【競馬】馬名の話あれこれ

  by nikolaschka  Tags :  


いよいよ今週末から秋競馬が始まりますね! 胸を躍らせている競馬ファンも多いことでしょう。
ところで競馬に興味がない方でも競走馬の馬名のいくつかは耳にしたことがあるのではないでしょうか。シンボリルドルフ、エルコンドルパサー、ディープインパクトなどなど……。現役馬、引退馬などごちゃまぜに、そんな馬名にまつわるお話をいくつか。競馬好きには今更の話ばかりですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

アニメ・マンガに由来した馬名

現役競走馬にシャアという馬がいます。このシャアの妹(半妹)がセイラというのですから、ガンダムファンには胸アツですね。馬主さんは同じ方なので狙ってつけたのでしょう。全妹ではないことが惜しまれますが、ゲート試験に合格した当時のニュース記事で調教助手さんがシャアに「そっくり」とおっしゃっていたというのを見かけました。

テイエムプリキュアの“テイエム”は冠名、“プリキュア”はもちろんあの『プリキュア』です。馬主さんの娘さんが名付け親とのこと。近年ではその後の牝馬クラシック路線を占う意味で重要視されている『阪神ジュベナイルフィリーズ』の勝ち馬で、その後は浮き沈みが激しい成績でしたが、現在は引退して繁殖牝馬となり、今年父にディープスカイを持つ初仔を出産しました。

またジャスタウェイという名前、『銀魂』ファンならばピンときたことでしょう。何とも説明のしようがないあのアイテム(?)“ジャスタウェイ”の名前を持つ競走馬が存在します。「Just a way」をたまたま縮めて呼んだだけじゃないの? と思うかもしれませんが、馬主が大和屋暁さんだと知ればこの馬名がまぎれもなく“あの”ジャスタウェイから由来していることがお分かりになるのではないでしょうか。大和屋暁さんは、多くのアニメ作品を手掛けた脚本家。もちろん、その作品のなかに『銀魂』もあります。アニメ『銀魂』の競馬描写が非常にリアルに描かれているのも、大和屋さんが大の競馬好きだからだとか。

馬名には馬主の趣味があらわれている?

ディープインパクト、クロフネ、トゥザヴィクトリー、ブラックホークなど、数多くの名馬を所有している金子真人さんは、キングカメハメハ(ハワイ諸島を統一しハワイ王国初代国王となったカメハメハ1世から)やカネヒキリ(ハワイ語で“雷の精”の意)、アパパネ(ハワイに生息するアカハワイミツスイの英語名)などハワイにまつわる名前を多くつけていることで有名です。金子さんはハワイ好きなのかもしれません。

また、エルコンドルパサーの馬主として有名な渡邊隆さんは学生時代にサッカー部にいたことから、オフサイドトラップアーセナルゴールなどいかにもな名前や、プロサッカー選手で元日本代表の播戸竜二選手からとったハンソデバンドという馬名をつけています。

サッカーといえばアルゼンチンの元サッカー選手マラドーナの愛称から名づけられたペルーサという競走馬もいますが、ペルーサの馬主である山本英俊さんといえばウマザイルのほうが印象にあるかもしれません。もちろんEXILEに由来しており、EXILEと親交のある山本さんはほかにもEXILEのメンバーがかつて所属していたベビーネイルから名づけた馬も所有しています。

やっぱり縁起のいい名前にしたい!

勝負をするからにはゲンをかつぎたいのが人情というもの。私が“縁起の良い名前”としてまっさきに思いつくのはマチカネフクキタルです。“マチカネ”は冠名ですが、“フクキタル”とのバランスが絶妙です。全兄が将来を期待された仔馬だったにも関わらず、放牧中に頚椎を痛め、治療の甲斐なく処置されてしまったという背景があるだけに、兄のぶんも幸せを運んでくれそうな名前にしたのでしょうか。その期待に応えるように、強力なライバルたちに囲まれながら神戸新聞杯、京都新聞杯で勝利を収め、ついには菊花賞を見事に制したのですからたいしたものです。ちなみにこの名前は公募で、ほかにマチカネワラウカドもいて二頭そろうと「笑う門には福来たる」になるとか。

またウイニングチケットも勝負に強そうな良い名前です。皐月賞では1番人気に推されながら4着という結果に終わりましたが、ダービー(東京優駿)で再び1番人気に推され、見事勝利したのですから名前負けしていません。

白いのにクロフネ、その理由は競馬の歴史に由来

ジャパンカップダートを制したクロフネ。競馬を全く知らなかった頃、この馬の名前を聞いて、青毛(全身黒色)か青鹿毛(ほとんど黒色)の、それこそ『北斗の拳』でラオウが乗っていた黒王号のような馬を想像していたのですが、なんと芦毛(灰色。年を重ねるにつれ白くなる)ではないですか。何となくだまされたような気持ちになったのですが、その由来を聞いて納得。
2001年から日本ダービー(東京優駿)に外国産馬の出走が可能になったことから、江戸時代鎖国していた日本を開国させたペリーの“黒船”の名前をつけたのだとか。
武蔵野ステークスに続きジャパンカップダートをレコードタイムで制して、その名のとおり日本の競馬界を震え上がらせたクロフネは、現在人気の種牡馬。その産駒も活躍しています。

へんてこりんな名前といえば、この馬主さん!

最近ではカアチャンコワイオトコノキズナなどの馬主である國分純さんなども気になりますが、元祖“珍名(名づけ)馬主”といえばオレハマッテルゼエガオヲミセテドモナラズなどで知られる小田切有一さん、マチカネの冠名の細川益男さん、シゲルの冠名で多くの馬を出走させている森中蕃さんでしょう。

森中蕃さんは年ごとにテーマを決めて馬名をつけるそうですが、2008年はなんと“役職”シリーズ。シゲルカカリチョウシゲルキョクチョウなど面白い名前の馬が続々登場しました。人間の思惑(?)とは裏腹に、シャチョウのほうがカカリチョウより良い成績だった、なんてことはなかったようですが……。

競馬というとギャンブルのイメージが強かったり、素人には分からないような用語が飛び交う近寄りがたいスポーツという印象を持たれているかもしれません。しかし、ただ馬名を追っているだけでも結構楽しめます。由来にまで興味を持つとさらに面白さが広がりますよ。
ちなみに私は名前のカッコヨサならレッドスパーダ(赤い剣)がイチオシです。

画像:flickr from Yahoo! 「The 46th Kokura Kinen(Kokura Racecourse)」By kanegen
http://www.flickr.com/photos/kanegen/4856893846/

本職は占い師です。甘いものと銅像を求めて主に都内をフラフラしています。ミステリ小説や漫画やアニメやゲームや特撮が好きです。競馬が好きです。犬派か猫派か聞かれたらどっちも派です。

Twitter: nikolaschka0815