“低体温”“冷え”は万病のもと? 生姜を活用した健康ライフ

  by 中将タカノリ  Tags :  

混同されやすい“低体温”と“冷え” でもどっちも怖い

”低体温”とは生活習慣の乱れ、ストレス、運動不足などが原因となり、食べ物からエネルギーや熱を作れなくなる状態を指します。目安はおおよそ35.5℃。一方、”冷え”は低体温や喫煙、冷暖房の普及などが原因となり、末端の血管が慢性的に収縮した状態を指します。混同されやすい言葉ですが、それらによって引き起こされる症状は共通、複合されるケースも多く、さまざまなものがあります。成人病とよばれる諸症状、排卵から月経までの時期に現れる身体的・精神的不快症状“PMS”や、更年期障害はその代表です。それ以外にもおおまかに”不調”でまとめらるさまざまな不調の原因が冷え、低体温だったという可能性があるのです。

成人病、PMS、更年期障害にいたる不調のしくみ

手足などが収縮すると、その部分にあるべき血液やリンパ液が身体の別の部分に流れ込み、毛細血管、リンパ管に負荷がかかり、ひいては各部の臓器や筋肉を疲労させることになります。上半身にあらわれる症状は肩こり、喉や歯ぐきのはれ、顔の発疹やほてり、口内炎、それらにともなうイライラなど神経症状など。脳が充血すると偏頭痛の一因になりますし、内耳の代謝が悪くなると平衡感覚が狂い、めまいや耳鳴りの原因となります。また下半身にあらわれる症状も深刻で、卵巣が疲労すると女性ホルモン不足から不妊、脱毛や肥満を引き起こしますし、腎臓の機能が弱くなると体内の水分調整がうまくできず、高血圧、低血圧を引き起こすことがあります。身体の健康は健全な循環機能がはたらいてこそのもの。その根本にダメージを与えてしまう冷えは、まさに万病のもとであると言えます。

でも急激な基礎体温UPはキケン?

基礎体温を上げて“低体温”“冷え”を改善しようというこころみはさまざまな形でおこなわれています。遠赤外線治療、アロマセラピー、岩盤浴、温熱治療器、ゲルマニウム……どれか一つくらいは経験した方が多いのではないでしょうか? しかしこれらは商業的に運用されている以上は“良くも悪くもほどほどの効果”しか期待できないものですし、もし劇的な効果があるとすれば副作用の心配をしなければいけません。

筆者はリラクゼーションサロンを経営する中で、実際に過剰な遠赤外線治療をうけ「普段から熱が出ているようで苦しい」と訴える人、実験的なメディカルアロマセラピー(安全とされる以上の濃度でアロマ精油を使用するマッサージ等)をうけ、肌の不調を訴える人などから数々の体験を聞いてきました。またこれらはすべて対症療法であり、根本的な原因を解決するものではありません。

そこで生姜の登場 持ち歩くのなら粉末生姜

外部からのケアもあるにこしたことはないけど、やっぱり食生活を改善して普段から熱を作りやすい身体を作ることが一番の解決策になります。でも思いつめて“冷たいもの禁止”とか“コーヒー駄目、牛乳駄目”、“ぜんぶ自炊で栄養も考えて”とやっていくと余計なストレスのもとになるし、楽しくないですよね。

肝心なのはできることからはじめること。そこで筆者がオススメするのは乾燥させた“粉末生姜”。小さなケースに携帯して、飲み食べするものに少量ずつかけるだけでOKです。同じように身体を温めてくれる野菜でもニンニクやネギは常用が難しいですが、生姜は素材の味を引き立てますし、塩辛いものにも甘いものにもマッチして、さらに口臭予防にもなります。乾燥させた生姜、いわゆる乾姜(かんきょう)は生のものに比べて胃を痛めるおそれが少なく、市販の漢方薬の大半にも体温維持、血流促進、胃腸の機能改善の成分として配合されていることから、適切に摂取すれば副作用をまねくこともない安心のアイテムなのです。

生姜チューブはダメ! 生と乾燥の違いを知ろう

生姜ブームと言われるようになって3年近くなりますが、まだまだ正しい形での普及には至っていません。その代名詞が”生姜チューブ”。これを紅茶やスープに入れて日常的に飲む女性が増えているようですが、これはあくまで科学的に加工された食品であり、塩分、酸化防止剤、増粘剤、香料、アルコールなどの添加物が配合されたものです。普通、すりおろした状態ではすぐに痛んでしまう生姜を長持ちさせようというのですから、添加物も相当な量であることが想像できますよね。

薬味にする程度ならまだしも、常用はまったくおススメできません。また先にもふれたとおり、同じ生姜でも生のものと乾燥したものでは効能が少し違ってきます。おおまかには、生は発汗させたり吐き気をおさえる成分、乾燥したものは身体を温めたり代謝を高める成分が強いと言われています。良い悪いではなく、どんな効果を期待するのかで使い分けしたほうが早道というわけです。

塗ってもOK オールマイティーな生姜利用法

生姜は口に入れるだけでなく、肌に塗ることでも効果を発揮します。筆者のサロンではしょうがブームに先駆け生生姜、乾姜を配合したオイルを使用した“ジンジャーセラピー”を実施していました。生生姜の皮膚表面を温める成分、乾姜の筋肉内部を温める成分に着目したマッサージで、低体温や冷え性でお悩みのお客様から大きな反響がありました。もともと日本では筋肉痛などの民間療法として、すりおろした生姜を湿布のように用いてきたという歴史的な裏付けがあるのです。

ジンジャーセラピーはアロマセラピーよりも安全な内容ですし、手足のマッサージは一人でもカンタンにできてしまいます。ご家庭なら使うのは余りものの生姜でOK! すりおろしたり細かく刻んだものを手のひらにとって、関節や筋肉をやさしくなでるだけです。みなさんもぜひ一度ためしてみてくださいね。

※画像は『Blessing』ホームページから引用しました。
http://www.y-blessing.com/

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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