犬に職場を追われた財政難のルイジアナ刑務所の刑務官たち

  by あおぞら  Tags :  

今のアメリカを象徴するニュースをCNNで見た。ルイジアナ州のアンゴラ刑務所では財政難のため刑務官をリストラし、その後釜がなんと犬の起用であった。犬と言ってもただの犬でなく狼と交配したウルフドッグが夜勤勤務をすることになった。

 

刑務官は職を追われ、犬がその任務に就くという知らせを聞いたとき、リストラ刑務官たちの心中はどうだったのであろうか。それを思うと複雑な気持ちになる。第三者がそう思うのだから当の本人達は言葉にならないスピーチレスだったかも知れない。

 

このニュースがCNNで何度も繰り返されていたのは、原寸大のアメリカがあり、またアメリカの現在の不健全さを提唱しているようだった。

 

今も残酷なほどにリストラは続く。大手企業の大量解雇などはもう当たり前で、公務員もバサッ!ニューヨークでは敏腕市長のブルームバーグが槍玉に上がっていたのは、学校の先生すらもリストラしていたからである。こんな現状ではルイジアナ州のアンゴラ刑務所の刑務官がリストラされるのも仕方ないことなのだ。

 

そして後任はウルフドッグで人間ではない。福利厚生もいらないし、有給休暇消化の申請を受け取りスケジュール調整などする必要も無い、制服は支給しないし、不正に目を光らせる余計な緊張はいらない。そして何より給与を支給しなくてよい最大の利点がある。

 

人間はつくづく残酷なものだ。人間の職を奪い、動物にその任務を託し、しかもその犬は狼と犬を交配させてより強さを増したものだ。本当にすべて人間の都合だ。

 

120ポンド(約54キロ)もあるこの看守犬の夜の見回りをかいくぐって脱走する受刑者はいないだろうが、犬が刑務官の後釜につき、犬が人間の受刑者を看守するとは、驚くニュースだが、ただ驚きだけでなく、そこにはいろんな問題が含まれていると思う。

 

画像: from flickr YAHOO!

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