノパン」の愛称で知られるフリーアナウンサーの横手(旧姓・千野)志麻さんが帰省先で死亡事故を起こしたというニュースが飛び込んできた。沼津署は自動車運転過失致死の疑いで書類送検の方針を固めたと報道されているが、「なぜ逮捕されないのか」という声も上がっている。

年末年始、自動車運転過失致死の疑いで逮捕された事例がいくつかあったが、道路交通法違反(ひき逃げや酒気帯び運転)の疑いもかけられている場合が多かった。では、横手さんと同様、自動車運転過失致死の疑いのみ、死亡者数が1名の場合はどうか。昨年10月に神奈川県男性、今年1月には神奈川県女性が自動車運転過失致死の容疑がかけられたが、いずれも書類送検ではなく、逮捕されている(逮捕時の容疑は過失傷害)。

横手さんが逮捕されていない可能性として挙げられるのは、国家公安委員会の定める「犯罪捜査規範」(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32F30301000002.html)の第十二章がある。「交通法令違反事件に関する特則(準拠規定)」の第二百十九条を原文ママ抜粋する。

交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない。

既出の報道によれば、横手さんは事故後すぐに通報したようだ。交通法令違反事件を引き起こしているものの、逃亡の恐れはないと警察が判断し、逮捕に踏み切らなかったと思われる。横手さんと同様の事件は「誰が通報したか」は公にされていないが、もし自ら通報していたのなら、「不公平だ」という声が上がることは間違いない。第二百十九条の存在によって、警察官の対応次第で逮捕か書類送検かで分かれる可能性があることを意味するからだ。

画像: 犯罪捜査規範のキャプチャー
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32F30301000002.html

Writer. Monokakiya Smile.

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