仮想通貨が報酬のクラウドソーシングサービス「Chip」がリリース

東京は墨田区を拠点として、インターネットサービスの開発を行っているHB株式会社(HB CO.,LTD.)から、話題の仮想通貨(暗号通貨)を使った新たなサービスが発表された。

2017年9月20日にAndroid向けアプリケーションとして配信開始された、ビットコインやモナコインで報酬を受け取ることが可能なクラウドソーシングサービス、それが【Chip】だ。

仮想通貨(暗号通貨)の躍進

 2017年5月のGWを境に、ビットコインをはじめとした仮想通貨(暗号通貨)がより身近な存在になっていることにお気づきの方もいるだろう。ビックカメラの決済導入や、法整備が整ったことで交換業としての認可が下りなければ取引所を開設できなくなった事など、わずか数か月で怒涛のようなニュースが世間を騒がせている。

 そんな仮想通貨をより身近に使えるツールとして、人と人とをチップでつなぐスマートフォンのアプリとして昇華させたのが【Chip】なのだ。

知恵と技術の供給

 クラウドソーシングサービスと言えば、すでに多くのサービスがWebを媒体として営業を行っているが、Chipの特異性はモバイルサービスに特化しているところにある。

 たとえば、あなたが今すぐに「専門的な知識を有償ででも得たい!」と思ったとしよう。

 しかも内容はそうした特殊な知識のごく一部で、専門的ではあるけれども本格的に勉強しなければならない程のことでもない知識だ。

 Q&Aサービスを通じて聞いてみたけれど、専門的すぎて回答を得られるまでにかなりの時間を必要としそうだったので、ネットを通じて教えてもらえる講師陣を備えた高価な教材を必要とするレッスンを見つけて受講するのは構わない。

 しかし、それ以外の選択肢としてChipを活用するのはどうだろうか。

驚くほど簡単に使えるChip

 使い方は極めて簡単だ。

 登録にはfacebookのアカウントが必要になるが、本人の個人情報が公開されてしまうような事は無い。
 メニューの「プロフィール編集」から自分の情報を編集しておけば安心だ。(BTCやMONAのアドレスを入力しておこう)


 次は、自分の知りたいことや必要な物について依頼を上げてみよう。
 やり方はまず画面下部メニューの「プロジェクト」から作成できる。


 右上の鉛筆マークを押下して登録画面を呼び出そう。



 登録画面では、サムネイル用の写真の登録や依頼内容、タイトルなどの情報が入力できる。
 依頼の形式によって入力しなければならない項目は変わってくるとおもうが、ちょっとしたお悩み相談であればそれほど多くは必要ない。
 相手に支払う報酬は円・BTC・MONAから選べるようになっている(複数同時は不可。
 その場で決めてしまわなくても、相談してから決めるというような手段も取れる。
 
 必要項目を入力したら、あとは登録すればOKだ。
 現在はサービス開始直後ということもあって、そこまで多くの依頼はみあたらないが、今後リリースされる予定のIOSアプリの展開が進むころには盛況を迎えている事だろう。

暗号通貨が生み出す未来のカタチ

 本サービスを提供されているHB株式会社(HB CO.,LTD.)の、代表取締役を務めていらっしゃる岡本潤氏に直接話を伺えたのでいくつかの質問をぶつけてみた。

–BitcoinやMonacoinを導入した理由は?

暗号通貨全般に言えますが、「消費する場所がない」ことが一般利用として浸透する上での障壁だと思っています。アルトコインであればなおさらですが、取引所の値段が上がった下がったと一喜一憂しているようではまだまだ本当の”通貨”とは呼べません。
消費という形で実際に使える場所を提供したいということでbitcoinの採用を決めました。
Monacoinについては、興味があったからということが本音です。日本国内で生まれた通貨がどのように成長していくのか見てみたい、というファン目線です。

また、海外へもサービス展開を考えていますので、そういった意味でも暗号通貨の利用はアプリをリリースする上でマストの要件でした。今後も利用できる通貨を拡大予定でして、何を採用するのか検討しています。

–Bitcoinの今後について

技術的な点が話題としてフォーカスされている時点で健全な状況だと思っています。
*2017.10.4時点で2xへのハードフォーク問題などを抱えている
問題は尽きませんが、紆余曲折しながらも必ず良い通貨に成長していくと思っています。

–HB株式会社のサービスビジョンと暗号通貨について

これから期待することを弊社サービスも絡めて答えますと「(暗号通貨を)消費できる場所」の提供が、現金やカード、財布を持ち歩かずにすむ新しいデジタル社会を作っていくと考えています。

当アプリではチップをメールのように送れて、例えば

『好きな人になんてLINEしよう』

『新宿に接待で使えるお店を教えてほしい』

など比較的ライトな要件・相談にチップを贈り合うクラウドソーシングとしての使い方と、飲食の支払いなどに替わる決済ツールとしての提供の2つの使い方を提案していきたいと考えています。
全ての事がスマートフォンベースで完結する将来が近くまで来ていますので、そのためのサポートツールとして当アプリが浸透してくれることを願っています。

今後は派遣業への進出も視野にいれており、決済側および受領者側が了解するようならば暗号通貨でのやり取りも良いと考えているそうだ。また、海外の優秀なエンジニアを雇うことも報酬を暗号通貨とすることでよりシームレスな受発注が可能になると、とても明るい展望を語っていただけた。
余談だが、受け取る側が希望すればではあるが、同社内の報酬を暗号通貨で行う視野もあるそうだ。
明細から円表記が消える未来はもはや目前なのかもしれない。

広がる暗号通貨コミュニティー

 暗号通貨のすごいところは、場所も文化も言語も選ばない価値の共有にある。
 まさに世界中から結果を集めることが出来るし、それにコミットすることができる世界なのだ。

 筆者も暗号通貨の開発に関わっているが、暗号通貨がもっている可能性は現段階ではあくまでも氷山の一角にすぎない。

 すべての情報に紐づけられた暗号通貨ネットワーク、そしてコミュニティーは国家の枠組みを超えるだろうし、極めて円滑なトランザクションを生み出し、公平で公正な社会を作り上げる上での礎になるだけのキャパシティーをもっている。

 ただ惜しむらくはそうした技術革新の裏で、価格の高騰だけに焦点を当てた不愉快な組織が蠢いていることも事実だ。
 目先の利益につい視線が向かってしまうのは仕方のないことかもしれないが、「絶対に儲かる」などの甘言にはまどわされないようにしてもらいたい。

 結局のところ、どんなに素晴らしい物もそれに関わる人の在り方次第なのだ。

 より素晴らしい未来のために、最高に楽しい使い方を【Chip】で体験してはいかがだろうか?

情報元

HB株式会社|副業や在宅の仕事が集まるクラウドソーシング – Chip(チップ)
副業や在宅案件が集まるクラウドソーシング-Chip(チップ) – Google Play の Android アプリ
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某所でフリーライターとして生活中。 36歳妻子持ちの子煩悩(親ばかともいう)。 趣味でこっそりと小説を書いている。

Twitter: @stak999