猪木、長州、前田…昭和プロレスのギラギラ感がハンパない!

アントニオ猪木は「元気ですかー!?」、高田延彦は「出てこいや!」、アニマル浜口は「気合だー!」。よくモノマネされる、変なおじさんたち…という面しか知らない若い人たちに見て驚いてほしいのが、DVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』です。若き日の猪木が、高田が、浜口父が、画面狭しと暴れまわっています。

いわゆる「分冊百科」というスタイルで刊行されている同誌ですが、23号で100万部を突破という、業界でも想定外のヒットを記録しています。

 

そもそも、今なぜ「昭和のプロレス」なのでしょう? 同誌の編集担当である集英社の貝山弘一さんは「当時の新日本プロレスが放っていた、ギラギラした殺気。それをテーマ曲つきの入場シーン、古館伊知郎アナの実況、観客を巻き込んでの場外乱闘なども含め、できる限り当時をそのまま再現しています。そのトンデモない熱気に引き込まれるのでしょう」と語っています。

新日本プロレスの黄金期と言われる80年代、試合は金曜夜8時というゴールデンタイムに放送され、視聴率も10%代後半をキープするキラーコンテンツでした。その番組内で、観客がタイガー・ジェット・シンにサーベルでどつかれたり、藤波が流血して顔面血だるまになったりと、ありえない衝撃映像が毎週お茶の間に流れていたのです。
「新日本はハプニングやアクシデントの宝庫。何が起こるかわからない、ホントの意味での『何でもあり』の緊張感に満ちていた」(貝山氏)というプロレスの魔力に憑り付かれたファン。往年のファンだったであろう読者からは「あの試合は収録しないのか?」「入場からインタビューまで、完全ノーカットで見たい!」など、思い入れたっぷりの問い合わせが舞い込んでいるそうです。時代も、リングも、ファンも熱かった!

 

『燃えプロ』のヒットを受けて、他社からも『ジャイアント馬場』(小学館)『日本プロレス激闘60年史』(ベースボール・マガジン社)などの類似企画が相次ぎ、書棚はにわかに「昭和プロレス戦争」の様相を見せています。

今のプロレス・格闘技はもちろん、プロ野球やサッカーにも物足りなさを感じている人には、ぜひむやみな熱気を体感してほしいものです。COOL JAPANを吹き飛ばす「熱すぎる昭和ニッポン」がそこにはあります。

編集・ライター業を営んでおります、「株式会社 スタジオポケット」の青木ポンチと申します。 大学卒業後、漫画系の編集プロダクション→情報誌編集部を経て2009年に独立、PN「青木ポンチ」として本格的に取材・執筆活動を始めました。メディア・出版業でのキャリアは16年になります。 より広く、深く社会に情報を発信していきたいと思い、ウェブライター活動を始めました。得意分野は社会・エンタメ全般(テレビ・芸能、格闘技、街ネタ、自然食、社会問題など)。面白く、ためになる情報を皆さんにお伝えするのが、みずからのライフワークと思っております。

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