英会話はスポーツのようなもの!? 必要だったのは耳トレ・口(くち)トレ・短文暗唱!

  by Akiko  Tags :  

英会話はコンプレックス、そう思う方はもしかしたら意外に多いかも知れません。映画や動画を英語の音声で見てみても「意味が分かるほどには聞き取れない」、外国の人と話してみても「言っていることが分からない、言葉が全然出てこない、発音が通じない」、このような状況はとても一般的だと思います。

私は、この状況には次のような理由があると考えています。それらは、以下の4点です。

1. そもそも日本人の耳の感覚は、英語の音が聞こえるようになっていない
2. そもそも日本人の口周りの筋肉は、英語らしいスピードで英語を発音できるようになっていない
3. そもそも聞いたこと・喋ったことのある英語表現のレパートリーが少ない
4. 継続的なトレーニングと反復練習がそれほど必要だと思っていない

これらのポイントは学校の勉強ではあまり注目されてこなかったことだと思うので、一般に考えられている英会話習得のイメージを覆すべく、以下に解説とともに改善のために必要だと思うことを提案していきたいと思います。

1. そもそも日本人の耳の感覚は、英語の音が聞こえるようになっていない

私たちは、本来多彩な音が聞こえているはずですが、生きていく中で、普段よく使う音に耳の感覚が最適化されているのだと思います。それで、日本語に最適化された耳には、英語の音の中で聞こえない音がたくさんあるように思うのです。だからたとえ知識があったとしても、英語の音を聞き取れないという状況になるのでしょう。

よってまずは、英語耳(英語の音が聞こえる耳)に自分の耳を改造する必要があると思います。そのためには、英語の音を聞くトレーニング(耳トレ)が必要だと思います。感覚器の改造はきっと、意識して気をつけてもすぐには効果が出ないのです。解決策は、例えば寒さに身体が慣れるような、人間の適応能力を利用することだと思います。つまり浴びるように多くの英語を自分の耳に聞かせてやることで、自然に、勝手に、耳の感覚が適応して、英語が聞こえるようになるのを待つとよいと思います。

2. そもそも日本人の口周りの筋肉は、英語らしいスピードで英語を発音できるようになっていない

耳の話と同様に、日本語の口の動かし方は、英語の口の動かし方とは違います。普段使っていない口周りの筋肉が急に動くことはありません。だからたとえ頭で話したい内容が思い浮かんでいたとしても、口が動かない・発音が通じないという状況になるのでしょう。

よってまずは、英語口(英語らしいスピードで英語を発音できる口)に自分の口周りの筋肉を改造する必要があると思います。そのためには、英語を話すトレーニング(口トレ)が必要だと思います。シャドーイングという語学の勉強方法をご存知でしょうか。習得したい言語の音声を聞きながら、その1単語遅れくらいで後について喋る方法のことです。浴びるように多くの英語をシャドーイングして、英語を話すときの口の動きを自分の口周りの筋肉に覚えこませてやるとよいと思います。

3. そもそも、聞いたこと・喋ったことのある英語表現のレパートリーが少ない

日本では、日常の中で英語を使う機会がほとんどありません。簡単なフレーズでも、実際に英語の音声で聞いたことのある人、自分で発声したことのある人は意外に少ないと思います。だからたとえ英作文は出来たとしても、会話のスピードで思い浮かんで発声することができないという状況になるのでしょう。

よってまずは、自分が記憶して暗唱できる英語表現のレパートリーを、日常会話が可能なくらい蓄積してやる必要があると思います。そのためには、短文暗唱が効くと思います。つまり丸暗記し発声することに慣れた英語表現を蓄積するとよいと思います。きっと私たちは、日本語でさえ、どこかで聞いたこと・喋ったことのある表現を使って会話をしているのだと思いますが、それを同じことを英語でもやるとよいと思うからです。

4. 継続的なトレーニングと反復練習がそれほど必要だと思っていない

上記の1~3に挙げたような、耳トレ・口トレ・短文暗唱の効果を実感するには、継続的にまとまった時間取り組む必要があると思います。耳も口も記憶も、慣れがもっとも効くものであり、また時間が経つと鈍ってまた少し前の自分からやり直しになってしまうからです。ところが、その継続がないがしろにされていたり、必要な勉強時間より1、2桁くらい少ない時間しかイメージされていなかったりしていると思います。だからたとえ英語の知識があったとしても、英会話は上達しないという状況になるのでしょう。

よって、私は英会話というものを、スポーツのようなものだと思ってみたらよいと思います。例えば、仮にテニスで強くなるために必要な取り組みと、英会話上達のために必要な取り組みを以下に続けて書いてみます。

”毎日のように走りこみ・筋トレをしてテニスに必要な体力・筋力を養い、素振りやサーブの練習を飽きてもまだやるくらい反復して、無意識に身体が動くようになるまで練習”
”毎日のように耳トレ・口トレをして英会話に必要な英語耳・英語口を養い、発音や短文暗唱の練習を飽きてもまだやるくらい反復して、無意識に身体が動くようになるまで練習”

下の文章だけを見ると、「どんだけー」とのけぞるほどに大変な印象になってしまいますが、上の文章と比較するとこれだけの取り組みが確かに必要だということがイメージしやすいのではないでしょうか。そして逆に、これだけのことに取り組めば、誰でも必ず上達するということもきっとイメージしやすいと思います。テニスでいえば、初心者から始めても真面目に練習に参加していれば、レベルの差はあっても、数ヶ月後には一人残らず球が打てるようになるからです。

英語に限らず、語学はきっと、どんなに猛勉強をしたとしても数日程度の短期間で上達することは難しい、けれど継続的なトレーニングと反復練習をしさえすれば誰にでも必ず出来るようになるものではないかと思います。

最後に、この記事で英会話習得に興味を持たれた方は、個々人で勉強法を検索してみられることをオススメします。多くの方々が様々な方法で英会話習得に取り組んでおられますし、この記事も筆者の経験に基いたケーススタディの一つだからです。この記事をきっかけにして「英会話習得のイメージが変わった」という方がおられたり、英会話を習得したいと思われている方の一助になったりしたら嬉しいです。

画像の出典
IMG_8597.jpg / chomster.fr ※表示 2.1 日本 (CC 2.1)

Visiting researcherとしてフィンランドに滞在していました。フィンランドの自然、文化など私が感動したことや発見したことの紹介や、科学っぽいトピックスなどを記事にしていきたいと思います。お付き合いいただけましたら幸いです。

ウェブサイト: http://ameblo.jp/1nen-attoiuma/entry-10573624048.html#main (←ブログの中でも特に反響のあったもの。パリの空港で置き引きに遭った体験。このページが振り返り1ページ目で、13ページ目まで続きます。)