もはや言いがかりレベル!BPOに寄せられる衝撃クレーム!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

僕も最近はテレビメディアに出演させていただく機会が増え、番組で放送に耐えうる内容かどうかの話題のチョイスを迫られます。

番組側は、非常に放送内容に関して配慮していて、打ち合わせ中でも「丸野さん、その飛田新地に〇〇〇〇が座っているという話題はまずいですね」とか「障碍者が違法な〇〇栽培をしている話は放送できません」とか「AV女優が〇〇れた現場の話はマズいです」など、収録前に打ち合わせの時点でストップがかかってしまうことが多いんですよね。

それもそのはず……放送局は、BPO(放送倫理委員会)からクレームが入ってしまうと、放送自体が終了してしまうというペナルティーがあるんです。
BPOは、2003年にNHKと日本民間放送連盟(民放連)などで組織された、放送人権委員会、青少年委員会、放送倫理検証委員会の3つの委員会によって構成された任意団体。

テレビ関係者にとっては、BPOからの改善命令は、最高裁判決と同一の効力を持つらしく、この委員会で「ダメ!」と言われたら、絶対にアウト

放送してもいいのかどうかの委員会にかけられる直前には、サイトに視聴者からの意見が掲載されるそうで、それが載るたびに収録現場や生放送のスタジオは、かなり萎縮してしまうのです

アナウンサーの顔つきが気に入らない

よく聞くのは、朝の情報番組『ZIP!』で、速水もこみちさんが料理を作るコーナー“MOCO’Sキッチン”のクレーム話

このコーナーのウリは、オシャレな料理に、速水もこみちさんが大量のオリーブオイルを贅沢に垂らすシーン。ここにBPOからの物言いが入った。

■視聴者の健康や家計などに配慮するべき

・朝の情報番組に、人気俳優の出ている料理コーナーがある。そこで使われているオリーブオイルの量は、料理一品に対して多すぎるのではないか
・オリーブオイルは体に良いものであっても、使い過ぎるとどうなのか
・そもそも、オリーブオイルが安価で簡単に手に入るものなのか疑問だ。視聴者の健康や家計などに配慮するべきではないか

などなどの意見が入りました。

中には考えられない、もはや言いがかりのようなクレームすら入る。

例えば、ドラマの結末がつまらないアナウンサーの顔つきが気に入らない女性アナの微笑みが足りない衣装にセンスが感じられないなど、テレビ局には日常的に些細なクレームが入るんです。

このような視聴者のワガママともいえる内容のクレームまでが、BPOに届くようになり、最近では利用のされ方が明らかにおかしくなっているそうです。

BPOに入るクレームあれこれ

ここで、直近のBPOに視聴者から寄せられた意見を抜粋して紹介してみよう。
※意見内容は2017年4月~2018年4月までのものです

■考えすぎ編

【バラエティー】
県民性を扱う番組は、見ていて不愉快になる。東京都だけ貶さず、他の道府県を見下しているように見える。これは、東京一極集中、地方の衰退、地方出身者に対するいじめや差別を助長する原因の一つになりやすい。

【CM】
ピザのCMで、飲食店の前でタクシーに乗り込む若い男女、見送る男たちは「お持ち帰りいいなあ」と言って、羨ましそうな顔をしている。この「お持ち帰り」は、飲み会などの帰りに、気に入ったに女性を誘って家やホテルに連れ込む隠語ではないか。CMで放送するのは疑問を感じる。

【ラジオ】
プレゼントでの選考に異議あり。「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?会いたい理由やエピソードを番組中紹介させて頂いた方から抽選で往復航空券を差し上げます」。しかしプレゼントが当選した人は「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?」にコメントした人でなく、「ハワイ島に行きたい」とコメントした人だった。無関係のコメントをした人に当選させるのは、懸賞に関する定義にも違反しているとしか思えない。スポンサーが9月から路線を開設するにあたり、番宣のために「ハワイ島に行きたい」という人を当選させたとしか思えない。そのような趣旨であれば、「ハワイ島就航を祝し、ハワイ島への想いをお聞かせ下さい。その中からプレゼントいたします」ではないか。

【ラジオ】
朝の番組は、スペシャルウィーク期間につき、サイコロを振り、出目と同じ数のお金をリスナーにプレゼントする企画を放送していた。「1」で1万円、「6」で6万円というわけだ。しかし今朝、サイコロを振ると「1」が出た。すると司会者は「申し訳ない」と言って振り直し、「6」を出して6万円にかえてしまった。これはおかしい。1ヵ月前にも同じようなことがあったので、局に抗議をした。私の思いは伝わったと思っていただけに納得がいかない。

