2018年、マーケティングはどう変わるか?

  by 早瀧正治  Tags :  

ここ数年、デジタルマーケティングの世界には大きな変化がありませんでした。確かに、モバイルファースト、Googleのアルゴリズムの微調整、マテリアルデザイン、ソーシャルメディアの小さな変化などがありました。しかし「ゲームチェンジャー」と呼べるような変化はありませんでした。

2018年は激動の年となります。この記事では、マーケティングを大きく変える4つの要素と、それらによってマーケティングがどう変わるかご紹介します。

1.プライバシー

インターネットには、なぜ無料のコンテンツがたくさんあるのでしょう?その答えは、広告です。企業は、Coookieという技術を使って、閲覧履歴データを利用して消費者をターゲットできます。しかし、ユーザーは、スマートフォン、タブレット、パソコンなど、複数のデバイスを利用しているため、消費者のタッチポイントをすべて把握することは困難です。一流のマーケターでも、どのチャネルがもっとも効果的で、何がもっとも効果的なマーケティング施策かを特定するのは困難です。

しかし、困難ではありますが、不可能ではありません。マーケティングツールは、ユーザーのデータを追跡し、ターゲット個人につながれます。

しかし、広告ブロッカーなど、ターゲットの特定を不可能になするテクノロジーもあります。2018年1月に発表されたPaigeFairの報告によると、インターネットユーザーの11%が広告ブロッカーを採用しているそうです。これは、前年より30%増加しています。消費者は、自分たちのプライバシーとセキュリティを守り、広告によりコンテンツを消費が中断されるのを避けようとしています。それを防ぐために、広告ブロッカーをブロックしているウェブサイトもあります。これらのサイトは、広告ブロッカーを手動で無効にするようユーザーに求めますが、PaigeFairレポートによるとユーザーの74%がページを離脱しているそうです。

2. 生放送

2018年は、インターネット上には画像や動画はすでに多くあります。しかし、今はまだテキストベースの情報が大半です。2018年は、テキストベースのコンテンツより、動画や画像が多くなるかもしれません。なぜなら、画像や動画コンテンツのほうがユーザーにたいしてより効果的であることがすでに証明されているからです。

とくに生放送が効果的です。2016年、Bufferの調査によると、80%以上のマーケティング担当者が、より多くの動画コンテンツを制作したいと回答していました。当時、42%が生放送に強い関心を示していました。同年、Facebookはライブビデオの視聴時間が従来のビデオの3倍になったと記録しています。また、コメントの数も10倍でした。

生放送は、録画された動画より人気なだけでなく、生放送は他のすべてのメディアよりも人気です。Livestreamによると、82%が同じ会社のソーシャルメディアの記事を読むよりも生放送を好み、80%がブログの記事を読むよりも生放送を好みます。

3. 人工知能(AI)

人工知能はすでに私たちの生活に密着しており、マーケティングの分野で急速に成長しています。世界各地のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー:最高マーケティング責任者)の58%が、今後5年以内に人工知能の分野で成功する必要があると考えています。

人工知能を活用したマーケティングをすれば、データサイエンスを活用したマーケティングが可能です。マーケティング担当者は莫大なデータをふるい分けて、投資収益率を上げると同時に、ターゲット顧客に価値を提供するのに役立つインサイトを得られます。さらに、人工知能がバックグラウンドで実行するタスクの多くを自動化することにより、コストを削減し、またマーケティングの意思決定を加速できます。

また、人工知能を搭載したRPAパソコンなどの画面上のアプリケーション、システム画面を識別し、人間と同じように操作を行える自動化ソフトウェア)は、人工知能が搭載されていないソフトウェアやサービスを人工知能が操作することにより、人工知能を活用する場面を爆発的に増やします。

参考記事:How Marketing and Advertising Are Bound to Change In 2018

リモートワークで海外企業と働きながら、ヨーロッパの田舎町でスローライフを送っています。

Twitter: @mhayataki