Jazzライブはいいものだ!~古川初穂ピアノトリオinもっきりや~

  by 光明隠歌  Tags :  

Jazzなんて聴いたことないよ!という人が多いのではないかという昨今ですが、私、Jazzやフュージョン、プログレと呼ばれるジャンルの音楽が大好きでございます。もちろんCDなどを買って聴いているのですが、やはり、これら音楽の魅力はライブでしょう!

というわけで、勝手にレポートがてら魅力を紹介することにしてみました。

 

今回のアーティストは『古川初穂ピアノトリオ』(http://www.gogo-83.com/)。ピアノ:古川初穂氏に、ベース:須藤満氏、ドラム:則竹裕之氏の3人でお送りするトリオ形式です。この人達、人気のあるジャズ・フュージョンバンドに所属してたりしておりまして、その世界では有名なお三方なのですが。J-POPしか聞かないよ!という皆様向けに説明いたしますと、ベースの須藤氏とドラムの則竹氏はF1グランプリでお馴染み『TRUTH』を生み出したT-SQUAREの元メンバー。現在の活動はというと、古川氏は森山良子さん、須藤氏はゴスペラーズ、則竹氏は平原綾香さんのバックなどをつとめております。

という、実力者3人によるピアノトリオ。ファンとしては行くしかありません。

 

私が行きました会場は、金沢市にある『もっきりや』(http://www.spacelan.ne.jp/~mokkiriya/)。いわゆるジャズ喫茶でして、ライブのないときは普通に喫茶店として営業しております。BGMに古今東西様々なアルバムが置いてありまして、マスターの気分で色々かけてますが、リクエストするとそれを出してくれたりするらしいです。私、その勇気がなくて試したことありません。すみません。

 

店内はカウンターとテーブルが5つほどの小さな喫茶店。その奥に鎮座するグランドピアノを含めたステージがスタンバイされています。予めチケット予約をしておきましたので、名前を言ってチケット代とドリンクを頼みます。このへんは会場によって違いますが、もっきりやの場合ですとドリンク代が別途かかりますのでご了承ください。アルコールメニューが中心ですが、ソフトドリンクもコーヒーもありますので、お酒が飲めないかたでもご安心を。

結構早めに行ったつもりですが、すでに半分以上埋まっている状態。そして、珍しく20代前半と思われるグループがテーブル席に。このバントの客層はたいてい30代以上のおじさまorカップルが中心で、あとは須藤氏則竹氏目当ての妙齢のお姉さま方で占められるのですが、これは珍しい。多分大学のジャズ研の子たちではないかと思われますが…。

私は一人できたのですが、テーブル席のおじさまに声をかけて相席を希望。これは、この手の情報収集をするという目的もあります。意外とジャズ・フュージョン界の情報って探すの大変でしてね…。特に新人の情報とかは。目をつけたおじさまは相当痛の方であり、そのへん目利きは成功したようで、色々なお話をしたところで本日の主役であるお三方登場。

 

……個人的には、音楽の良さというものは実際聴かないとわからないと思うので、聴きに来てください!で終わりたいのですが、それではレポートにならないのですよね。

あ、店内の写真はありません。ちゃんとした取材名目で行かなかったのもあるのですが、単にカメラ忘れたからということでお願いします。

 

このバンドの特徴は、かなりの実力者ということもありまして、ビアノとドラムの激しい欧州にどっしり構えつつ自己主張するところはしっかりとするベースといえばよろしいでしょうか。古川氏作曲のオリジナル曲とジャズやロックのスタンダード曲が半々くらいの構成でした。

が、3曲目。

「このバントは毎回ご当地ソングを演奏するということになってまして…」

とMCの古川氏。演奏地にちなんだ曲をアレンジしてライブ演奏するというのが、定番となっております。

で、金沢。演奏された曲は。

 

『若い力』

 

……国民体育大会の曲といえばわかるのか、”わか~いちから~と かんげ~き~に~~♪”と歌えばわかるのか。この曲が初めて作られたのが石川国体の時であり、石川県民はこの曲が流れると小中学校時に仕込まれた『若い力体操』を未だに踊れるという、確かにご当地ソングです。

これを、ジャズにするという。

想像つきますか?

……かなりムーディな若い力が演奏され、みんなうっとりです。これを聴いたら考えが変わるに違いません。

 

休憩を挟んで後半。

トークの時に「秋を感じるものといえば?」という古川氏の質問に須藤氏の答えは「ご飯が美味しいと思ったら秋」則竹氏は「栗ご飯を作ってもらったら秋ですねえ」だそうです。

栗ご飯、美味しそうだな……。

 

『枯葉』や『ムーンリバー』などの定番曲をいかにもこのトリオ!といえる演奏で引ききったあと。

ラスト曲は、「このバントを結成した時の初ライブが(富山県)高岡市で、その時に『ご当地にちなんだ曲を演奏してくださいよ』といわれて…」という理由でピアノトリオで演奏されたその曲。

 

『ドラえもんのうた』(高岡市は藤子・F・不二雄先生の故郷です)

 

……この曲は古川初穂ピアノトリオのファーストアルバム『YO・KA・・N・・・』にも収録されておりますが、今回なんといても圧巻だったのは、則竹氏によるドラムソロ。10分以上のそのドラムソロは全く飽きることがありません。そして、ちゃんとドラえもんのうたのメロディフレーズを叩いてるんですよ。ちゃんとメロディが聞き取れるのですよ。ドラムなのに!

これはCDには収録されてない、ライブならではの音楽でございます。

 

バラードあり、激しい掛け合いありとなかなかスリリングな時間を堪能いたしました。

自由奔放に弾き踊るピアノ。

しっかりリズムをキープしつつもアグレッシブに煽り立てるドラム。

そんな二人の掛け合いを微笑みつつも押さえるところは押さえアピールするところはきっちりプレイし倒すベース。

……ううむ。やっぱり言葉じゃうまく表現できませんね。

興味を持った方は、特にお近くの方は是非足を運んでみてくださいね。もっきりやは毎日に近いくらい、夜は誰かのライブをやっていたりしております。喫茶店としてもとっても雰囲気がいいところですから、そういう意味でもお勧めいたします。

鉄道・高速バスを使った旅行と日本史西洋史のスキマな事例を調べるのがライフワーク。いわゆるオタクで「腐」と呼ばれる人種。同人系評論・研究誌を作ってたりしてます。わからない人はスルー推奨。最近なぜかダンジョのコミュニケーション相談役をやってたりしています。音楽はジャズ・フュージョン。歌物よりも器楽演奏(インスト)ものが好き。

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Twitter: koumyonakakureg