公式な文書を書くということ

  by totallynude  Tags :  

役所や銀行に提出する書類書くのって几帳面な人にとっては何の苦もないことなんだろうが、私みたいなずぼらな奴にとっては毎回胃が痛くなるような面倒事である。

こういった文書の書式や記入方法が厳格で細かくルール付けられているのは、改ざんという不正に対抗するための仕組みであって、これまで偽造文書によって多くの人の利益が損なわれてきた歴史から生まれたのであろうから、それに異を唱えるつもりはない。

しかし、もう何十年も社会人をやっていて、大抵の文書の書き方について基本的なルールはわかっているつもりでいた私が、先日銀行とのやり取りの中で指摘されたことがちょっと意外で恥ずかしかったので記録しておこう。

 

記入に使用する字体について

オフィシャルな文書には大体の場合、注意書きとして「楷書ではっきりとお書き下さい」って指示があるが、私はこの「楷書で」って部分にはほとんど注意を払わずにこれまで支障なく生きてきた。

楷書ってのは簡単に言えば「崩さず略さず丁寧に書く」ってことでしょ、要は達筆の人が自慢気にミミズみたいなの書いて内容がわからんかったら困るから注意しとるんだくらいに思っていた。

つまり読めれば全然OKだと考えていたんだが、今回、住所に含まれる「門」という字を略して書いたらNGくらった。もう何十年もそんなの指摘されたことなかったから、「これくらいでガタガタ言うな、殺すぞ」って抗議したが、とり合ってもらえない。結局訂正印押して書きなおしたんだが、「楷書で」って意味は再認識したものの不愉快極まりない。もいっかい言われたら殺すかもしれない。

氏名なんかは戸籍に登録してある字体でないと通らないと聞くが、可読性に問題があるわけでもないのに住所の一文字が略字だからって訂正を強要されるのはやはり理不尽としか思えない。合理的な理由があるなら教えてもらいたいものだ。「そういう決まりですから」じゃなくて、その「決まり」のお陰でどんなインシデントが防げるのかを。

フリクションボール

それからもうひとつ、フリクションボールで書類書いてたら、それを見ていた担当者が「あ、そのペンだめです」って言う(笑)。言われてみれば鉛筆みたいに消せてしまうインクで書いたらいくらでも改ざんできるもんな。

しかし鉛筆と違って、いったん書いてしまったら見分けるのは困難だと思うから、私みたいに担当者の前であからさまに使わない限り咎められることもなく通用しているんじゃないのか。
(商品説明には「※証書類・宛名書きには使用できません」って書いてある)

物事を緻密に几帳面に厳格にこなす人たちがルールを構築してくれているおかげで、私みたいなずぼらで横着でいい加減な人間が安心して暮らせていることに感謝はしつつ、やっぱり「こんな面倒くさい仕組みのせいでわしの生産性がどんだけ阻害されると思とんだ、タコスケが」って思う次第。