“坂上みき 53歳初産”だからこそ必要な高齢出産への注意喚起

  by 中将タカノリ  Tags :  

しかし一方で心配されるのがこのニュースが世間一般の不妊や高齢出産に悩む人々に与える影響だ。「私にも出来る」と身体的にリスクの高い高齢出産に安易にチャレンジしてしまったり、「坂上さんが出来たのだからあなたもがんばってみたら?」という周囲からのプレッシャーが生まれることを危惧する声は大きい。坂上さん自身、ブログで

「安定期とはいえ、若い妊婦さんとは違って(苦笑)どの段階においても油断ならないのが、実情です。やっとここまで育った命です。今はただただ母子ともに、穏やかに、健やかな状態で無事、出産の時を迎えることに専念したいと、考えています。」

とコメントしている。53歳で出産できたのは“あくまで特別な例なのだ”という注意喚起が必要ではないだろうか。

医学的には35歳を過ぎると卵子の老化が著しくなり、子宮着床率が低下し、また着床しても妊娠・出産による母体や子供へのリスクが高まるとされている。妊娠中・出産時の死亡件数については、40歳を過ぎると20~24歳の妊婦の実に20倍以上にまで高まるとの報告もある。NHKが全国の産婦人科等を対象に調査したところ、不妊をうったえる30代半ば以上の患者の47%に染色体異常など「卵子の老化」が見られるとのこと。高齢出産は命の危険や人生設計の大転換と隣り合わせなのだ。

女性から見た高齢出産について坂上さんと同じ53歳で3人の子供を持ち、ラジオDJ・司会者として活躍する首藤由香さんにインタビューしてみた。

――三人の子供さんだけど、それぞれ何歳の時に出産したんですか?

首藤:24歳、27歳、30歳と3年おきに。いわゆる高齢出産は経験してないんだけど。

――年齢によって体調の変化とかは感じましたか?

首藤:はじめの2回は全然しんどくなかったの。出産も”スポーン!”と楽だったほうで(笑)でも30歳の時は妊娠中むくんだり体力面で20代と差を感じました。産後も生理痛の重いバージョンみたいな子宮の痛みがなかなか消えなくて……

――20代と30代でもそんなに変わってくるんですね。今もし坂上さんみたいに妊娠したらどうでしょう?やっていける自信はありますか?

首藤:ムリムリ!体力的に絶対やっていけないし、出産できてもその後の子供を2歳くらいまで育てる間の体力的、精神的なプレッシャーってとんでもないんだよ?産休はほとんどとってこなかったけど、個人的には若いからできたんだと思う。それに早く子育て終えることができたから今でも仕事したり好きなことができてるのかなぁとも思う。

――ライフスタイルは大きく変わりますよね。もし身近な人が高齢出産することを相談してきたらどうアドバイスしますか?

命の危険もあることだし、わたしからおススメは絶対できないなぁ……でもわたし自身子供を産んで育てる経験を経て成長した実感があったから、大変なぶん、結果的に楽しかった。女性として子供が欲しい人の気持ちはわかるから、やるならやるで本当に細心の注意をはらってほしい。

――女性から見て高齢出産に欠かせないものってなんだと思いますか?

これは高齢かどうかにかかわらずだけど、パートナーの男性の理解、いたわり、手助けがなによりも欠かせないよ。体のつくりが違うから、男性はなかなか女性の身体的、精神的な事情がわかりにくいんじゃないかと思うのね。でもその壁をこえていけるように、2人で産むつもりで接してくれたらこれほど女性にとって嬉しいことはないんじゃないかな?

同世代の女性だからこそわかる苦労や危険性があるのだろうか、ジョークを交えながらも彼女の言葉は真剣そのものだった。また仕事を持つ女性にとっての高齢出産は、若い頃以上にリスクがあろうことがよくわかった。

筆者の妻は16歳年上で44歳。出産経験は無い。産婦人科に通ったり高齢出産のリスクを調べていく中で、インドでの代理母出産を検討中である。費用は200万円~。もちろん卵子が若いにこしたことはないので急がねばならない。倫理面などから抵抗を持たれる方も多いと思うが、何が良くて何が悪いかというのは突き詰めれば本人次第。これは一例だが、それぞれに合った選択肢はいろいろとあるのではないだろうか。情報はいくらでもあるのでまずは考えて調べることだ。軽薄な報道の中で、生命や人生設計が犠牲になってしまうことがないよう願うばかりである。

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の誘いにより芸能活動をスタート。 2007年からは田中友直をサウンド・プロデューサーに迎えソロに転向。 代表曲に「だってしょうがないじゃん」(2011年)など。 近年はテレビ、新聞、ウェブメディアなどの媒体で音楽・芸能評論家としても活躍の幅を広げている。

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