自殺現場に6回も遭遇してしまった裏社会ライターの告白

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト兼裏社会ライターの丸野裕行でっす!

ライター歴がもうそろそろ18年目に突入しようとしている私なんですが、危ない現場になぜか遭遇してしまうという特技があるんですよね。
なんといいますか、そういうことを引き寄せてしまうといいますか……。

ちょっと説明は難しいんですが、私、実は人が死んでしまう、自らの命を絶ってしまう現場に6回も遭遇しているんです。

今回は、私が遭遇してしまった自殺の現場の話をお話したいと思います!

バイト先裏の団地が自殺の名所

初めて自殺現場に遭遇したのは、クエンティン・タランティーノに憧れて、彼が昔バイト先に選んだレンタルビデオ屋で働いていたときです。

治安のあまりよろしくない京都の某区内で毎日映画に囲まれ、脚本家を目指しながら幸せな日々を送っていましたが、それは忘れもしない店が暇な水曜日の午後12時32分。
急に店の裏の方から「ドサッ!!!!!」という地響きにも似た大きな音が聞こえてきました。

僕が同僚に店を任せ、裏手にあるヤクザ覚せい剤中毒者低所得者層が多いと言われる団地に向かうと、地面に突っ伏したご遺体が……。図体がでかく見覚えのある風体。近づいてみてみると、カチ割れたザクロのような頭部。

何を話しているかわからないシンナー中毒者で、店にやってきては、なぜか同じチャールズ・ブロンソンのビデオを借りていたお客さんでした。

そこからは堰(せき)を切ったように自殺現場に遭遇し続けてしまいます。

一人暮らししたマンションでホステス女が飛び降り

2度目の遭遇は、バイトを辞め、小説を書きながら大阪でバーテンダーをやっていたとき。

繁華街近くの1LDKのマンションにひとり暮らしをすることになったんですが、かなりホームレスが多くて、そこも治安が良くない地域でしたね。

そのマンション、ホステスやキャバクラ嬢、風俗嬢の寮にも使われていたようで、毎日、夜の営みの音や男と揉めている怒鳴り声、奇声がかなり聞こえてきて、正直「ヤバいところに引っ越してきたなぁ~」って思ってたんですよ。

深夜、家に帰って缶ビール飲みながら酒のアテをつくっていると、自分が住んでいる2階のベランダの手すりに「ゴォビィィン!!!」という衝撃音が!

異変に気づいて、外に出たときには、手すりと柵がひん曲がって、階下にはバッグを肩にかけた女性の遺体が……。

周辺にいたホームレスが遺体に近づいているなぁ……救助するのかなぁと思いきや、金目のものがないか探しているようで、恐ろしかったです。

目の前数十センチに落下される恐怖

飛び降り自殺で恐ろしいのは、落下したところに人がいることです。ニュースでよく巻き添えを食って亡くなっている方がおられますが、僕も危うく命を落とすところでした。

それは、朝から原稿を書いていて、気分転換に昼食に出かけたときです。さぁて、今日はどんなランチにしようかな、中華か、蕎麦か、お好み焼きランチか……そう考えあぐねていると、目の前に何かが「ドサッ!!!!」と落ちてきました。

目の前で、血しぶきが上がり、自慢のホワイトのローファーに真っ赤な鮮血がドバっと飛んできます。うわぁ~、ヤッバ! ヤバかった~!

そうです僕の目の前には、中年男性が横たわっていました。その距離、わずか30センチほど。
僕は、腰砕けでその場にへたり込みました。

すぐさま周辺に漂う死臭。新鮮な死体は、自殺して時間の経過した腐敗臭とは違う独特の「あっ、今亡くなったな」という臭いが立ち昇るんですよね。人がただの肉塊になったというか、その一瞬は、実に奇妙な気持ちに包まれるんです。

印象に残る自殺者

次は、自分の妻、子供と家族で住んだ一軒家で……。

初夏の13時。日差しが強く立ち止まっていても汗ばむ陽気の中、回覧板を同じ町内の高齢の男性宅へ持っていったときのこと。
インターフォンを押して、外で待っていると、どうも不穏な空気を感じる。いつも鍵が開いたままの彼の家。ドアノブを回すと、中からは、カチカチという規則的な音が聞こえます。不法侵入とはわかっていても、彼の身の心配が先に立ち、中へと踏み込みました。

すると、暗闇の中に、テレビの明かり。その光の中に映し出されていたのは、一升瓶とコップ扇風機にしなだれかかかる人のシルエット。嫌な予感がしたのですが、一気に部屋へ踏み込み、カーテンを全開にしました。

男性は、大量の睡眠薬と酒を飲み、眠りこけたところで絶命。そのまま体勢を崩し、扇風機に抱きつくような状態だったのです。あのカチカチは、扇風機の首振りが彼の体にぶつかって機能せずに音を鳴らし続けていたのでした。昨日の昼頃から強い風に吹かれ続けた彼は、ミイラのように水分が抜け、真っ黒になっていました。ビジュアル的に壮絶な遺体でしたね。

その後、違法改造されたエアガンの取材で、山林に威力試しの写真撮影に行くと首吊り死体がぶら下がっていたりと、「ちょっと俺、大丈夫か?」というくらい遺体に出くわします。

極めつけは、取材対象者の飛び降り

一番強烈だったのは、取材の約束をしていた“主婦売春”の元締めの女性です。

幼少期に様々なことがあり、トラウマを抱えていた彼女はちょっと精神的に不安定で、電話で話していても笑ったり、泣いたりとその日によって性格が違うんですよね。

で、「今日って取材だったよね。わかった、じゃあ、事務所に来てくれたら話するから」と電話で話し、僕は事務所へ向かいました。

テナントビルの近くで何気なく事務所が入居している5階を見上げると、全開になった窓辺に、両手を大きく広げた彼女の姿

「ひょっとして……」と思ったその瞬間、彼女は前のめりになって、そのまま窓から落下。目の前で、頭部を「ドンッ!」とコンクリートに打ちつけました。

おそらく最後に電話で話したのは僕だったのでしょうか。警察からのどんなことを話したのかの聴取を受け、無事解放されました。

なぜ、こんなに自殺騒ぎに巻き込まれるのか、その理由はわかりません。目の前でこんなことばかりが起こってしまう僕は、やはり因果な星の元に生まれてしまったのでしょうか。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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