11年前同時多発テロはここニューヨークで起こった

  by あおぞら  Tags :  

 

11年前の2001年9月11日、ワールド・トレード・センターにテロリストが乗っ取った飛行機で激突してツイン・タワー・ビルはあれほど簡単にと思えるほどに倒壊した。その様子はテレビで何度も繰り返された。

 

当日の午後に街は一変した。

 

昭和天皇が崩御された時、都内の様相が一変したような感じだった。

 

マンハッタンは公共機関の交通網が途絶えた。地下鉄もバスも運行せずで帰路の足に困る人たちがあふれ出た。人々は徒歩で数時間かけて帰宅する人たちもでてきた。

 

我が住まいの近くに消防署がある。マンハッタンは狭いこともあり大きな消防署ではなく、消防車がわずか一台待機しているような小さな消防署である。この前を通る時、消防署のヘルメットをちょっと斜めにかぶった人の良さそうな消防員の笑顔が、石にコピーされている写真が目に入り、いつも心が押し付けられそうになる。

 

ワールド・トレード・センターへの出動命令が出て、そのまま帰らぬ人となった。

 

その写真がコピーされた石の前には、よく花が飾られている。心美しい人が手向けているのだろう。

 

人の運命はわからないものだ。そしてビルの行く末もわからないものだ。ワールド・トレード・センターは日本と多少なりとも縁がある。設計者は日系アメリカ人のミノル・ヤマサキ氏である。日系企業も数多く入居していた。

 

命拾いをした人もいた。

 

かつての上司で日本に帰任した方が、再度ニューヨークに赴任になる予定だった。一旦ニューヨーク事務所を閉鎖して帰任して、数年後、再度のニューヨークを訪れオフィス探しから始まった。その候補にワールド・トレード・センターが上がり、まだ赴任はしておらず出張扱いでのニューヨークの短期滞在であった。

 

2001年9月11日にワールド・トレード・センターの物件を不動産屋に案内してもらう予定が、急遽キャンセルになったと言うのだ。まさに、危機一髪であった。

 

こう考えるとワールド・トレード・センター勤務の人たちの中で、当日、遅刻してしまったり、また病欠をしていた人は幸いであった。それに、その日たまたまワールド・トレード・センターを訪れた人は不幸であった。

 

人の運命や、心は通っていないと思われる建物や物質に関しても、起承転結は誰にも予想はつかないものなのだ。

 

人はいかなることも教訓に出来る。悲しみを乗り越える強さ、時間が癒す心の傷、平安の大切さ…..

 

ニューヨークはいきなり気温が落ちた。肌寒い朝である。11年前の出来事を思い出し、人の運命について神妙に考えている。

 

画像: from flickr YAHOO!

http://www.flickr.com/photos/frizztext/2692388431/

 

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