【番組全般】
最近、番組内容が低俗、下品で堪えられない。今日、たまたま見た番組のテーマが「ラブホテルの歴史」だった。昼間の生放送なのに呆れ果てている。緊張感がなさすぎる。現代日本は高齢者が増え続け、認知症になる人たちも多い。生産年齢は減り続け、10年先は受信料を払える人が激減するだろう。地球温暖化、北朝鮮問題、働ける人口激減問題や介護不足など、様々な問題を目前に、何のためにもならない低俗な番組を流すのは、制作側に問題がある。一体何を趣旨に番組を作っているのか。腹立たしい。

【スポーツ番組】
高校野球のニュースを取り上げる際、東京のある高校の一選手をスター扱いして流し続けることは不愉快だ。青春を賭けた高校生をもっと平等に扱うべきだ。偏った放送はやめてほしい。

【バラエティー】
バラエティー番組で、お笑い芸人をだますドッキリ企画について、子どもと見ていたが、どう考えてもいじめだと思う。子どもがまねする可能性が高い。人の不幸を笑いものにするのは許せない。

【バラエティー】
バラエティー番組で、バレーボールを取りそこなった人の顔に透明テープを巻きつけていた。鼻はつぶれ、口は半分程度しか開いていなかった。命の危険がある行為であり、いじめの助長になりかねない。

【バラエティー】
池の水を抜いて、外来生物の実態を調査するバラエティー番組で、外来種といって駆除される(殺される)のは腑に落ちない。生き物は悪くないので、ちゃんと命として扱うことこそ子どもも見る時間帯の番組として適切だと思う。外来種なら何でも殺してもいいということを子どもには教えないでほしい。

■あの人のこと編

【バラエティー】
素っ裸にお盆一枚で局部を隠す裸芸をしているが、公共の電波を使って裸芸は問題がないのか。子どもの教育にも悪影響があると考えるので今後、テレビに出演させないでほしい。

【バラエティー】
生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が股間を隠す芸に失敗した。放送時間は、青少年の視聴も想定される時間であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対する規制を望む。

■自分の都合を押し付け編

【スポーツ番組】
アジアプロ野球の日本×台湾戦は、予定では中継が21時に終わり、その後映画を放送するはずだったのに、少しずつ延長し、最終的に映画の開始が23時になってしまった。映画の特別企画のプレゼント応募パスワードを集めていたが、明日の仕事の関係で最後まで見ることができず、パスワードが分からない。このためだけに今週の仕事を乗り越えてきた。2時間の延長はやり過ぎだと思う。

■テレビに対して寛容な意見編

【CM】
清涼飲料水のCMで、トランペットを演奏している後ろから友人がぶつかってくる描写が、危険だからと放送が打ち切りになったというニュースを見た。最近はインターネット上で問題視されたからと、たやすく打ち切りや内容変更になる事例がよく見受けられる。番組やCM制作には莫大な費用がかかる。クレームを恐れ、打ち切りや内容変更を考えるのは、昨今の番組がつまらなくなっている理由にもつながっている。負けずと毅然とした態度で制作をお願いしたい。

【バラエティー】
テレビをつまらなくしないでほしい。「裸芸」を見て真似る子がどれだけいるだろうか。たぶん、ほとんどいないと思う。テレビの影響は悪いものばかりでなく、良いこと悪いことを判断する力を養う役目もあるはずだ。テレビを見ながら会話して、何をやってはいけないかを教えるのが親の役目だ。

【バラエティー】
ドッキリ番組について、「人の不幸を笑いものにするのは許せない」「どう考えてもいじめと思う」「子どもがまねをする」などの批判が寄せられているが、私はそうは思わない。このような番組は、単純にストレス解消のために見ている人がほとんどであり、直ちにいじめや非行の原因になるとは考えにくい。なんでもかんでもいじめ、非行の元凶と決めつける短絡的な考え方こそ問題である。

■それは正論編

【バラエティー】
科学を扱ったバラエティー番組で、丸刈り頭の芸人の頭に特殊なジェルを塗り、火をつけ、オムレツを焼いていたが、危険すぎる。子どもが真似したら大事故につながる。また、いじめの道具にしたらどうするのか。「マネしないでください」と文字を入れていたが、文字を入れれば何をしてもよいというわけではない。

と、よくわからないものから、至極まっとうな意見まで様々です。

しかし、一方的にこのBPOのせいで番組が面白くなくなるというわけではなく、テレビ内容などの質を高めるためにどんどんと介入してもらいたいとは思います。

第三者機関として、「間違っていることは間違っている」「正しいことは正しい」と、BPOがいる意味をさらに意義のあるものにしてもらいたいものです。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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